
心理カウンセリングで、相談者は【嘘をつく】(2000文字ぐらい)

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
精神疾患の人にとって、過去のつらい記憶は脚色される
精神疾患を抱える人の多くは、過去のつらい記憶を実際以上に強調し、より苦しいものとして記憶する傾向がある
これは、脳の認知機能や感情処理の働きに影響を受けるためだ(誇張)
うつ病やPTSD(心的外傷後ストレス障害)、不安障害を持つ人は、ネガティブな出来事を過大評価し、ポジティブな出来事を見落としやすくなる
これにより、過去の記憶が歪められ、実際よりもつらく悲惨なものとして認識される
相談者さんが、強い不安やつらさを感じている事は事実だが、自ら不安を育ててしまった部分がある
人の記憶というのは曖昧で、話した事には嘘が混ざる
客観的な事実を正確に伝えるというのは、そもそも難しく、できる人は少ない
・事実とは違う事を話してしまう・話を盛る・大袈裟に話す
相談者本人には自覚がなくても事実とは違う事を話してしまえば、それは嘘であって、間違い
故意でも過失でも、正当防衛でない限りは有罪になるのと同じで嘘になる
心理カウンセラーは、この嘘に惑わされないように心理カウンセリングを進める
1. ネガティブなバイアスがかかる
精神的に不安定なとき、人は過去の出来事を冷静に振り返ることが難しくなる
そのため、「あのときは本当に最悪だった」「誰も助けてくれなかった」といった極端な思考になりやすく、記憶の脚色が進む
- ポジティブな要素を無視する過去に苦しい状況があったとしても、実際には助けてくれた人や支えになった出来事があったかもしれないしかし、精神疾患の影響で「誰も助けてくれなかった」「ずっと孤独だった」と思い込んでしまう
- 過去に苦しい状況があったとしても、実際には助けてくれた人や支えになった出来事があったかもしれない
- しかし、精神疾患の影響で「誰も助けてくれなかった」「ずっと孤独だった」と思い込んでしまう
- 出来事の一部を誇張するある出来事のつらい部分だけを強調し、他の部分を省略してしまうことがある「先生に怒られた」という記憶が「先生に毎日ひどく怒られ、全否定された」という形に膨らむことがある
- ある出来事のつらい部分だけを強調し、他の部分を省略してしまうことがある
- 「先生に怒られた」という記憶が「先生に毎日ひどく怒られ、全否定された」という形に膨らむことがある
2. フラッシュバックによる感情の増幅
PTSDやトラウマを抱える人は、過去のつらい記憶がフラッシュバックとして突然よみがえることがある
このとき、現在の自分が過去の感情を再体験するため、当時の苦しさが何倍にも強まることがある
- 過去の出来事を「今」の苦しみと同一視する「あのときの絶望感が今も続いている」と感じることで、記憶がさらに強烈なものになる「あのときも苦しかったし、今も苦しいから、きっとずっと苦しみが続くんだ」と思い込む
- 「あのときの絶望感が今も続いている」と感じることで、記憶がさらに強烈なものになる
- 「あのときも苦しかったし、今も苦しいから、きっとずっと苦しみが続くんだ」と思い込む
- 記憶の一貫性が崩れる断片的なフラッシュバックにより、過去の出来事の流れが歪んでしまい、実際にはなかった要素が付け加えられることがある
- 断片的なフラッシュバックにより、過去の出来事の流れが歪んでしまい、実際にはなかった要素が付け加えられることがある
3. 繰り返し思い出すことで記憶が強化・変化する
人の記憶は、思い出すたびに少しずつ変化すると言われている
特に、強い感情を伴う記憶ほど、その影響を受けやすくなる
- 「思い込み」が記憶を書き換える何度も「自分はあのとき最悪だった」と考え続けると、実際以上にその出来事が悲惨なものとして記憶に定着する例えば、「友達に無視された」と思い込んでいる人が、実際には単に相手が忙しかっただけだったとしても、「あのとき、私は完全に拒絶された」という記憶に書き換えられることがある
- 何度も「自分はあのとき最悪だった」と考え続けると、実際以上にその出来事が悲惨なものとして記憶に定着する
- 例えば、「友達に無視された」と思い込んでいる人が、実際には単に相手が忙しかっただけだったとしても、「あのとき、私は完全に拒絶された」という記憶に書き換えられることがある
- 人に話すたびに脚色される過去のつらい経験を繰り返し人に話すことで、話の内容が少しずつ変わり、より強調されたものになっていく
- 過去のつらい経験を繰り返し人に話すことで、話の内容が少しずつ変わり、より強調されたものになっていく
4. 「現在の苦しみ」と「過去の記憶」が結びつく
精神疾患を持つ人は、現在の苦しみと過去の記憶を関連づけやすく、「過去も最悪だった、今も最悪だから、未来も最悪になる」と考えてしまうことがある
- 過去の失敗が「一生ダメな自分」という自己認識を強める例えば、一度の失敗を「自分は昔からずっとダメだった」と思い込むその結果、自己肯定感が下がり、さらに記憶がネガティブに脚色される
- 例えば、一度の失敗を「自分は昔からずっとダメだった」と思い込む
- その結果、自己肯定感が下がり、さらに記憶がネガティブに脚色される
- 現在の苦しみの原因を過去に求める「今の自分が苦しいのは、すべて過去のあの出来事のせいだ」と考え、過去の記憶をより悲惨なものとして再構築してしまう
- 「今の自分が苦しいのは、すべて過去のあの出来事のせいだ」と考え、過去の記憶をより悲惨なものとして再構築してしまう
5. 記憶の脚色を防ぐためには?
過去のつらい記憶が脚色されることを防ぐためには、以下のような対策が有効
- 記憶を客観的に整理する事実と感情を分けて考える「あのとき悲しかったけど、本当に100%最悪だったのか?」と冷静に振り返る実際に何が起こったのか、第三者の視点で考えてみる
- 事実と感情を分けて考える「あのとき悲しかったけど、本当に100%最悪だったのか?」と冷静に振り返る
- 実際に何が起こったのか、第三者の視点で考えてみる
- ポジティブな記憶にも目を向ける「あのとき助けてくれた人はいなかったか?」と探してみるネガティブな記憶だけにとらわれず、良い経験も思い出す習慣をつける
- 「あのとき助けてくれた人はいなかったか?」と探してみる
- ネガティブな記憶だけにとらわれず、良い経験も思い出す習慣をつける
- 現在の苦しみと過去を切り離す「今がつらいからといって、過去も全部つらかったわけではない」と意識する「今の苦しみは、過去の出来事そのものではなく、自分の解釈によって強まっているかもしれない」と考えてみる
- 「今がつらいからといって、過去も全部つらかったわけではない」と意識する
- 「今の苦しみは、過去の出来事そのものではなく、自分の解釈によって強まっているかもしれない」と考えてみる
- カウンセリングや心理療法を活用する認知行動療法(CBT)などを通じて、記憶の歪みに気づき、事実に基づいた思考に修正していく専門家と一緒に過去の記憶を整理し、適切な視点を持つ
- 認知行動療法(CBT)などを通じて、記憶の歪みに気づき、事実に基づいた思考に修正していく
- 専門家と一緒に過去の記憶を整理し、適切な視点を持つ
まとめ
精神疾患を持つ人は、過去のつらい記憶を実際よりも悲惨なものとして記憶しやすい傾向がある
これは、ネガティブなバイアス、フラッシュバック、記憶の変化、現在の苦しみとの結びつき などが影響している
しかし、記憶は思考の習慣によって修正することが可能過去の出来事を客観的に振り返り、ポジティブな側面にも目を向けることで、記憶の脚色を防ぐことができる
また、心理カウンセリングを活用し、健全な視点で過去と向き合うことが重要