過食症（Binge Eating Disorder）食べても満たされない「こころの空腹」
寄り添わない心理カウンセラー【Y】：代表
こんにちは🍵
食べることで気を紛らわせようとする人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
過食症（Binge Eating Disorder）は、短時間に大量の食べ物を摂取し、その後に強い罪悪感や自己嫌悪を感じるものの、嘔吐や下剤などの「排出行動」は伴わない食事障害のひとつです
「食べること」がストレス発散や感情の処理手段になっており、自分ではやめたいと思っていても衝動に逆らえず、苦しみのループに陥ります
見た目には気づかれにくいですが、内面では深い葛藤と自己否定が繰り返されています
診断のポイントとDSM-5の基準
DSM-5では、以下のような特徴を満たす場合に過食症と診断される・短時間に、通常より明らかに多量の食べ物を摂取するエピソードが週1回以上、少なくとも3か月続いている・以下のうち3つ以上が見られる ・普通より速く食べる ・満腹でも苦しいほど食べる ・空腹でないのに食べ始める ・恥ずかしくて一人で食べる ・食後に嫌悪感や抑うつ、罪悪感を抱く・自己誘発嘔吐や過度な運動など、排出行動を行わない・行動が日常生活や対人関係に影響を及ぼしている神経性過食症と異なり、「吐かない」「排出しない」という点が大きな違いとなる
食べることが「感情の避難所」になっている
過食症の人は、食べ物そのものが欲しいわけではなく、「食べること」によって以下のような感情を一時的に麻痺させていることが多い・不安、怒り、孤独、退屈、虚無感・自分が役立たずだという思い・何かに失敗したときの自己否定感食べている間だけは、感情から解放されたように感じるしかし食べ終わった瞬間に、現実と感情が戻ってきて、より強い自己否定と絶望感に襲われるようになる
体型や見た目への苦しみが見えにくくなる理由
過食症は、体重が必ずしも極端に低くなったり高くなったりするわけではないため、周囲に気づかれにくいむしろ、「よく食べる明るい人」と誤解されているケースもある・誰にも見られないように食べる・「普通に見られたい」気持ちが強く、仮面をかぶる・人前では節制して、家で爆発的に過食するこうした二重生活が続くことで、ますます「本当の気持ちを言えない」状態になり、孤立が深まる
一般的な心理カウンセリングでの支援と介入の視点
過食症に対する心理カウンセリングでは、「食べること」の背後にある感情や思考を丁寧に扱っていくことが中心となるポイントは以下の通り・「なぜ食べたくなるのか」を一緒に探る・感情を抑えずに感じるためのスキルを育てる・完璧主義や自己批判的な思考パターンの修正・「食べたこと＝悪いこと」という認知の見直し・摂食行動を否定せず、「別の選択肢」を増やす支援心理カウンセラーは、ある程度「今の自分をそのまま見てくれる人」として関わりながら、傷つきにくい自尊心を育てる手助けを行う
食べることで自分を「保とうとしていた」事実を認める
過食症の相談者は、自分の行動を「甘え」「だらしなさ」と責めがちになるしかし実際には、「食べること」でどうにか自分を保とうとしてきたという事実があるその行動を否定するのではなく、「それしか方法がなかったんだね」と丁寧に理解し、別の方法で感情を扱えるようになるまでサポートしていくことが、回復への一歩となる
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