もし今日、あなたに何かあったら。
家族はあなたの銀行口座を把握できるだろうか。
証券口座はどうだろう。
ネット銀行。
暗号資産。
サブスクリプション契約。
Googleアカウント。
iCloud。
LINE。
Instagram。
そしてChatGPT。
私たちは気付かないうちに、膨大な「デジタル資産」を保有する時代を生きている。
しかし問題がある。
本人しか把握していないケースが圧倒的に多いのだ。
実際、世界のデジタルレガシー(デジタル資産管理)市場は2024年に129.3億ドル(約2兆円)規模に達し、2030年には308億ドルへ拡大すると予測されている。年平均成長率は15.6%に達する見込みだ。 (グランドビューリサーチ)
なぜ今、この市場が急成長しているのか。
理由はシンプルである。
人類史上初めて、
「相続されるデータ」
が爆発的に増えているからだ。
相続財産は不動産からデータへ
これまで相続と言えば、
・土地 ・建物 ・預金 ・保険
だった。
しかし今は違う。
ネット証券口座。
電子マネー。
ポイント。
クラウドデータ。
SNSアカウント。
暗号資産。
デジタル資産は年々増加している。
しかも厄介なのは、
存在そのものを家族が知らないケースが多いことだ。
例えばネット証券。
本人がスマホだけで運用している場合、家族は口座の存在すら把握していないことがある。
暗号資産はさらに深刻だ。
秘密鍵が分からなければ、資産にアクセスできない。
つまり相続財産が存在していても、事実上失われる可能性がある。
AI時代で問題はさらに複雑になる
近年、この市場が注目される最大の理由はAIだ。
生成AIの利用者は世界中で急増している。
人々はAIに相談する。
文章を書く。
仕事の悩みを話す。
人生設計を相談する。
つまりAIには、その人の思考や価値観が蓄積される。
これまでの遺品は写真や手紙だった。
しかし今後は、
・AIとの対話履歴 ・デジタル作品 ・オンラインコミュニティの記録 ・クラウド上の知的資産
も残される。
「何を相続するのか」
という概念そのものが変わり始めている。
なぜ米国で市場が伸びているのか
米国ではデジタル資産を相続財産として扱う法整備が進んでいる。
さらに専門サービスも増えている。
代表的なサービスは、
・デジタル資産一覧化 ・パスワード管理 ・相続時のアクセス権管理 ・デジタル遺言
などである。
市場拡大の背景には、
高齢化ではなく「デジタル化」がある。
つまり若い世代でも対象になる。
ここが従来の終活市場との大きな違いだ。
ここまで読むと、
「面白い市場だけど自分には関係ない」
と思うかもしれない。
しかし私は逆だと思う。
この市場は日本でも極めて再現性が高い。
しかも大きな資金は必要ない。
