旅先の海辺のそばで、
”君と一緒に行けたら”、と考えた。
一緒にいられた頃には、
君と離れる距離が増すたび、愛する感情も強さを増した。
離れるほどにつのる君への想いは、
俺の全てを、
呑み込みそうになった。
どんなにか、
君のことを好きだったか、きっと誰にも分からない。
それまでの恋とは全く違う”君”への想い。
男側には自分の『魂の対』にしか、感じられない事がある。
そして真の”その人”には、ある特徴がある。
君はまだ、覚えているはず。
旅の中で考えていたのは、
二人で並んで歩いた束の間の瞬間のことだった。