曝露反応妨害法(ERP)とは何か 不安へのレジリエンス

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
「気にしなきゃいいだけでしょ」と言う人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
曝露反応妨害法(ERP: Exposure and Response Prevention)は、強迫性障害(OCD)に対して最も効果が高いとされる認知行動療法の一種です
「怖い」と思って避けてきたことにあえて向き合い(曝露)、それによって湧き上がる不安や違和感に**「反応せずに我慢する」こと(反応妨害)**を練習していく方法です
単なる我慢ではなく、「避けてきた感情に安全な形で触れる」体験を重ねることで、不安とのつき合い方を根本から変えていくアプローチとなる
なぜ「不安に触れること」が大事なのか
強迫観念による不安は、「何かしないと、この気持ちが消えない」という感覚と強く結びついている たとえば、「汚れている気がする」という不安に対して、手洗いという強迫行為をすることで安心を得ている
しかしその行動は、「洗わなきゃ落ち着けない」という誤った学習を強めてしまう
ERPでは、「実際は、何もしなくても不安は自然と消えていく」という体験を少しずつ積み上げることで、脳に新しい学習をさせていく
ERPの基本的なステップ
曝露反応妨害法は、次のようなステップで進めていく
>ステップ1:不安を引き起こす「きっかけ」をリストアップする (例:トイレのドアノブに触れる、ガスの元栓を見ても確認しない)
>ステップ2:それぞれの場面の「不安レベル(0〜100)」を数値化する
>ステップ3:不安が低めのものから、少しずつチャレンジする順序を決める
>ステップ4:実際に「避けていたこと」に曝露し、反応(行為)を我慢する
>ステップ5:不安がどう変化したかを観察し、記録する
大切なのは、「できることから少しずつ」であり、一気にやめる必要はない 「今まで3回確認していたのを2回にする」だけでも立派な曝露だ
どんな内容にERPが使えるのか
ERPは、さまざまな強迫観念・強迫行為に対応できる
・「汚染」への不安:汚れたと感じるものに触れ、手洗いを我慢する
・「確認」への不安:鍵や電源の確認を一度だけにして出かける
・「加害的な衝動」:危害を加える妄想が浮かんでも、そのまま受け流す
・「数字・順番へのこだわり」:決まった回数や儀式をあえて崩してみる
「不安に触れても、本当に何も起こらなかった」という感覚こそが、新しい神経回路をつくっていく力になる
心理カウンセリングの中でのERPの進め方
心理カウンセリングでは、ERPの実践をいきなり始めるのではなく、以下の準備段階を丁寧に行う
・どんな強迫観念と強迫行為がつながっているのか整理する ・その背景にある「思い込み」や「ルール」を見つける ・不安が出てきたときの「心と身体の反応」を言語化する
そのうえで、「やってみようと思える小さな目標」から、一緒に計画を立てていく
心理カウンセラーの役割は、「やれたかどうか」をジャッジすることではなく、「どんな気持ちになったか」を一緒に見守ることにある
「少し不安でも、それを受け止められる自分」へ
ERPは、不安をゼロにする方法ではない むしろ、不安があっても「それと共に居られる自分」になるための練習だ
不安から逃げても、何も解決しない
不安からは逃げられない
なぜなら、不安はあなたが作り出しているからだ
繰り返される行為や思考に縛られていた日常から、少しずつ自由を取り戻すために その第一歩は、「不安が来ても逃げなくていい」と思える体験を積み重ねることから始まる
今後も寄り添いませんが、続きが気になったら「スキ」で応援しておいてください
続きを書くかもしれません