カサンドラ症候群とは?

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
カサンドラ症候群の人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です

精神疾患や発達障害は、他人にうつる病ではないですが、カサンドラ症候群となった場合は、うつったように見えるかもしれません
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1. カサンドラ症候群の概要
▶ カサンドラ症候群とは?
カサンドラ症候群は、発達障害(主にASD:自閉スペクトラム症)のパートナーとの関係において、深刻な精神的・身体的ストレスを抱える状態のことを指す
特に、感情的な交流が乏しい関係や、コミュニケーションの困難さが原因で、抑うつや不安などの症状が現れる
この概念は正式な精神疾患ではないが、近年、発達障害のあるパートナーとの関係に悩む人々の間で広く認知されるようになっている
▶ カサンドラ症候群の名前の由来
「カサンドラ」という名前は、ギリシャ神話に登場するカサンドラ王女からきている彼女は予言の能力を持っていたが、神アポロンの怒りを買い、「誰にも信じてもらえない呪い」をかけられてしまった
この神話になぞらえ、発達障害のパートナーとの関係に悩む人が周囲から理解されず、孤立する状況を表すために「カサンドラ症候群」と名付けられた
2. カサンドラ症候群の主な症状
カサンドラ症候群の症状は、精神的なものから身体的なものまで幅広く、日常生活や健康に深刻な影響を及ぼすことがある
▶ 精神的症状
- 強い孤独感(パートナーと心が通じ合えない)
- 抑うつ状態(気分が沈み、何をしても楽しくない)
- 不安やストレス(常に緊張し、安心できる時間がない)
- 自己肯定感の低下(自分が悪いのではないかと責める)
- 無力感(努力しても関係が改善しないと感じる)
▶ 身体的症状
- 不眠・睡眠障害(寝つきが悪い、夜中に目が覚める)
- 頭痛・肩こり(慢性的なストレスによる筋肉の緊張)
- 胃痛・腹痛(ストレスが胃腸に影響を与える)
- 動悸・息苦しさ(不安が強くなると発作的に起こる)
▶ 行動の変化
- パートナーと距離を取るようになる
- 感情を抑え込む癖がつく(怒りや悲しみを表現できなくなる)
- 周囲に相談しても理解されず、ますます孤立する
3. カサンドラ症候群になりやすい人の特徴
▶ ① 共感力が高く、感情的なつながりを重視する人
- 人との関係を大切にし、感情を共有することに価値を置く人ほど、パートナーとのすれ違いに苦しみやすい
▶ ② 自己犠牲的で相手に合わせすぎる人
- 「相手のために頑張らなければ」「私が支えなければ」と無理をしすぎる人は、関係が一方通行になり、心身の負担が大きくなる
▶ ③ 周囲に相談しにくい環境の人
- 「家庭のことは外に話すべきではない」「自分の努力が足りないだけ」と考え、問題を一人で抱え込む人ほど悪化しやすい
4. カサンドラ症候群の原因と発生メカニズム
カサンドラ症候群の主な原因は、発達特性の違いによるコミュニケーションのズレにある
▶ ① ASD(自閉スペクトラム症)パートナーとの関係
ASDの人は、言葉の裏の意味を読み取るのが苦手であったり、共感を示すのが難しいことがある
そのため、以下のようなすれ違いが生じやすい
- 感情的な会話が成立しにくい(相手の気持ちを汲み取れない)
- 愛情表現が少ない(スキンシップや言葉による愛情表現が乏しい)
- パートナーの悩みに対して共感せず、論理的な答えを返す(「それはこうすればいい」と指示するだけ)
- ルーティンを重視し、柔軟な対応ができない(相手に合わせることが難しい)
▶ ② 周囲の無理解
カサンドラ症候群の人が悩みを相談しても、周囲から
「そんなの普通の夫婦関係では?」
「我慢すればいいのでは?」
と軽く扱われることが多い
その結果、さらに孤立し、精神的なダメージが深まる
5. カサンドラ症候群の対処法と回復のためのポイント
▶ ① 環境を見直し、負担を減らす
- パートナーとの距離を適度にとる(無理にわかり合おうとしない)
- 一人の時間を確保し、自分を大切にする(趣味やリラックスできる時間を持つ)
▶ ② コミュニケーションの工夫
- 感情ではなく「事実ベース」で伝える(「寂しい」ではなく「○○してくれると助かる」と具体的に伝える)
- 相手の特性を理解し、期待しすぎない(変わらない部分があることを受け入れる)
▶ ③ 周囲のサポートを得る
- カサンドラ症候群の専門カウンセラーに相談する
- 同じ悩みを持つ人とつながる(SNSやサポートグループを活用する)
- 信頼できる友人や家族に気持ちを話す(理解してくれる人がいるだけで気持ちが楽になる)
▶ ④ 必要なら専門医のサポートを受ける
- 抑うつや不眠がひどい場合は、精神科・心療内科の受診を検討する
- 認知行動療法(CBT)を受けることで、考え方を整理し、ストレス耐性を高めることができる
6. まとめ
- カサンドラ症候群は、発達障害(ASD)のパートナーとの関係で生じる精神的ストレスの状態
- 感情的な交流が乏しい関係が続くと、抑うつ・不安・身体症状が現れる
- 原因はコミュニケーションのすれ違いと、周囲の無理解による孤立
- 対策としては、期待値の調整、環境の見直し、周囲のサポートの活用が重要
カサンドラ症候群は、適切な対応をすれば改善できる
一人で抱え込まず、サポートを求めることが大切である
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