この記事はこれからの僕の経験をふまえ、追記や修正をする場合がございます。また、追記や販売状況によって、価格変更する場合がございますので、よろしくお願いします。(本編は約14,400字です)【R7.8.1】 本編をリライト【R7.8.2】 追記:「またズレないように」じゃなくて、「また育てていく」ために ○○の話を今しておきたい(続編は約2,000字です)【R7.8.2】 追記:「変わる」のではなく、「○○○」ことを選ぶ~5年間をあらためて振り返り~(さらに続編は約14,000字です)
ここからが本編です👇
序章:「この関係、もう終わったのかな」と思ってた
ある夜のこと。妻とリビングですれ違ったんです。
同じ空間にいるのに、目も合わない。言葉も交わさない。あれ? っていうか、気配すらスルーされてる…??
その瞬間、心のどこかで思っちゃったんですよね。
「あ、これ……もうダメかもしれん」って。
別に、原因がわからないわけじゃないんです。むしろ、出てくる出てくる。
ちょっとしたズレ、しょーもない言い争い、「あの時、あんな言い方しなけりゃ…」っていうセリフの数々。
思い返せば、心当たりだらけ。
でももう、何から手をつけたらいいかすらわからなくて。いや、正確には「手遅れ感」ってやつに勝手に支配されてた気がします。
一緒に笑ったのって、いつだっけ??ふたりで何か話したの、いつぶり??記憶が昭和かってくらい遠くて。
それでも僕はそこから、ちっちゃくて地味な「ジタバタ」を始めたんです。
夜な夜な検索履歴が「夫婦関係 再構築 方法」で埋まり、SNSの「夫婦仲復活ストーリー」を読み漁り、本屋では自己啓発コーナーの常連、YouTubeでは知らん夫婦ののろけ話に泣きそうになったり。
でも、どれもあんまり刺さらなかった。
なぜなら僕、・毎日ポジティブな言葉をかけるのとか無理ゲーだし・急にロマンチックな夫になれるほどキャラ変できないし・そもそもマメじゃない(致命的)
じゃあ、どうしたのか??
やったのは、もっと地味で、もっと「しょぼいけどガチ」なことでした。
- スベっても、翌日またやってみる
- 無視されても、心の中で「今の僕、いい顔してるぞ」って自分を励ます
- 「オレって今、寂しいって思ってるんだなあ」とか、自分の気持ちにラジオDJばりに実況してみる
・・・うん、今書いててもだいぶダサい。でもね、不思議と少しずつ、ほんの少しずつ、何かが変わっていった気がするんです。
振り返ると、この5年は「夫婦関係の再構築」というより、「自分という人間の組み直し」だったのかもしれません。
このnoteには、すぐに効く特効薬みたいなテクニックは出てきません。キラキラなアドバイスや、映画のような奇跡のシーンも、たぶんありません。
その代わり、「どうしようもなかった中年男性が、なんとか生き延びて再起していく過程」はリアルに残っています。
正直、ここまでこれたのは、奇跡か根性か運か・・・もう、全部かもしれません。
もしあなたが今、「うちもやばいかも…」とか「なんでこんなにしんどいんだろ…」とか感じてるなら、
このnoteが、「自分だけじゃない」って思える小さな灯りになれたら嬉しいし、できれば、ほんのちょっとでもヒントになったら・・・最高です。
では、ここから第1章です。夫婦のどん底。その入口だった「あのとき」から、いっしょに振り返っていきましょうか。
第1章:どん底にいた僕のこと
気づいたときには、もう手遅れだった。
いや、正確には「気づかないふりしてた」ってのが、本当のところかもしれません。
外から見れば、たぶんうちの家庭は「普通」だったと思います。
子どもがいて、住宅ローン背負って、共働きでそこそこ忙しい。ケンカする元気すらなくて、かといって仲良しこよしな感じでもなくて。
食卓では「醤油とって」だけが響いて、リビングじゃ、夫婦それぞれスマホとにらめっこ。子どもの話題は出るのに、夫婦の話題はゼロ。完全ノー会話ゾーン。
でも当時の僕は、そんな日常を「まあ、そんなもんでしょ」って片づけてました。
「他所もこんな感じだよね?っていうか、たぶんウチのほうがマシかも??」とか勝手に思ってました。
いやぁ、心ってほんと器用に冬眠するんですね。しかも、目覚ましセットしてないタイプ。
きっかけは、本当にちっちゃいことでした。たしか、洗濯機の使い方について妻に注意されたとき。
いつもの感じだったんですよ。怒鳴られたわけでも、グサッと来る言葉があったわけでもない。でも、その日だけは妙に冷たく感じた。
その瞬間、心の奥で「パキッ」と、何か折れるような音がした気がしたんです。
「……なんで僕、こんなに自信ないんだろう?」
その疑問が、じわじわと全身に広がっていきました。
あぁ僕、知らん間にめちゃくちゃ自分を責めながら生きてたんだな…って。
でもその一方で、妻には「もっと僕を認めてくれよ!」って思ってた。ねぇ、よく考えたらこれ、矛盾すごくないですか?
自分で自分のことを粗大ゴミ扱いしておいて、相手には「大事にしてほしい」とか言っちゃうんです。どの口が言ってんの?って感じ。
当時の僕は、心の中でずっと体育座りしてました。いや、もはや埋まってました。地面に。顔だけ出して。助けてほしくて。
でもそれを誰にも言えなかった。情けないし、かっこ悪いし、何より「壊れてる」って認めたら立ち直れない気がした。
だから、笑ってごまかす。無表情でやりすごす。そういう仮面で何年も過ごしてました。
じゃあ、僕にとって何が「どん底」だったのか?
それは「妻が冷たい」とか「会話がない」とか、表面的な話じゃなくて、もっと内側の、僕の心の話だったんです。
「僕って、家庭の中で意味ある存在なんだろうか?」「妻から見て、いてもいなくても変わらない存在なんじゃ?」「いやむしろ、もう終わってるのに、僕だけがしがみついてるのかも……」
そんな疑念が、気づけば僕の脳内会議をジャックしてました。
でも、誰にも言えない。なにしろ、そういうのを言葉にするのが苦手すぎて。そもそも自分の感情をキャッチするアンテナがずっと故障中だった。
で、何したかっていうと、気づかないふりして、まあまあを装って、日々をやりすごしてました。
「僕らは別にラブラブじゃないけど、壊れてもない」そんなグレーゾーンにしがみついて、なんとか立ってた。
でも、ほんとはもう壊れてたんですよね。静かに、じわじわ、見えないところからヒビが入って、そしてある日、ガラスのコップみたいにパリンと割れる予感がしてた。
僕は、その音をずっと聞いてたんです。心の一番奥で。
これが、「夫婦関係を再構築しよう」と向き合う、ちょっと前の僕の状態です。
でも僕は、本当に思ってます。ここからが、僕ら夫婦の本当の始まりだったんじゃないかって。
いや、もしかしたら「自分自身との関係のやり直し」が始まった瞬間だったのかもしれません。
あのとき、心の中で「誰か助けて」って叫んでたけど、その誰かって、自分自身だったんですね。