第一話 新たな塩漬け退治と398円の祝砲 ☕👶
作者:嵐の相場を生き抜くトレーダーCN37
Nの口座には、王様がいた。
利益をくれる王ではない。
見るたびに気分を青ざめさせる、塩漬けの王様である。
その名は、ラオックス。
ただそこにいるだけで重かった。
画面を開けば気配がある。
数字を見るたび、口座全体の空気が少し冷える。
まるで、部屋の隅にずっと黙って座っている巨大な冷蔵庫みたいだった。
「これが癌だったの」と、Nは相場の相談相手に言った。
Nは親しみをこめて、その相棒を「ぽちゃC」と呼んでいた。
Nは、しばらく画面を見つめた。
損切りで失敗した傷は、まだ大きかった。
もちろん、買って持っていたのは自分だ。
責任は自分にある。そこはちゃんとわかっている。
でも、それでも言いたくなるくらい、ラオックスは口座の景色を曇らせていた。
そんなある日、Nは別の株でも青ざめていた。
SWCC。
これは、ぽちゃCがすすめた株だった。
2026年3月19日。
NはSWCCを 1,385,000円 で買った。
値がさ株だった。
だから下に振れると、顔色が変わるスピードも速い。
含み損は、あっという間に十数万円級の顔を見せた。
「これ、塩漬けしたらだめだ」
