中部電力のガスセットにまとめると、総合的な支払い料金が安くなるのか???
結論から言うと、
はい。安くなります。です。
本当に安くなるのか?どれくらい安くなる?単身の場合・家族世帯の場合は??
中部電力ガスセットの評判や、メリット・デメリットを把握してから切り替えたい!
そんな方々へ向け、順番に解説していきたいと思います。
中電ガスセットの基礎
はじめに、「中部電力」=「中部電力ミライズ」と考えていただいてOKです。
- 中部電力株式:持ち株会社
- 中部電力ミライズ:事業会社
従来、中部電力と呼ばれていた会社は、現在の中部電力ミライズです。
以降は単に「中部電力」と表現します。
今回、みなさんが知りたいのは、以下のような「ガス切り替え」で安くなるか、ということですね?
ケース | 変更前 | → | 変更後 |
1 | 電気:中電 ガス:東邦 | → | 電気:中電 ガス:中電 |
2 | 電気:東邦 ガス:東邦 | → | 電気:中電 ガス:中電 |
ちなみに、「中電の電気&中電のガス」のセット契約は「カテエネガスセット」と呼ばれます。
わかりやすくするため、以降は単に「中電ガスセット」や「中部電力ガスセット」と呼びます。
中部電力と東邦ガスの価格競争なわけですが、料金比較する上で最大のポイントは、
相手会社のエネルギーを安く設定していることです。
つまり、
- 中部電力→ガスが安い
- 東邦ガス→電気が安い
じゃあ、
- 電力は東邦ガスで
- ガスは中部電力で
とするのが良さそうですよね?
(ガス会社で電力契約、電力会社でガス契約というのは、なんだか不自然ですが・・・)
しかし、これでは最安値にはなりません。
なぜなら「セット割」というものがあるから。
「電気とガスをセットにして」同じ会社で契約してくれたら安くするよ!!という値引きシステムです。
さらに「電気+ガス」のセット契約であれば、ポイント付与などの「実質的な割引特典」があるのです。
ですから、
- 電力料金
- ガス料金
- 電気・ガスのセット割引
- ポイント割引
これらすべてを総合的に考慮し、電気とガスの契約会社を定める必要があるわけです。
料金試算の条件
東京都の家庭のエネルギー消費動向実態調査を元に、電気&ガス料金が本当に安くなるのか?試算していきます。
↑↑1ヶ月あたりの電気・ガスの平均使用量
上記のグラフをまとめて
「単身世帯」と「4人家族世帯」で料金を比較したいと思います。
電気とガスの月間使用量は、統計的に以下の通りです。
家族構成 | 電気使用量 | ガス使用量 |
1人暮らし | 186kwh | 15m3 |
4人家族 | 316kwh | 46m3 |
なお、一戸建て住宅他の場合は、上記使用料×1.2倍程度が目安となります。
中部電力ガスセット→ガスも電気も「中電」にすると安い?
上記に掲げた、平均電気使用量、平均ガス使用料でシミュレーションしてみたいと思います。
--1人暮らしの場合
<1人世帯>
電気:中電 ガス:東邦 | 電気:東邦 ガス:東邦 | 電気:中電 ガス:中電 | |
電気代 | 4,780 | 4,699 | 4,780 |
電気割引 | なし | なし | -153 |
ガス代 | 3,891 | 3,891 | 3,826 |
ガス割引 | なし | なし(※1) | -76 (▲2%分) |
合計(月額) | 8,671 | 8,590 | 8,377 |
合計(年額) | 104,052 | 103,080 | 100,524 |
【1人世帯】
<中電の「電気料金」>
572+(21.04*120)+(25.51*66)=4780円
<東邦ガスの「電気料金」>
517+(21.02*120)+(25.16*66)=4699円
<中電の「ガス料金」>
759+(204.52*15)=3826円
<東邦ガスのガス「電気料金」>
759+(208.82*15)=3891円
<中電ガスセットの割引>
中電ガスセットでカテエネ会員だと、電気代毎月153円割引
中電ガスセットだと、毎月ガス代が2%割引→76円割引
表の通りで
- 「電気:中部電力、ガス:東邦ガス」
↓↓
- 「電気:中部電力、ガス:中部電力」
いわゆる初期設定のままから、中部電力ガスセットに乗り換えた場合、年間3,528円(104,052円-100,524円)お得になります。
これとは別に、さらにポイント割引で、カテエネポイントが年間3000ポイント(3000円換算)程度ゲット可能です。
(電気利用200円につき1ポイント、ガス利用200円につき1ポイント、電気・ガスの使用状況をチェックするだけで840+600=1440ポイントなどなど他多数。)
貰えるポイントの詳細は公式サイトをご確認ください。
以上から、【1人暮らし】の場合
- 「電気:中部電力、ガス:東邦ガス」→「電気:中部電力、ガス:中部電力」に移行すると、年間6,528円程度(3,528円+3000ポイント)料金が安くなる。
※注意※
(※1)東邦電力の電気ガスセットでも、条件が揃うと値引きがあります。ガス暖房を使用している家庭は5%、ガス式床暖房がある家庭は8%、エネファームがある家庭は10%の基本料金割引となります。しかし、これらの設備は集合住宅ではまだまだ一般的ではなく、全ての人が割引対象となるわけではないため、表中の値引きには加味していません。
--4人家族の場合
<4人世帯>
電気:中電 ガス:東邦 | 電気:東邦 ガス:東邦 | 電気:中電 ガス:中電 | |
電気代 | 8,711 | 8,467 | 8,711 |
電気割引 | なし | なし | -153 |
ガス代 | 9,206 | 9,206 | 8,805 |
ガス割引 | なし | なし(※1) | -176 (▲2%分) |
合計(月額) | 17,917 | 17,673 | 17,187 |
合計(年額) | 215,004 | 212,076 | 206,244 |
【4人世帯】
<中電の「電気料金」>
1140+(21.04*120)+(25.51*180)+(28.46*16)=8711円
<東邦ガスの「電気料金」>
936+(21.02*120)+(25.46*80)+(25.48*50)+(25.50*50)+(26.43*16)=8467円
<中電の「ガス料金」>
1616+(156.29*46)=8805円
<東邦ガスのガス「電気料金」>
1649+(164.3*46)=9206円
<中電ガスセットの割引>
中電ガスセットでカテエネ会員だと、電気代毎月153円割引
中電ガスセットだと、毎月ガス代が2%割引→176円割引
注意(※1)に関しては1人暮らしのケースと同様。
同じく、4人世帯の場合で中電ガスセットに乗り換えた場合、年間8,760円(215,004円-206,244円)お得になります。
1人暮らしのケースと同様で、これとは別にポイント割引としてカテエネポイントが年間3000ポイント(3000円換算)程度を獲得可能です。
貰えるポイントの詳細は公式サイトをご確認ください。
以上から、【4人世帯】の場合
- 「電気:中部電力、ガス:東邦ガス」→「電気:中部電力、ガス:中部電力」に移行すると、年間11,760円程度(8,760円+3000ポイント)料金が安くなる。
中部電力ガスセットのデメリット
基本的に、デメリットらしいデメリットは無いのですが、いくつか中電ガスセットの契約前に抑えておくべきポイントを列記してみました。
①ポイントの還元率が意外と低い
電気・ガス共に200円の利用でカテエネポイントが1P(=1円)付与されます。
クレジットカードの還元率を例にすると0.5%となるので、ポイント還元率は高くは無いでしょう。
還元率にこだわりがある人にはデメリットと感じるかもしれません。
しかし、セットにすることで電気・ガス共にセット割が効くのが利点なので、ポイントは「おまけ程度」と思っておくことが重要です。
②電気料金自体はそんなに安くならない
あくまでガス料金との「合計」で安くなります。(セット割適用で、ガスが2%安くなるので)
電気料金単体では、月あたり153円しか安くなりません。(カテエネポイント分は別途還元されます)
思ったほど電気料金が安くなっていないなぁ…。。と、後で思わないように!
③提供エリアが限定される
中部電力ガスセットは、東邦ガスからガス供給を受けています。
よって、申し込み可能地域は東邦ガスの供給エリアに限定されます。
愛知・三重・岐阜県内で東邦ガスの都市ガスが供給されている地域に限定されることも、いわばデメリットと言えるかもしれません。
④1人暮らし世帯では思ったほど節約にならない
そもそもの電気使用量・ガス使用量が少ないため、「安くなる金額」も小さくなります。
中電ガスセットに切り替えれば、確実に安くなりますが、想定していたよりは安くなっていないな。。と思ってしまうことも。
⑤金額だけを考えたら中電ガスセットが最安とは限らない
電気とガスをセットにすれば、確実に安くなります。
しかし、中電ガスセットが、すべての電力会社ガス会社の組み合わせの中で「最安」というわけではありません。
金額面だけを考えると、もっと安くなる組み合わせはあります。
詳しくは当ページ後方で解説しています。
中部電力ガスセットのメリット
中電ガスセットに切り替えるメリットは数多くあります。
そうでないと、そもそも切り替えを推奨しないですから!
1つずつ利点を見ていきましょう。
①中部電力ガスセット→毎月ガス料金が2%割引
毎月のガス料金が2%割引となります。
これは「電気とガス両方を中電にまとめた場合」に適用されます(ガスセット)
冬場のガス料金などは、額が大きいので2%と言えど、年間換算すると大きな金額になります。
また、家族世帯では2%と言えば、割引の「額」が大きくなるのもメリットと言えるでしょう。
②原油高や燃料価格高騰に強い
昨今の燃料価格の高騰で、多くの新電力会社(&新ガス)が経営破綻しています。
もし、契約中の電力会社が破綻した場合、その会社との契約は継続できないため、ご自身で乗り換え先を探すことになります。(※時間的な猶予も限られ、非常に手間です)
一方、中電は「超大手インフラ会社」です。地域インフラ最大手が経営破綻する可能性は極めて低く、一方的な契約解除の心配も限りなく低いです。
それから、「値上げにも強い」です。会社自体に資本力があるので。
値上げするにしても、急な値上げではなく、段階的なじんわりとした値上げになるでしょう。
③カテエネ会員になるだけでポイントが貯まる
「おとくプラン」「とくとくプラン」を契約しているカテエネ会員であれば、毎月の電気料金から153円割引(orカテエネポイント153ポイント付与)されます。
(通常、単身世帯が「おとくプラン」で、家族世帯が「とくとくプラン」です)
カテエネ会員になって特に困ることは無いので、必ず会員登録しましょう。
④電気・ガス料金に応じてポイントがたまる
電気・ガスのどちらも「200円」につきカテエネポイント1ポイントが貯まります。
おまけ程度ですが、放っておいても意外とポイントが貯まっている、という点は利点と言えるでしょう。
⑤使用状況が一目瞭然
専用サイトで、現在の電気ガスの使用量が一目瞭然になります。
家庭のお財布管理としては、良いサポートになるでしょう。
⑥まとめて支払える
中部電力に電気とガスをまとめれば、支払先は1つになります。
いくつも引き落としや、クレカ払いの管理が煩わしいことから解放されるのも嬉しいポイントですよね?
⑦家族も一緒にカテエネポイントが貯まる
2親等以内の人が、中部電力ガスセットを契約すると、家族ポイント割として、カテエネポイントが毎月100ポイント貯まります。
中電ガスセットへの乗り換え手続きは楽??
はい、乗り換えはとても簡単。ネット申請だけで完結します。
現在、中部電力を利用しているかどうかに関わらず、以下の通り非常に簡単です。
- 費用不要
- 工事不要
- 器具交換不要
- 解約金など不要
乗り換えは中電の公式サイトから手続き可能です。
中電ガスセットの評判は?
中電ガスセットの評判に関し、ネット上にあった評判を列記してみます。
安心感がある既存の会社に乗り換えるのが良い!元々地元の健全な基幹電力会社なので、有象無象の新参の会社への変更はしませんでした。ガス代がセットで安くなるのがメリット
手続きが簡単!ネットでの事前申込みをしていたため、直ぐにメールで確認が来ました。 その後スイッチング完了後は、封書で詳細が届くというとても丁寧で早い対応だったと思います。
ポイント還元がありがたい。ポイント還元率は高くはないが、還元先が豊富で選びやすい
基幹となるインフラ、信頼できる会社を選ぶべき。新電力にも魅力的なものはあると思うが、やはり信頼とキャリアがある方がいいと思い、今回ここにした。
本当に切り替えるべきか?判断ポイント
既に解説してきた通り、以下いずれかのケースであれば、中電ガスセットに乗り換えた方が料金は安くなります。
- ケース1:電気:中電 +ガス:東邦
- ケース2:電気:東邦 +ガス:東邦
ただし、一人暮らし世帯の場合、割引される「額」自体はそこまで大きくありません。
乗り換える労力に見合った割引額であるか、「労力」と「安くなる金額」を天秤にかけて判断するのが良いかと思います。
(労力と言っても、ネット手続きするだけですが・・・)
一方、家族世帯の場合は、割引される「額」が大きいため、切り替えた方が確実にお得と言えるでしょう。
【番外編】電気・ガスの最安セット
実は、中電ガスセットよりも、安い組み合わせ・会社は存在します。
3人以上世帯で、標準的な電気・ガス使用量であれば、(※1人世帯では、ほぼ変わらないorむしろ高くなる)
- ガス:中電
- 電気:第三の会社に
という選択が最も安くなります。
なお、中部地方において、ガスは中電が最も安いです。
一方、電気料金が最も安いのは「エルピオでんき」でしょう。(中電の電気よりも4-5%程度安くなる)
3人以上の標準的世帯の場合、これまで最安とされていた「Looopでんき」を上回る安値です。(Looopは、新規申込み受付を停止中)
ですから、価格面だけを考えた場合の最安値ベストチョイスは
- ガス:中電
- 電気:エルピオでんき
ということになるでしょう。
※ただし注意※
新興勢力の「第三の会社」と契約する際は、メリットデメリットを把握したうえで契約を進めるようにしてください。
第三の会社は、元々インフラ系ではないため、電気やガスを大元の会社から供給を受け、それを我々ユーザーに供給します。
つまり、何が言いたいかというと、何かあったときの対応が後手に回る可能性は否定できないこと。
考えてみてください。
仮に、停電などのトラブルが有った場合を想定します。
停電
実際に、電線などを修理対応するのは「中部電力(orそのグループ、提携企業)」です。
どの世帯(エリア)を優先して修理するか?という問題に直面した場合
- 中電と直契約の世帯
- 第三の電力会社と契約している世帯
どちらを優先するか?それは自明です。
自社と直契約の顧客を優先する。当たり前ですよね?
なんかあったときすぐに駆けつけてくれるのは、大元(元締め)の会社との直契約です。
電気なら中部電力、ガスなら東邦ガスです。
ここまで切り替えの話をしておきながら、申し訳ないのですが、安心を買うなら、別個に契約するのが確実です。
とはいえ、中部電力・東邦ガスともにインフラ系の元締めです。
「中電or東邦ガスに電気+ガスをまとめること」は「第三の会社に切り替える」よりは、トラブル時のリスクは遥かに小さいと言えるでしょう。
(※第三の会社は「値上げに脆弱」「経営破綻リスク」などもあることは述べた通り)
両社とも元締めなので、対応は慣れており、その点は安心できる材料です。
中電or東邦ガスどちらかに統一し、まとめるのであれば、中電ガスセットの方が割引額が大きくオススメです。
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