「AI」「LLM」「RAG」は何の略?
AIについて調べると、
- LLM
- GPT
- API
- RAG
- AIエージェント
など、聞き慣れない言葉が次々に出てきます。
しかし、専門用語をすべて暗記する必要はありません。
まずは、仕事や日常でよく使われる言葉の意味と、何の略なのかを知れば十分です。
この記事では、AI初心者が最初に知っておきたい専門用語を、分かりやすく解説します。
① AI
AI=Artificial Intelligence読み方:アーティフィシャル・インテリジェンス日本語:人工知能
人間のように文章を理解したり、画像を判別したり、予測したりする技術の総称です。
ChatGPT、画像生成AI、音声認識、売上予測なども、広い意味ではAIに含まれます。
② 生成AI
生成AI=Generative AI読み方:ジェネレーティブ・エーアイ日本語:生成型人工知能
文章、画像、音声、動画、コードなどを新しく作るAIです。
例えば、
- メールを書く
- 資料を作る
- アイデアを出す
- 画像を作る
- プログラムを書く
といった作業ができます。
③ ChatGPT
ChatGPT=Chat+GPT
「Chat」は会話という意味です。
GPTは、
GPT=Generative Pre-trained Transformer読み方:ジェネレーティブ・プリトレインド・トランスフォーマー
を略した言葉です。
簡単に言うと、ChatGPTは、大量の文章を事前に学習した、会話型の生成AIです。
文章作成、要約、分析、企画、相談、プログラミングなど、幅広い用途に使えます。
④ LLM
LLM=Large Language Model読み方:ラージ・ランゲージ・モデル日本語:大規模言語モデル
大量の文章を学習し、人間の言葉を理解したり、文章を作ったりするAIモデルです。
簡単に言えば、ChatGPTなどの文章生成AIを動かす頭脳にあたります。
⑤ モデル
Model=仕組み・学習済みのAI
モデルとは、学習を終えたAIの仕組みそのものを指します。
同じAIサービスでも、使用するモデルによって、
- 回答速度
- 文章力
- 推論能力
- 画像の理解力
- 利用料金
などが変わります。
車で例えると、AIサービスが車全体で、モデルはエンジンのようなものです。
⑥ プロンプト
Prompt=指示・きっかけ
AIに入力する質問や指示文のことです。
例えば、
個人事業主向けに、AI活用の記事タイトルを10個作ってください。
この文章全体がプロンプトです。
難しい命令文ではなく、AIに渡す仕事の依頼書と考えると分かりやすくなります。
⑦ コンテキスト
Context=文脈・背景情報
AIが回答するときに参考にする、前後の情報や背景のことです。
例えば、
- 誰向けなのか
- 何の仕事なのか
- どんな目的なのか
- これまで何を話したのか
- どんな形式で出してほしいのか
などがコンテキストにあたります。
背景を詳しく伝えるほど、回答のズレを減らしやすくなります。
⑧ トークン
Token=AIが文章を処理する単位
AIが文章を理解したり、文章を作ったりするときに使う、小さな処理単位です。
トークンは文字数や単語数と完全に同じではありません。
文章が長くなるほど、使用するトークンも増えます。
AIサービスやAPIでは、使用したトークン数によって料金が決まる場合があります。
⑨ ハルシネーション
Hallucination=幻覚
AIが、間違った情報や存在しない情報を、正しいことのように答える現象です。
例えば、
- 存在しない人物
- 架空のニュース
- 間違った法律
- 存在しない書籍
- 誤った統計データ
などを作ることがあります。
重要な情報は、出典、日付、公式情報を確認する必要があります。
⑩ 学習データ
Training Data=訓練用データ
AIが能力を身につけるために使用する文章、画像、音声、数値などのデータです。
AIは大量のデータから、言葉や画像の特徴、パターン、関係性を学びます。
⑪ 機械学習
ML=Machine Learning読み方:マシン・ラーニング日本語:機械学習
大量のデータから、コンピューターが特徴やルールを学ぶ技術です。
例えば、
- 売上を予測する
- 迷惑メールを判定する
- 顧客を分類する
- 不正な取引を検知する
といった仕組みに使われます。
⑫ ディープラーニング
DL=Deep Learning読み方:ディープ・ラーニング日本語:深層学習
機械学習の一つです。
人間の脳の神経回路を参考にした仕組みを使い、複雑な文章、画像、音声などを処理します。
現在の生成AIを支える重要な技術です。
⑬ ニューラルネットワーク
Neural Network=神経回路網
人間の脳にある神経細胞のつながりを参考にした、AIの計算方法です。
画像認識、音声認識、文章生成など、さまざまなAI技術に使われています。
ディープラーニングは、ニューラルネットワークを何層にも重ねた仕組みです。
⑭ 推論
Inference=推論・判断
学習済みのAIが、入力された情報をもとに答えを出すことです。
例えば、
- 情報を比較する
- 原因を考える
- 優先順位をつける
- 文章を作る
- 画像を判定する
といった処理が推論にあたります。
AIが学ぶ工程を「学習」、学んだ能力を使って答える工程を「推論」と呼びます。
⑮ ファインチューニング
Fine-tuning=微調整
すでに学習済みのAIへ追加学習を行い、特定の業務や分野に強くする方法です。
例えば、
- 法律分野に強いAI
- 医療用語に強いAI
- 自社の商品説明に強いAI
- 特定の文章表現に合わせたAI
などを作る場合に使われます。
⑯ RAG
RAG=Retrieval-Augmented Generation読み方:リトリーバル・オーグメンテッド・ジェネレーション日本語:検索拡張生成
AIが外部の資料を検索し、その内容を参考にして回答する仕組みです。
例えば、
- 社内マニュアル
- 商品資料
- 過去の問い合わせ
- 契約書
- 業務規定
などを検索して回答するAIチャットに使われます。
簡単に言えば、AIに資料を探させてから答えさせる仕組みです。
⑰ API
API=Application Programming Interface読み方:アプリケーション・プログラミング・インターフェース日本語:システム同士をつなぐ窓口
異なるアプリやシステム同士で、情報や機能をやり取りするための仕組みです。
例えば、
- 問い合わせが届く
- AIが内容を分類する
- 返信文を作成する
- 顧客管理システムへ登録する
といった自動化を作るときに使われます。
⑱ AIエージェント
AI Agent=AI代理人
人から目標を与えられ、必要な作業を考えながら進めるAIです。
通常のAIが質問に答えるものだとすれば、AIエージェントは、
- 情報を調べる
- 内容を整理する
- 作業手順を考える
- ツールを操作する
- 結果を報告する
ところまで進めます。
簡単に言えば、答えるAIではなく、動くAIです。
⑲ マルチモーダル
Multimodal=複数の形式を扱うこと
文章だけでなく、画像、音声、動画など、複数の種類の情報を扱えるAIのことです。
例えば、
- 画像を見て説明する
- 音声を文章にする
- PDFを読んで要約する
- 動画の内容を分析する
といったことができます。
「モーダル」は、情報の形式や種類という意味です。
⑳ AIワークフロー
AI Workflow=AIを使った業務の流れ
AIと複数の作業を、順番につなげた仕組みです。
例えば、
- 問い合わせを受け取る
- AIが内容を分類する
- 回答案を作る
- 担当者が確認する
- 顧客へ返信する
- 対応履歴を保存する
この一連の流れがAIワークフローです。
単発でAIを使うだけでなく、仕事全体につなげることで、業務負担を大きく減らせます。
最初に覚えるべき略語5つ
すべてを一度に覚える必要はありません。
まずは、次の5つを理解すれば十分です。
AI
Artificial Intelligence人工知能
GPT
Generative Pre-trained Transformer大量の文章を事前学習した文章生成の仕組み
LLM
Large Language Model大規模言語モデル
API
Application Programming Interfaceシステム同士をつなぐ仕組み
RAG
Retrieval-Augmented Generation外部資料を検索して回答に使う仕組み
専門用語より大切なこと
AIを使いこなすために、難しい言葉を暗記する必要はありません。
大切なのは、
- 何を任せたいのか
- どんな情報を渡すのか
- どこを人が確認するのか
- どの作業につなげるのか
を考えることです。
専門用語をたくさん知っている人が、AIを使いこなせるとは限りません。
AIを使いこなせる人は、難しい言葉を知っている人ではなく、
自分の仕事を、AIに分かりやすく説明できる人です。



