身体表現性障害(Somatic Symptom Disorder)

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
「検査で異常がないなら気のせいでしょ?」と思いたい人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
身体表現性障害とは何か
身体表現性障害とは、医学的な原因が特定できないにも関わらず、痛みや疲労、めまいなどの身体症状が強く続く状態を指す
重要なのは、症状自体は「本人にとってリアル」であり、決して“嘘”や“演技”ではないということ
検査を受けても異常が見つからず、医師から「問題なし」と言われるたびに、本人はますます困惑し、「このつらさを誰もわかってくれない」という孤立感が深まる
身体の症状であっても、背景にはストレスや感情の影響が複雑に絡んでいるため、単純な治療法では改善しづらい
どんな症状が出るのか
身体表現性障害では、次のような症状がよく見られる ・慢性的な頭痛や腹痛 ・息苦しさや胸の圧迫感 ・全身の倦怠感やだるさ ・吐き気やめまい ・関節の痛みやしびれ感
これらの症状は日によって部位が変わったり、検査結果と一致しない場所に出ることも多い
どれも「はっきりした原因がない」ために、周囲から「気のせい」「考えすぎ」と扱われやすく、本人は理解されないことによって余計にストレスを抱える
なぜこのような症状が起きるのか
背景には、慢性的なストレスや心の葛藤、過去のトラウマなどが関与していることが多い
心理的な痛みが身体に置き換わることで、“身体症状という形”で本人の苦しさが表現されている状態とも言える
つまり、体の不調そのものが「無意識の叫び」であり、「今のままではもう限界だ」というサインとも捉えられる
ところが、医療機関では「身体の異常がない」と言われ、精神科では「身体の問題は専門外」と扱われることが多く、たらい回しにされやすい
誰にも届かない苦しさと怒り
身体表現性障害の人は、自分のつらさを誰にも理解されないことに対して強い孤独と怒りを抱えやすい
周囲に相談しても、「気にしすぎ」「気持ちの問題」と片づけられ、逆に責められることで自己否定が深まっていく
医師にも見放され、家族にも呆れられ、仕事も続けられず、自分自身に対して「何もできない存在」だというレッテルを貼ってしまう人も少なくない
身体に現れた症状を通じてしか、苦しさを伝える手段が残っていないことに、本人自身も気づけていないことがある
支援の視点と向き合い方
この障害においては、「症状を否定しない」「原因を追い詰めすぎない」ことが大前提となる
必要なのは、症状に巻き込まれすぎずに、「今どんな環境や考え方がストレスになっているのか」をゆっくり見つめ直すプロセスである
また、身体だけを見ても解決しないが、「心の問題だ」と一方的に押しつけても本人は納得できない
支援者には、身体と心理のあいだをつなぐ“通訳”のような視点が求められる
少しずつ生活を整え、小さな成功体験を積み重ねることが、身体の声に振り回されない人生への一歩となる