技術士R07【1203農業部門-農業農村工学】Ⅲ-1|1800字では伝えきれない!骨太論述と全詳解|農業水利施設の持続的保全管理と技術課題
小泉士郎🎈|技術士(建設・総監部門)×セルフケア
【技術士第二次試験|規定字数に関する重要なお知らせ】
本記事の解答論文は、
「深い考察と多角的な視点を学ぶための教材」
として作成しています。
- 本記事の内容規定字数(1800字以内:600字詰め解答用紙3枚)の1.3~1.5倍程度の分量で、骨太な論述と詳細解説を行っています。
- 規定字数(1800字以内:600字詰め解答用紙3枚)の1.3~1.5倍程度の分量で、骨太な論述と詳細解説を行っています。
- 試験本番での対応実際の技術士第二次試験においては、規定字数(1800字以内)を厳守してください。本記事の論旨や視点を、規定字数内に収める訓練としてご活用ください。
- 実際の技術士第二次試験においては、規定字数(1800字以内)を厳守してください。
- 本記事の論旨や視点を、規定字数内に収める訓練としてご活用ください。
🔷R07_Ⅲ-1|過去問題
農業の生産性向上のためには、農業用水を適切に確保し、その有効活用を図ることが重要であり、農業水利施設の持続的な保全管理を推進することが必要である。一方、農業水利施設については戦後から高度経済成長期にかけて整備された施設が多く老朽化が進行しているほか、近年の気候変動や農村人口の減少により、施設の保全管理に支障が生じることが懸念されている。このような状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。
(1)農業水利施設について、基幹施設から末端の用排水路までの保全管理に関して、多面的な観点から、あなたの選択科目に関わる技術課題を3つ抽出し、観点を明記したうえで、それぞれの技術課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した技術課題のうち最も重要と考える技術課題を1つ挙げ、その技術課題に対する複数の解決策を、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示した解決策に関連して新たに浮かび上がってくる将来的な懸念事項とそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
「日本技術士会」HP
🔷R07_Ⅲ-1【1.5倍論述のための】骨子例
(1)保全管理の多面的技術課題
〇観点1:気候変動による災害リスクへの対応
・排水能力の増強と設計外力の見直し
・流域治水への貢献による地域強靭性の向上
〇観点2:管理組織の脆弱化と労働力不足
・スマート水管理システムによる省力化
・データ駆動型管理技術の導入
〇観点3:施設の機能維持と長寿命化
・予防保全への転換の必要性
・ストックマネジメントによる戦略的保全管理
(2)最重要課題およびその解決策
▼最重要課題
・ストックマネジメントによる戦略的保全管理体制の構築
・基幹施設の突発的機能停止リスクへの対応
▽解決策1:機能診断技術の高度化と診断データベースの構築
・非破壊検査技術による定量的評価
・劣化進行予測モデルを用いた中長期保全計画
▽解決策2:長寿命化計画に基づく予防保全型補修工法の導入
・構造物別の適切な補修工法の適用
・更新投資の平準化と財政負担の軽減
▽解決策3:広域管理体制の構築と技術継承
・土地改良区の統合による専門技術者の適正配置
・維持管理技術の次世代継承プログラム
(3)新たな懸念事項及びその対策
◇懸念事項及びその対策1:高度な診断技術に伴う技術格差
・AI活用による客観的評価手法の確立
・都道府県による技術支援体制の強化
◇懸念事項及びその対策2:予防保全型への移行期における財政負担増
・長寿命化効果のシミュレーションによる説明
・補助事業の柔軟な組合せによる事業費平準化
◇懸念事項及びその対策3:管理の広域化・外部委託による現場対応力の低下
・地域拠点の維持による初動対応能力の確保
・水管理情報のデジタルアーカイブ化による技術継承
🔷R07_Ⅲ-1【深掘り考察】設問(1)解答
(1)保全管理の多面的技術課題
〇観点1:気候変動による災害リスクへの対応
近年の短時間強雨の頻発により、既存の排水計画を上回る負荷が生じている一方、夏季の高温化や降水量の偏在により水資源の不安定化が顕著となっている。排水機場の能力増強やファームポンドの設置等のハード対策に加え、気候変動予測に基づく設計外力の見直しが必要である。また、農業水利システムを活用した流域治水への貢献など、地域全体の強靭性を高める防災・減災能力の強化が技術課題である。
〇観点2:管理組織の脆弱化と労働力不足
農村の人口減少・高齢化により、土地改良区等による伝統的な人的管理が限界を迎えている。自動給水栓や遠隔操作ゲート、水位センサー等を連携させたスマート水管理システムの導入により、管理負担の軽減を図る必要がある。収集されたデジタルデータを蓄積・分析し、配水計画の最適化や施設の効率的運用に繋げる、データ駆動型管理技術による省力化・高度化が技術課題である。
〇観点3:施設の機能維持と長寿命化
戦後から高度経済成長期にかけて整備された基幹施設の多くが標準耐用年数を経過し、コンクリート構造物の劣化や機械設備の摩耗が進行している。頭首工やポンプ場等の重要施設において突発事故が発生すれば、広範囲の農地で営農に甚大な影響を及ぼすため、従来の事後保全から予防保全への転換が急務である。施設の機能診断技術による定量的評価に基づき、ライフサイクルコストを低減しつつ適切な更新・補修計画を策定する、ストックマネジメントによる戦略的保全管理体系の構築が技術課題である。
🔷R07_Ⅲ-1【重要課題特定と解決策の提示】設問(2)解答
(2)最重要課題およびその解決策
