『ミニスカ刑事・水野真由美:孤島の名探偵会議殺人事件』
■プロット概要
舞台: 外界から隔絶された孤島の洋館。海洋に関する莫大な利権を持つ財団が主催する“探偵たちの晩餐会”。その場に集められたのは、名のある探偵、警察関係者、犯罪心理学者――そして招かれざる存在も。だが、密室での殺人事件が発生。水野真由美は“捜査対象”として拘束されるが、脱出後、真実を暴き、犯人を追いつめていく。
水野真由美(30):特殊犯罪対策課所属。身長180cmの空手全国女王。冷静かつ行動力に優れるミニスカアラサー刑事。身長180cm体重75kgB95cmW65cmH105cm座高103cm股下77cm太もも周り67cm
■構成(全10章)
- 招かれざる刑事
- 洋館に響く悲鳴
- 密室とアリバイの罠
- 仮面の来訪者
- 椅子に拘束された刑事
- 目撃者は語らず
- 犯人の手記と真由美の反撃
- ハイキック・ラプソディ
- 最後の仮面、最後の嘘
- 真相と、名探偵たちの夜明け
第1章:招かれざる刑事
午後3時10分/孤島・霧影館 港側ゲート
エンジン音が止むと、湿気を含んだ海風が真由美のミニスカートを揺らした。
「着いたな……」
白いジャケットの袖を軽く正し、黒のインナーに包まれたボディラインを整える。180cmの長身、引き締まった脚、太もも周り67cm。海を背景にしたその姿は、どこか非現実的なまでに整っていた。
車を停めて捜査資料を読む真由美


水野真由美(30)。警視庁・特殊犯罪対策課所属の刑事であり、過去には空手全国大会で女王の座を得た経歴を持つ。
今日この島に来たのは“正式な任務”ではない。ある人物から届いた謎の招待状――それが全ての始まりだった。
『霧影館にて、“名探偵会議”を開きます。あなたのような“頭脳と身体を兼ね備えた異色の刑事”の参加を望んでおります。』
差出人は“探偵倶楽部・主宰:霧ヶ峰 朔弥”。
(名探偵会議、ね……。面白そうじゃない)
真由美はブーツのヒールで桟橋を踏みしめ、霧に包まれた洋館――霧影館へと足を進めた。
午後4時/霧影館・エントランスホール
高い天井にシャンデリアが吊るされた石造りのロビー。そこで待っていたのは、各国から招かれた“名探偵”たちだった。
・霧ヶ峰 朔弥(きりがみね・さくや):主宰者にして元検察官。冷静沈着な論理派。

・藤堂 蓮司(とうどう・れんじ):民間の犯罪心理分析官。胡散臭さとユーモアをまとった男。

・桐島 玲奈(きりしま・れいな):女性探偵。元ジャーナリスト。情報収集に長ける。

・アラン・ドヴァン:フランス人。法医学専門の探偵。

・瀬名 和人(せな・かずと):新進気鋭の若き数学者。アリバイ解析に優れる。

一見して、この場に真由美のような“刑事”は似合わない。
「警視庁の方ですか? 場違いなところへようこそ」
藤堂が皮肉気に言うと、真由美は薄く微笑んだ。
「“名探偵”じゃなきゃ参加できないなんて、書かれてなかったわ」
玲奈が割って入った。
「まあまあ。空手全国女王で、特殊犯罪対策課の現役って……これはこれで目立ってるけど」
全員が揃ったところで、霧ヶ峰が語り始めた。
「今宵、我々は一つの“実験”を行う。推理力と洞察力を競う“模擬事件”をここで行う予定だったが……」
その言葉は、途中で止まる。
ホールの奥――階段の踊り場から、何かが“転がってきた”音がしたのだ。
真由美が即座に構えを取る。
「全員、その場から動かないで!」
その声が響いた瞬間、“転がったモノ”が視界に入る――
それは、人間の首だった。

午後4時05分/霧影館・2階階段踊り場
死体は、階段の奥にあった部屋から落ちたらしい。
転がったのは、霧影館の“料理長”である御堂 政人(みどう・まさと)。首と胴体が分離されていた。
「死因は斬首……? でも、血の量が少ない……おかしいわね」
真由美が死体を見ながら小声で呟くと、アランがすぐさまメスを取り出し、解剖を始めようとした。
「やめて。まだ警察でもない限り、現場保存が優先よ」
「マドモアゼルは警察官では?」
「今は参加者。立場は対等のはずよ」
と、その時だった。
「“この中に犯人がいる”ということになりますねぇ……」
唐突に、鉄のシャッターが館全体を覆った。
ガシャンッ!
「何これ……!? 外への連絡も……」
全員がパニックに陥るなか、霧ヶ峰が静かに口を開く。
「この状況で言うのも何ですが――模擬事件ではありません。本物の殺人事件です」
そして、誰かが低く囁いた。
「つまり……この中に、犯人がいる――」
午後4時30分/霧影館・図書室
ひとまず捜査協議の場が開かれる。
「動機は? 利権? それとも怨恨?」
「まずは全員のアリバイを確認しよう。御堂が最後に目撃されたのは……」
全員が口々に話す中、真由美は静かに一歩引いて、壁際から観察していた。
(犯人はこの中にいる。だとすれば、最初に“騒ぎを誘導した人物”が怪しい)
その時、背後から微かな物音が――
「っ……!」
振り向いた瞬間、背後からスタンガンの閃光が走る!
「くっ!」
一瞬の反応で腕を振るうも、遅かった――
真由美の身体に、電流が走る。

「う……ッ……あ、が……」
意識が、黒く塗り潰されていく。
午後5時05分/霧影館・地下の密室
――目を覚ますと、暗闇の中。
真由美は白い椅子に座らされ、後ろ手に拘束されていた。

脚も交差させた状態でベルト状のものが締め付けている。
「……上出来ね。完全に不意打ちだった」
ブーツのつま先で床を叩き、距離を測る。
(座高103cm。脚の力はまだ残ってる)
「私がやられたってことは――犯人は、ここにいる“名探偵”の誰か」
彼女の冷静な分析は、すでに始まっていた。
やがて、彼女の口元にうっすらと笑みが浮かぶ。
「いいわ。なら、ここから反撃開始よ――」
第2章:洋館に響く悲鳴
午後5時06分/霧影館・地下の密室
「……っ」
目を閉じ、深く息を吸い込む。暗闇のなか、真由美は冷静に状況を整理していた。
(両手は後ろで縛られてる。材質は……化繊ロープか。太腿の内側に当たる感覚からして、かなり密着してる)
身体を微かにねじる。椅子は木製。背もたれは低く、重心はやや前寄り。脚を軽く交差させて座らされているが、拘束はやや雑だった。
(……舐められてるわね)
真由美は、脚を開くと見せかけて一気に締め、太ももで椅子の足を挟み込む。ブーツのヒールを支点に、身体を傾け――
「ふッ!」
膝を一気に跳ね上げ、椅子ごと床に倒れ込んだ。
バンッ!
「……よし。あとは、ロープを削るだけ」
床に転がった状態で背後の手を壁へ擦り付ける。コンクリートのざらついた面に、ロープが微かに引っかかる感触。
(あと少し……あと数センチ……)
ガチャリ。
その時、扉の鍵が回る音がした。
(まずい――!)
だが、次の瞬間。
「……何か、音がしたわ」
それは、探偵・桐島玲奈の声だった。
真由美は咄嗟に気絶したふりをする。倒れた椅子の上で、ブーツの先を脱力させる。
キィ……と軋む音を立てて扉が開く。
「……っ、真由美さん!? どうしてこんなところに……!」
「演技終了よ」
バッ!
突如、床から跳ね起きるように起き上がった真由美は、玲奈の足元にスライディングし、即座に立ち上がり、片膝から跳び蹴り!
バシュッ!
ハイキックがギリギリで止まり、玲奈の顔の横を掠めた。

「……あんたが犯人なら、今ので沈めてたわよ?」
「ちょ、ちょっと待って! 私じゃない! 鍵が開いてたから見に来ただけよ!」
真由美はしばらく睨みつけたが、やがて脚を下ろす。
「……疑って悪かったわ。でも、まだこの館の中にいる。犯人は、名探偵を装ってる」
午後5時20分/霧影館・ホール
再びホールに戻ると、空気が重く淀んでいた。参加者たちはそれぞれ距離を取り、鋭い視線を交わしている。
そんななか、突如、2階の廊下から悲鳴が響く!
「キャアアアアア!!」
真由美と玲奈が駆け出す。ブーツの音が石の床に鳴り響く。
「今のは……藤堂の声!?」
階段を駆け上がり、悲鳴の発生源――“書斎”の扉を開ける。
「……ッ!」
中にいたのは、血まみれになった藤堂 蓮司。
だが――
「生きてるわ!」
真由美が即座に身体を支える。服の肩口に切り傷。浅い。
「後ろから……ナイフで……斬られた……でも……犯人の顔は……」
そこまで言いかけて、藤堂は気を失う。
「誰が最初にここに?」
「私が見つけたときには……もう……」アランが目を伏せる。
玲奈が冷静に問いかける。
「アリバイ確認を。全員、さっきの5分間はどこにいた?」
■ 霧ヶ峰朔弥 → 地下室の配線盤を確認していたという■ アラン → ホールで地図を確認中■ 瀬名和人 → トイレにいた(証人なし)■ 桐島玲奈 → 真由美を助けに行った■ 真由美 → 地下密室で拘束されていた
(やっぱり、瀬名のアリバイが曖昧……でも、アランの動きも怪しい)
午後5時45分/霧影館・中庭側回廊
「襲撃者は、現場に痕跡を残さず逃げた……その事実が、逆に“探偵らしさ”を証明してる」
真由美は、回廊を歩きながらそうつぶやいた。
(仮に“演出”として自分を犯人に仕立てようとしたなら、誰が得をする?)
――その時だった。
「そこまでだ、水野刑事」
「……ッ!?」
振り返ると同時に、仮面を被った黒服の男が飛び出してきた!
「誰――!」
言い終わるより早く、真由美は脚を浮かせ、後ろ回し蹴り!

しかし、男は体を沈めて回避し、スタンガンを振りかぶる!
「ふんっ!」
真由美は体を捻り、開脚からの踵落としで仮面の男の肩口に蹴りを炸裂!
バシュッ!

男は数歩よろめくも、再び突進してくる。すぐさま真由美は太ももで男の胴を挟み込み、背中から倒れ込むように寝技に持ち込む。