ADHD:多動衝動型(Hyperactive-Impulsive Type)とは何か

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表

こんにちは🍵落ち着きがない人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です

動きたくて動いてるわけじゃない、止めたくても止まらないだけ

ADHD(注意欠如・多動症)の中でも「多動衝動型」は、主に“体の動きの多さ”や“衝動的な行動”が目立つタイプとされる 子どもの頃から「騒がしい」「うるさい」「落ち着きがない」と言われ続け、大人になっても“内なるそわそわ感”が消えることは少ない

目に見える行動が多いため、目立ちやすく、「わがまま」「我慢ができない」と誤解されやすい だが、それは単なる性格ではなく、脳の機能的な特性として起こっているものであり、本人にとっても「やめたくてもやめられない」という葛藤が日常的にある

外から見れば「勝手に動いてる人」に見えるが、内側では「もう動きたくない」と思っていたりする だが、頭より先に身体や言葉が動いてしまう その結果、ミスや失敗、対人トラブルを繰り返してしまい、自己否定のループが始まっていく

これは「努力が足りない」のではなく、「制御が難しい」という問題 つまり、根性論では解決しない そして周囲の人がそれを理解していない場合、叱責や排除につながりやすく、さらなる悪循環を生む

自分でも分かっているのに、止められない だからこそ、「できない自分」に対して怒りや悲しみが積もっていく そして、その怒りは周囲よりも、自分自身に向いてしまうことが多い

多動衝動型ADHDの特徴

・じっとしていられない ・座っていても体が揺れたり、手足が動いてしまう ・話しているときに、つい相手の言葉を遮ってしまう ・考えるよりも先に、身体が反応して行動してしまう ・順番を待つのが苦手で、イライラしやすい ・状況や相手の都合に気づく前に、自分の行動が先に出る ・集中はできるが、極端に過集中→衝動に切り替わる ・感情のコントロールが難しく、怒りや涙が爆発しやすい ・自分の行動に後悔しやすく、自己否定しがち

これらの特性は、周囲から見ると「マナーが悪い」「落ち着きがない」と見られることが多い だが、本人にとっては“何度言われても、つい繰り返してしまう”という現実がある 注意されることが続くと、「またやった」と自分を責める日々になっていく

つまり、周囲からの評価と自己認識のズレが、本人にとって最も苦しい部分となる しかも、こうした行動が続くことで、「この人は自分をコントロールできない人だ」と誤解されやすく、人間関係にも大きな影響を及ぼすようになる

なぜ「抑えられない自分」に苦しむのか

多動衝動型ADHDの人は、何度も「やめなさい」「静かにして」と言われながら育ってきたことが多い その結果、「自分は他人の迷惑になる存在なんだ」と思い込んでしまうようになる

・またやってしまったという後悔 ・場の空気を乱してしまった罪悪感 ・注意していたのに、なぜか動いてしまった自分への苛立ち ・怒られすぎて、「自分は問題児だ」と思い込んでしまう経験 ・努力してもどうせうまくいかないという諦め

こうした体験の積み重ねが、自己評価を大きく下げる 「どうせ自分はまた失敗する」と思うようになり、挑戦を避けたり、人との関わりを遠ざけるようになっていく

ここで忘れてはいけないのは、こうした苦しみの原因が“意図的な問題行動”ではないということ 衝動的に動いてしまうことに「悪気」はない しかし、周囲からの評価はそうはならない 結果として、本人は「自分で自分が制御できない」ことに対して、激しい無力感と怒りを感じていく

周囲とのズレと“生きづらさ”の積み重ね

多動衝動型の特性は、学校や職場、家庭といったあらゆる場面で摩擦を生む 特に集団生活の中では、以下のようなズレが生じやすくなる

・注意される回数が多く、信頼を得にくい ・本人は反応しているだけなのに、反抗的に見られる ・全体の流れにうまく乗れず、孤立しやすい ・気になったものにすぐ動いてしまい、作業が進まない ・他人の感情に気づく前に、言葉や行動で刺激してしまう

こうしたズレは、自分が悪いことをしているつもりがないにもかかわらず、トラブルを引き起こすという矛盾に直面させられる 「何がいけなかったのか分からないまま謝らされる」経験が続くことで、自尊心が下がっていく

そして、自分が“他人にとって迷惑な存在”のように感じるようになる この「自分を持て余してしまう感覚」が、本人にとっては非常につらいものとなる

心理カウンセリングでの支援と「動いても安心できる」関係性

心理カウンセリングでは、「止めさせる」よりも、「安心して動ける環境」をつくることが優先される なぜなら、衝動や多動そのものを完全に消すことはできないからだ 大切なのは、それらと“どう付き合うか”を学ぶことになる

・衝動や多動が出るきっかけを一緒に探る ・止めるより、「選べる」行動に変えていく練習をする ・焦りやイライラなど、身体からのサインに気づけるようにする ・「人と一緒にいる」中で、待つ・聞く・受け止める体験を積む ・「またやった自分」を責めるのではなく、「それでも努力している自分」を認めること

心理カウンセラーは「静かにしなさい」と注意する人ではなく、「動いてしまっても生きていける方法」を一緒につくる人であるべきだ 安心できる環境があるからこそ、衝動は少しずつ“選べるもの”に変わっていく

動いてしまうのは、ただの神経の反応

多動や衝動の行動を、「何かのSOS」だと美化する必要はない それは単純に、その人の神経系がそう反応しているだけの現象だ

しゃべりすぎる 動きすぎる 順番を待てない 感情が爆発する

どれも本人にとっては「自然な流れ」でしかない そこに“意味”をつけようとするのは、周囲が安心したいだけの自己満足だ

「もしかして助けを求めてる?」「心の奥に何かあるはず」 そんな読み解きは要らない 必要なのは、そのままの行動を“前提”として扱える環境だ

衝動や多動は、問題でも異常でもない 治す対象でもない ただ、扱い方が難しいだけの現象だ 扱い方を学ぶのは、本人ではなく、周囲の側でもある

だから、動いてしまうことを止める必要はない 止まらないものを責めるほうが、よほど暴力的だ それよりも、「動いても関係が壊れない環境」を作るほうが、現実的で誠実だ

行動をコントロールするより、行動がズレても大丈夫な関係性のほうが強い それが、“理解”じゃなく“共存”ということだ


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