薬物依存症(Substance Use Disorder) やめたいのにやめられない「逃げ場」の代償

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
クスリに手を出す人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
薬物依存症(Substance Use Disorder)は、違法薬物や医療用薬物、処方薬などの使用が制御できず、生活や健康、人間関係に深刻な影響を与えていても使用をやめられない状態です
「一度だけ」「これでラクになれる」と始めたはずが、心身の報酬系に強く作用する薬物によって、いつの間にかやめられなくなっていきます
周囲からの偏見が強いため、孤独や恥のなかでさらに依存が深まっていくケースも多いです
対象となる薬物の種類と依存のかたち
薬物依存症の対象となる物質にはさまざまな種類がある
・覚せい剤(メタンフェタミンなど) ・大麻(マリファナ) ・オピオイド(鎮痛薬、ヘロインなど) ・コカイン ・LSD、MDMAなどの幻覚剤 ・向精神薬、睡眠薬、抗不安薬の乱用
これらの薬物は、脳内の快楽・報酬・不安抑制のメカニズムに直接作用し、「もう一度使いたい」という欲求を強化していく
DSM-5における診断基準と重症度
DSM-5では、以下のような行動や状態が12か月の間に2つ以上当てはまると「薬物使用障害」と診断される
・使用量や回数を制限しようとしてもできない ・薬物を手に入れる・使う・回復することに多くの時間を費やす ・強い使用欲求(クレービング)がある ・仕事・学業・家庭に支障が出ている ・危険な状況でも使用してしまう ・身体的・心理的問題があるとわかっていても使用を続ける ・耐性(効きにくくなる)や離脱症状(不安・震え・発汗など)が見られる
これらの数が多いほど、重症度が高くなる
「クスリが欲しい」のではなく「今をどうにかしたい」
薬物依存に陥る人を「快楽のために使っている」と誤解する人は多い しかし実際には、「つらさをどうにかしたい」「もう少しだけ生きられる気がした」など、生きるための手段として選ばれたケースも少なくない
・トラウマや虐待などから逃れるため ・慢性的な不安、鬱、空虚感、疲労感を麻痺させるため ・感情を感じずにいられる時間を求めた結果 ・孤独や無価値感に耐えきれなかったから
薬物は、本人にとっての「生き延びるための道具」になっていることがある
社会の視線が回復の足を引っ張ってしまう現実
薬物依存者に対する偏見やスティグマ(社会的烙印)は非常に根強い 以下のような現実が、当事者の回復をさらに困難にする
・「犯罪者」「人として終わってる」といったレッテル ・家族や仕事をすべて失い、戻る場所がなくなる ・支援につながる前に、自己否定と孤立が強化される ・過去の使用歴が回復後も長く社会的に不利益になる
こうした現実が、「回復すること」よりも「隠すこと」を優先させ、依存を長期化させる要因となっている
一般的な心理カウンセリングでの支援と「見捨てない姿勢」
薬物依存への心理的支援は、単に「やめるための指導」ではなく、「やめたい気持ちとやめられない現実」の間にある苦しみに向き合うことが軸となる 主な支援の視点は以下のとおり
・「薬物が必要だった理由」を丁寧に扱う ・感情の調整方法や自己肯定感の再構築 ・トリガー(使いたくなるきっかけ)を理解する支援 ・再使用(リラプス)を責めず、継続的な支援を続ける態度 ・居場所とつながりを回復する社会的支援との連携
心理カウンセラーは、「断薬させる専門家」ではなく、「見捨てないで向き合う他者」であることが求められる
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