はじめに
毎日忙しく働いているのに、なかなか収入が増えない。「もっと仕事を増やさなければ」「もっと営業しなければ」そう考えて、仕事の量を増やしていく人もいるかもしれません。
でも実際には、仕事そのものだけでなく、問い合わせへの返信や、同じ質問への説明、サービス内容の案内などに時間を取られていることもあります。
でも、自分が使える時間には限りがあります。仕事を増やすだけでは、いつか時間が足りなくなってしまいます。
そこで考えたいのが、自分が毎回説明していることや、案内している流れを整理しておくことです。
最初に仕組みを作るまでは、少し時間がかかります。でも、一度流れを整理しておけば、毎回同じことを最初から説明する負担を減らせます。
その分、実際の仕事に集中したり、相談に来てくれた人とじっくり話したりする時間を作りやすくなります。
また、必要な情報をあらかじめ届けておくことで、相談する前にサービスの内容や考え方を知ってもらうこともできます。
「何から説明すればいいのか分からない」
「また同じ説明をしなければならない」
といった負担が少しずつ減れば、気持ちにも余裕が生まれます。
そして、サービスの内容を理解し、自分に合っていると感じた人が相談に来てくれる流れを作ることができれば、誰にでも同じように営業するのではなく、本当に自分のサービスを必要としている人との時間を大切にしやすくなります。
つまり、セールスファネルは単に「自動で売るための仕組み」ではありません。
必要な人に、必要な情報を、必要な順番で届けることで、仕事の進め方そのものを整理していく仕組みです。
この記事では、セールスファネルを難しい仕組みとして考えるのではなく、自分のサービスに合わせて、少しずつ作っていく方法を紹介します。
ファネルを整えていくと、問い合わせが来るたびに同じ説明を繰り返したり、サービス内容を一から案内したりする時間を減らしやすくなります。
すべてを自動化できるわけではありませんが、必要な情報をあらかじめ整理しておくことで、「また最初から説明しなければ」と感じる負担を減らし、本当に必要な相談や仕事に時間を使いやすくなります。
そうした小さな変化が積み重なることで、仕事に追われる感覚を少し減らし、気持ちにも余裕を持ちやすくなります。
最後には、自分のサービスに当てはめて整理できるワークシートも用意しています。読みながら、「自分ならどうするか」を考えてみてください。
最後のワークシートで、実際に整理していきます。
準備編
1.なぜ、ブログやSNSだけで終わらせないのか
毎回、同じ説明を最初から繰り返していると、それだけで時間を使ってしまいます。
「もっと仕事を増やしたい」と思っても、自分の時間には限りがあります。
そこで考えたいのが、自分が毎回説明していることを、あらかじめ整理して届けておく仕組みです。
それが、セールスファネルです。
・セールスファネルは「購入してもらうまで」の仕組みではない
セールスファネルというと、
「どうすれば商品やサービスを買ってもらえるか」
という部分だけを考えてしまいがちです。
でも、本当に大切なのは、購入までを急がせることではありません。
相手に必要な情報を順番に届けながら、
「これは自分に必要なサービスか」
「この人に相談して大丈夫か」
を判断してもらうことです。
特に、コンサルティングやコーチング、Web制作、マーケティング支援などのような、実際に形のないサービスでは、商品を手に取って確認することができません。
そのため、
「何をしてくれるのか」
だけではなく、
「自分の悩みを理解してくれるのか」
「どんな考え方で仕事をしている人なのか」
「この人に任せても大丈夫なのか」
といったことも、サービスを選ぶときの判断材料になります。
だからこそ、サービスの内容だけでなく、提供者の考え方や人柄なども少しずつ知ってもらうことが大切です。
・セールスファネルの基本的な流れ
セールスファネルは、次のような流れで考えることができます。

知ってもらう
↓
興味を持ってもらう
↓
内容を理解してもらう
↓
信頼してもらう
↓
相談してもらう
↓
購入する
↓
購入後のサポートを行う
↓
満足・継続・紹介につなげる
ここで大切なのは、購入したらファネルが終わるわけではないということです。
購入後も、サービスの利用方法を案内したり、分からないことを確認したり、必要なサポートを行ったりします。
その結果、サービスに満足してもらえれば、継続して利用してもらったり、誰かに紹介してもらったりすることもあります。
この部分については、記事の後半で詳しく説明します。
つまり、ファネルは「購入してもらうためだけの仕組み」ではなく、購入後まで含めて、相手との関係をつくっていく流れとして考えることができます。
・SNSだけに頼らない理由
SNSは、自分のサービスを知ってもらうための、とても便利な場所です。
ただし、SNSで発信しているからといって、自分の投稿を必要な人に必ず届けられるわけではありません。
SNSには、どの投稿をどのように表示するかを決める仕組みがあります。その仕組みを「アルゴリズム」と呼びます。アルゴリズムの変更によって、それまで多くの人に見てもらえていた投稿が、以前ほど表示されなくなることがあります。
また、サービス側の判断やトラブルなどによって、アカウントが利用できなくなる可能性もあります。アカウントが使えなくなれば、それまでつながっていた人に情報を届けることも難しくなります。
つまり、SNSでの発信は便利である一方、自分だけではコントロールできない部分もあります。
もちろん、これは「SNSを使わないほうがいい」という意味ではありません。
SNSは、新しい人に自分やサービスを知ってもらうための入口として、とても役立ちます。
ただ、せっかく興味を持ってくれた人とのつながりまで、SNSだけに頼ってしまうのは避けたいところです。
そこで、SNSで知ってもらった後も、興味を持ってくれた人と継続してつながれる方法を用意しておきます。
無料特典などをきっかけに、メールアドレスやLINE公式アカウントなどの連絡先を登録してもらえば、その後はSNSの投稿がどれだけ表示されるかとは別に、興味を持ってくれた人へ、自分から必要な情報を届けられるようになります。
ここは、セールスファネルを作るうえで特に重要な部分です。
SNSのフォロワーを増やすことだけを目標にするのではなく、興味を持ってくれた人と、その後もつながっていける状態を作っておく。
これが、メールやLINE公式アカウントを使う大きな理由の一つです。
ただし、これは「連絡先を集めればいい」という話ではありません。
連絡先を教えてもらう代わりに、役立つ資料や情報をプレゼントする。
そして、その後も相手が必要としている情報を、必要なタイミングで届けていきます。
一方的にサービスの案内ばかり送るのではなく、次のような情報を届けていくわけです。
- 悩みを整理するための情報
- 問題を解決するためのヒント
- 自分で確認できるチェックリスト
- サービスについて理解するための説明
- 提供者の考え方や人柄
つまり、
SNSは「知ってもらう場所」。
メールやLINE公式アカウントは「興味を持ってくれた人と継続してつながる場所」。
と考えると分かりやすいでしょう。
セールスファネルでは、SNSのフォロワーを増やすことだけを目的にするのではなく、サービスを検討するために必要な情報を、必要な順番で届けていくことが重要です。
そして、そのためには、
SNSで知ってもらう
↓
無料特典を受け取ってもらう
↓
メール・LINEで継続して情報を届ける
という流れを作っておくことが役立ちます。
また、メールやLINEは、誰でも見られるSNSの投稿とは違い、登録した人に向けて情報を届ける場所です。
SNSでは、たくさんの投稿の中に自分の発信が流れていきます。
一方、メールやLINE公式アカウントなら、登録してくれた人に向けて、自分から直接情報を届けることができます。
届けた情報を後から見返してもらえる場合があるため、必要な情報を一度きりの投稿で終わらせず、少しずつ伝えていけることもメリットの一つです。
また、登録しているということは、少なくともそのテーマに興味を持ってくれている人です。
そうした人に必要な情報を少しずつ届けることで、サービスについて詳しく知ってもらったり、提供者の考え方や人柄を知ってもらったりする時間を作りやすくなります。
もちろん、メールやLINE公式アカウントだから必ず読んでもらえるわけではありません。
一方的に大量の情報を送るのではなく、相手が必要としている情報を、必要なタイミングで届けることが大切です。
それでも、「メールやLINE公式アカウントを送ったら、嫌がられないだろうか」と心配になるかもしれません。
その場合は、相手がいつでも登録を解除できる状態にしておくことが大切です。
すべての人に、ずっと情報を受け取り続けてもらう必要はありません。
自分のサービスに興味がなくなった人が解除することは、決して悪いことではありません。
むしろ、必要としていない人とのつながりを整理して、本当に情報を必要としている人に届けやすくすることにもつながります。
大切なのは、登録者を増やし続けることではなく、必要としている人に、必要な情報を届けることです。
2.まず、自分のサービスを整理する
ファネルを作る前に、まず自分が何を提供するのかを整理しておきましょう。
考えたいのは、次の4つです。
- 誰に届けるのか
- どんな悩みを解決するのか
- 何を提供するのか
- どんな変化をサポートするのか
まずは、それぞれについて整理していきましょう。
①誰に届けるのか
「誰に届けるのか」は、できるだけ具体的に考えてみます。
例えば、
「個人事業主」
「小さなお店を経営している人」
「集客に悩んでいる人」
というだけでは、少し幅が広すぎます。
「ホームページを作りたいけれど、何から始めればいいのか分からない個人事業主」
「SNSで発信しているけれど、なかなか問い合わせにつながらない人」
など、できるだけ相手の状況がイメージできるようにしてみましょう。
②どんな悩みを解決するのか
次に、その人がどんなことで悩んでいるのかを考えます。
例えば、
「ホームページを作りたいけれど、何を載せればいいのか分からない」
「SNSを頑張っているけれど、問い合わせにつながらない」
「自分のサービスの良さを、うまく説明できない」
といった悩みです。
ここでは、自分が提供したいサービスから考えるのではなく、相手が今どんなことで困っているのかを考えてみることが大切です。
③何を提供するのか
ここでは、実際にどんなサービスを提供するのかを整理します。
例えば、ホームページ制作、集客の相談、SNSの運用サポートなどです。
単にサービス名を書くのではなく、「サービスの内容や強みを整理して、分かりやすく伝えられるホームページを制作します」というように、具体的な内容まで考えてみましょう。
こうしておくと、後の説明がしやすくなります。
④どんな変化をサポートするのか
ここで大切なのは、単に「何をするサービスなのか」だけで考えないことです。
例えば、
「ホームページを作ります」
だけではなく、
「サービスの内容や強みが伝わりやすくなり、問い合わせにつながるホームページを整えます」
というように、そのサービスを利用した後に、相手がどんな状態を目指せるのかまで考えてみます。
もちろん、必ず大きな成果を約束する必要はありません。
「何を提供するのか」に加えて、「それによって、相手がどうなれるのか」まで考えることが大切です。
この視点を持っておくと、無料特典やメールの内容、個別相談で伝えることも整理しやすくなります。
①〜④を組み合わせて考えてみる
ここまでの4つを組み合わせると、自分のサービスがより分かりやすくなります。
このように整理すると、自分のサービスを「何を売るか」だけではなく、相手にどんな価値を届けるのかという視点で考えられるようになります。
この4つを整理すると、自分のサービスを分かりやすく伝えるための「コア・メッセージ」を作りやすくなります。
この4つは、ファネル全体を考えるときの土台になります。ここが明確になっていれば、無料特典やメール、個別相談など、その後の内容も考えやすくなります。
また、整理した内容は、SNSのプロフィールやブログの「はじめての方へ」といったページを作るときにも役立ちます。
具体的な書き方は、記事の最後のワークシートで整理していきます。ここでは、まず「自分なら誰に、何を届けたいのか」を考えながら読み進めてみてください。
3.無料特典を決める
次に、ブログやSNSを見てくれた人に、無料で渡すものを考えます。
これを、ここでは「無料特典」と呼びます。
無料特典には、例えば次のようなものがあります。
- PDF
- チェックリスト
- テンプレート
- 診断シート
- 自己分析シート
- 初心者向けガイド
- ワークシート
- 解説動画
- 無料セミナー
無料特典は、最初から立派なPDFを作る必要はありません。
過去に書いたブログ記事の内容を整理して、読みやすくまとめるだけでも構いません。
また、1枚のチェックリストや、簡単な診断シートなどでも十分です。
まずは、自分がすでに持っている情報を使って、作りやすいものから始めてみましょう。
また、PDFだけにこだわる必要はありません。動画や診断など、スマートフォンで短時間に確認できるものにする方法もあります。
例えば、数分の解説動画や、いくつかの質問に答えるだけで自分の状況を確認できる診断などです。
大切なのは、形式よりも、受け取った人が「これならすぐに使えそう」と感じられることです。
大切なのは、単に連絡先を登録してもらうためのプレゼントにしないことです。
「これを受け取れば、自分の悩みについて一歩前に進めそう」
と思ってもらえる内容にします。
例えば、
コーチングやコンサルティングなら、
「自分の悩みを整理するチェックリスト」
Web制作なら、
「ホームページを見直す10項目チェックリスト」
集客支援なら、
「集客導線10項目チェックリスト」
といったものが考えられます。
ハンドメイド作品を販売しているなら、
「ハンドメイド作品を長く楽しむためのお手入れガイド」
士業なら、
「○○手続きの基本チェックリスト」
のような内容でもいいでしょう。
サービスによって、相手が必要としている情報は違います。
大切なのは、無料特典を受け取った人が、そのテーマについて少し理解できたり、実際に何かを試せたりすることです。
・無料特典ですべてを解決しなくていい
ここで、
「無料でここまで役立つものを渡したら、有料サービスが必要なくなるのでは?」
と心配になる方もいるかもしれません。
でも、無料特典ですべてを解決する必要はありません。
無料特典の役割は、自分の悩みや問題に気づいてもらったり、最初の一歩を踏み出してもらったりすることです。
例えば、チェックリストなら「どこを見直せばいいのか」を確認できるところまで。
その先にある、
「自分の場合は、具体的にどう改善すればいいのか」
「実際にどうやって仕組みを作ればいいのか」
といった部分は、有料サービスで一緒に進めていきます。
つまり、
無料特典=問題を整理する・最初の一歩を踏み出す
有料サービス=その先の具体的な解決をサポートする
という役割分担です。
無料で全部を解決しようとするのではなく、「もっと詳しく知りたい」「自分の場合も相談してみたい」と思えるところまで案内することが大切です。
・無料特典を作る
例えばPDFの無料特典なら、Canvaのテンプレートを使うと比較的簡単に作成できます。
最初からデザインにこだわる必要はありません。
まずは、
- タイトルを入れる
- 内容を書く
- 見出しを付ける
- 必要ならチェック欄や図を加える
- PDFとして保存する
というくらいのシンプルな形でも十分です。
大切なのは、きれいなデザインにすることより、受け取った人が内容を理解して、実際に使えることです。PDFにするのが難しければ、Googleドキュメントなどで内容を作り、閲覧用のURLを案内する方法でも構いません。
ここまで考えてきた「誰に届けるのか」「どんな悩みを解決するのか」「何を提供するのか」「どんな変化をサポートするのか」が整理できていれば、無料特典も考えやすくなります。
そして、この内容は後半のワークシートで、実際に自分のサービスに当てはめて整理していきます。
4.無料特典のタイトルを決める
無料特典の中身が決まったら、次はタイトルです。
タイトルを見ただけで、
「自分に関係がありそう」
と思ってもらえることが大切です。
例えば、
「初心者向け集客ガイド」
よりも、
「集客で見直したい10項目チェックリスト」
のほうが、何について確認できるのかが分かりやすくなります。
タイトルを考えるときは、
- 誰向けなのか
- どんな悩みに役立つのか
- 何が分かるのか
- どんな形式なのか
を意識してみましょう。
難しい言葉を使う必要はありません。
「何がもらえて、何に役立つのか」が伝わるシンプルなタイトルを目指します。
5.無料特典の最後に「次の行動」を入れる
無料特典を作ったら、それだけで終わらせないことも大切です。
最後に、次に何をしてほしいのかを案内します。
例えば、
「さらに詳しく知りたい方はこちら」
「自分の場合について相談したい方はこちらからお申し込みください」
といった案内です。
ここで、無理に購入を迫る必要はありません。
無料特典を受け取った人が、
「もう少し詳しく知りたい」
「自分の場合はどうすればいいのか聞いてみたい」
と思ったときに、次へ進めるようにしておきます。
・ここで一度、流れを確認してみましょう
ここまでで、
自分のサービス
↓
無料特典
↓
無料特典を受け取った人にしてもらう次の行動
という流れが見えてきたでしょうか。
まだ具体的に決まっていなくても問題ありません。
「どんな人に、何を届けて、その後どうしてもらうのか」
という流れを意識しておけば大丈夫です。
詳しい内容は、この後、実際に導線を作りながら考えていきます。
