
【心理カウンセリング解説】心理カウンセリング中に起こる最初の壁「逃亡」(3000文字)

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは、メンタリストYです
『心理カウンセリングがどのようなもの』か、というのは範囲が広すぎるので、今回は、相談者が初めて心理カウンセリングを受けたときにぶつかる壁「逃亡」について書いてみます
心理カウンセリングの途中で相談者は【逃亡】します
心理カウンセラーの言葉に、相談者は悲しんだり、怒り始めます
そして、相談者はストレスに耐え切れず、心理カウンセリングから逃亡します
そして相談者は「やっぱりカウンセリングは効果がなかった」と結論付けます
いったい何が起きたのか
この現象について、見ていきます
相談者の「心理カウンセリング」
相談者は、心理学の専門家ではないが、相談者の中にオリジナルの「心理カウンセリング」が作られている
相談者は心理学の専門家ではないので、心理カウンセリングがどのような物かは知らないはずだが、「心理カウンセリングではこういう事をしてもらえる」と思い込んでいる
その思い込みが、激しい
相談者は心理学の専門家ではないが、あくまで正しいのは相談者自信だと考えている傾向にある
相談者が考える心理カウンセリングとはどのようなものかというと、こうだ
相談者の理想とする心理カウンセリングは、「つらかったことを話して、心理カウンセラーに聴いてもらい、心理カウンセラーに寄り添ってもらえて、受けとめてもらうことで気持ちが軽くなる」「今までの頑張りを全て褒めてもらえる」という感じだ
心理カウンセリングは相談者の期待を裏切る
相談者は、心理カウンセリングに多くの事を期待するが、心理カウンセリングで心理カウンセラーはその多くの期待を裏切る
相談者は、心理カウンセラーをYesマンだと勘違いしている
または、心理カウンセラーをヒーラーだと勘違いしている
このように思っている相談者がとても多い
実際の心理カウンセリングがどうなるか
心理カウンセリングを始め、相談者がつらかったこと、相談者の意見を心理カウンセラーに話す
相談者に対して心理カウンセラーが何かを言うが、心理カウンセラーはYesマンではないから、相談者の全てを受け止めてくれないし心理カウンセラーはヒーラーではないから、癒してもくれないと感じる
相談者は、話を聞き流されているように感じる
そんな心理カウンセラーに、相談者は少しイライラし始める
次に相談者は「こういった場合にどうしたらよいのか」という質問をする
それに対し心理カウンセラーが「こうしたらどうだったでしょうか」と答える
相談者は、なぜ、心理カウンセラーの言った事の方が良いのかよくわからなかったり、その内容をうまく理解できない場合がある
心理カウンセラーに聞き返しても、理解できない
何がわからないか、わからない
相談者は、不安感が増したり、さらにイライラして「それができればやっている」「カウンセラーはきれいごとばかり言う」と、攻撃的になる
そのまま勢いで心理カウンセリングから逃亡する事もある
こんなのは心理カウンセリングではない良くない心理カウンセラーに当たったと判断し次の心理カウンセリングには来なくなる
相談者は、「裏切られた」と感じる
相談者は「やっぱりカウンセリングは効果がなかった」と結論付ける
心理カウンセリングは心の筋トレ
相談者が改善したい内容にもよるが、心理カウンセリングは何をするものか簡単に言うと「心の筋トレ」だ
相談者の悩みを改善するには、知識を身に付ける事も必要だし、ある程度の負荷をかけてトレーニングが必要だ
心理カウンセリングは、身体を鍛える筋トレに例えて「心の筋トレ」と表現できる
心の筋トレというのは、もっと言うと、・「深い思考力」を身に着け・現実から「逃避するだけ」で終わらせない訓練という意味
深い思考力以外にも、心の筋トレでどのような力を身に着けたいか、その目的によってトレーニング方法は異なる
相談者からしてみれば、今までの行いや頑張りを褒めてもらいに来たり、つらさを癒してもらいに来たのに褒めてくれない上に、筋肉トレーニングをさせられてしまうのだから、苦しい上に、期待を裏切られたと思う事だろう
辛さの追体験
心理カウンセリングでは、どのようなつらいことを経験したのか相談者にお話しいただく心理カウンセリングで相談者は、過去にどのようなつらいことを経験したのか思い出して話す
このとき、相談者は過去のつらさを思い出し、再度つらさを味わうことになり、メンタルに負担がかかる
相談者はとてもつらいことを経験し、心理カウンセリングに来ている
そのストレスに耐え切れない精神状態になったから、精神疾患となっている
そのような状態で、経験したつらい出来事を再び思い出し、人に説明するとなると、その時感じた強いストレスも思い出すことになる
そんなのは、誰でも逃げ出したくなる心理状態だ
体調が悪くなる事もある
相談者は心理カウンセリングを続けられなくなるので、場合によっては『逃亡』するそして「やっぱりカウンセリングは効果がなかった」と結論付ける
相談者は記憶を盛る
記憶というのは脚色される
相談者は、ストレスを受けた以後もストレスを受け続けている
つらい経験を、何度も思い出す事で、1度のつらい経験が100回、1000回のつらい経験になるので、つらい出来事によるストレスを、育て続けているようなものだ
当時経験した実際のストレスよりも、今は強いストレスになっているかもしれない
この状況を説明するは、そもそも難しいので、心理カウンセラーに説明する場合、事実ではない事が混ざる
相談者の話す言葉には、事実ではない事が混ざる
「つらい経験を1度した」ではなく「ものすごくつらい経験をした」という言葉になる
旦那さんにガス代の支払いを頼んだが、旦那さんが支払いを忘れたという事が事実の話でも、精神疾患の奥様にとっては、・旦那さんに嘘をつかれている・嫌がらせをされていて、ものすごく毎日がつらいという言葉になる事がある
どの様なつらいことを経験したか心理カウンセラーに話す段階で、感情の制御ができなくなる事がある
記憶の歪みや説明力の不足、防衛機制などが関係している
本能的な防衛本能
相談者は、心理カウンセリングを始める前からメンタルが弱っている
心理カウンセリングを始めると、そこにさらにつらい過去を思い出させる事になる
精神疾患を抱える人は、脳の扁桃体(恐怖や不安を感じる部位)が過剰に反応することが多い
精神疾患を持つ人の逃亡は、単なるわがままではなく、脳の防衛本能が働いている結果でもある
精神的に弱っている時は、人の脳は本能的な判断が強くなる
あまり理性的な行動はできなくなり、本能的な行動になりやすい
本能的な行動というのは、「欲求を満たす事」や「怒る事」
心理カウンセリングは、その場から逃げたくなる状況となる
さらに何かのきっかけ(トリガー)があれば、相談者はいつでも逃げ出せると言える
相談者が、「あのカウンセラーはダメだ」「カウンセリングは意味がなかった」と結論付けるのも、つらい現実と向き合うことから逃避する行動の一つ
つらかった時のことを思い出し、相談者の中でどう対処したら良いかわからない不安や怒りを、目の前の心理カウンセラーのせいにする現実逃避の行動
自分は正しくて、他の人が間違っていると思い込む事で、自分自身を守ろうとする防衛本能による思考
相談者におすすめ『心理カウンセリングの受け方』
学校のテストで、100点を取る事を目指す時どこができていないかを先生に教わりに行くのと同じで心理カウンセリングでは、心理カウンセラーが相談者の悩みについて、相談者には何が不足しているかを指摘する
相談者が抱える悩みは、相談者のせいというわけでもないが、心理カウンセラーのせいでもない
心理カウンセラーが指摘する事に、腹を立てても仕方ない
相談者は心理学の専門家ではないので「心理カウンセリングはこういう物だ」という先入観は持たない方が良い
『何もわからないから、どういうものか教えてほしい』『心の筋トレ方法を教えてほしい』というぐらいの気持ちで心理カウンセリングに挑んでもらえれば良い