🔶R07_Ⅱ-2-2|過去問題
都市部の地下空間では、ライフライン等の占用物件が輻輳しているうえ、地質や地下水等の詳細を把握しにくいため、仮設構造物等も含めた安全な地下構造物の設計・施工が課題となっている。これらの状況を踏まえ、地下水位の高い幹線道路交差点での地下鉄駅に接続する地下道建設工事(開削工法(鋼矢板)の施工段階における仮設構造物の調査、設計及び施工計画を立案し実施する責任者として、下記の内容について記述せよ。
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順について、留意すべき点、工夫を要する点を含めて述べよ。
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係者との調整方策について述べよ。
「日本技術士会」HP
🔶R07_Ⅱ-2-2|骨子例
1.調査・検討すべき事項およびその内容
1)地質・地下水調査
・支持層深度と土質定数の把握
・被圧地下水調査とボイリング対策検討
2)既存埋設物・周辺構造物調査
・ライフラインの位置・深度・構造調査
・隣接構造物の基礎形式と許容変位量把握
3)仮設構造物設計検討
・鋼矢板・切梁配置の地盤条件対応設計
・地下水処理工法の適用性検討
2.本業務を進める手順、及び留意点・工夫点
①事前調査・設計段階
・既存図面精度確認と埋設物離隔距離把握
・関係機関協議並行実施による調査許可迅速化
②仮設構造物施工段階
・振動・騒音監視と許容値超過時対応準備
・変位計測結果による段階施工判定システム構築
③掘削・地下水処理段階
・リチャージ工法による周辺地盤沈下防止
・ボイリング対策の載荷盛土・矢板根入れ長動的調整
3.関係者との調整方策
a)地下鉄事業者
・影響評価結果定期報告と監視体制協議
・接続部詳細設計の技術検討会開催
b)ライフライン事業者
・埋設管路移設・防護工法の事前協議
・24時間対応可能な緊急時連絡体制構築
c)道路管理者・交通管理者
・交通規制計画と迂回路確保の警察署協議
・道路占用許可条件と安全施設配置調整
d)周辺住民・事業者
・工事説明会による施工方法・工程説明
・苦情対応窓口設置と工事進捗定期報告