はじめに
「収納ビジネス」と聞くと、多くの人はトランクルームを思い浮かべる。
荷物を預ける。
月額料金を払う。
必要になったら取りに行く。
非常にシンプルなビジネスモデルだ。
日本でもハローストレージや加瀬倉庫などが普及し、市場は徐々に拡大している。
しかし米国では、すでに次の段階に進んでいる。
彼らが売っているのは収納スペースではない。
「荷物管理」そのものだ。
利用者は倉庫へ行かない。
荷物を運ばない。
何を預けたか覚えておく必要すらない。
スマホで管理し、必要になったら配送してもらう。
まるでAmazonのように。
実際、米国ではこうした「Storage as a Service(収納のサブスク)」が急成長している。
収納スペースを貸すビジネスから、
モノを管理するビジネスへ。
この発想の転換は、日本でも十分に再現可能だと私は考えている。
なぜなら、日本にはすでに巨大な市場が存在するからだ。
トランクルーム市場は伸びている
米国セルフストレージ市場は2024年時点で約440億ドル規模。
さらに関連ソフトウェア市場も年率10%以上で成長している。
背景にあるのは、
- 都市部の住宅高騰
- ミニマルな住居
- 単身世帯増加
- EC利用拡大
である。
一方、日本でもトランクルーム市場は拡大が続いている。
住宅は狭くなり、
モノは増え続ける。
しかし日本市場はまだ、
「場所貸し」
の発想から抜け出せていない。
ここに大きなチャンスがある。
本当の競争相手はトランクルームではない
興味深いのは、
米国のスタートアップが競争している相手がトランクルーム会社ではないことだ。
彼らが奪おうとしているのは、
実は利用者の「手間」である。
考えてみてほしい。
冬服。
スーツケース。
ゴルフバッグ。
キャンプ用品。
子どもの思い出品。
使う頻度は低い。
しかし捨てられない。
だから収納する。
問題は、
取りに行くのが面倒なのだ。
利用者が欲しいのは収納スペースではない。
「管理してくれること」なのである。
なぜ今この市場が伸びているのか
ここに現代人の大きな変化がある。
Uberは移動を代行した。
Uber Eatsは買い物を代行した。
家事代行は掃除を代行した。
そして今、
荷物管理まで代行が始まっている。
人々はモノを所有したいのではない。
面倒な作業を手放したいのだ。
収納ビジネスも例外ではない。
