妄想性障害(Delusional Disorder)とは何か

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表

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こんにちは🍵

「それ、勘違いじゃない?」と言いがちな人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です

「妄想」という言葉は、日常的に使います

「妄想」は誰でも使った事のある言葉ですが、その日常での意味の「妄想」と、この心理学での意味の「妄想」は、同じでしょうか

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確信に満ちた「誤解」が現実をゆがめる

妄想性障害(Delusional Disorder)は、現実には根拠がない思い込みや信念(妄想)を長期的に持ち続ける精神障害です

妄想の内容は明らかに誤っていても、相談者はそれを強く信じ込み、実際の行動にも影響を及ぼす 特徴的なのは、妄想以外の思考や感情、行動が比較的保たれている点であり、統合失調症のような幻覚や思考混乱は伴わないことが多い

そのため、周囲からは「少し変わっている人」と見られることが多いが、妄想が対人関係や社会生活に入り込むことで深刻なトラブルに発展することもある

妄想の定義と妄想性障害の診断基準

「妄想」とは、現実に基づかない誤った信念であり、証拠や説得では修正されない思考内容を指す 妄想性障害では、この妄想が1か月以上続き、他の精神疾患(統合失調症や気分障害など)の基準を満たさない場合に診断される

DSM-5における診断基準は以下のような要素を含む ・1つまたは複数の妄想が1か月以上続いている ・統合失調症の基準は満たさない(幻覚や思考障害が目立たない) ・妄想以外の機能は比較的保たれている ・妄想による影響を除けば、社会的・職業的な機能が大きく損なわれていないこともある

妄想のタイプとその特徴

妄想性障害にはいくつかの典型的な妄想のタイプがあり、それぞれ相談者の行動や影響の出方が異なる

・被害型:「誰かに監視されている」「悪口を言われている」などの妄想 ・嫉妬型:恋人や配偶者の浮気を疑い、監視や詮索を繰り返す ・恋愛型:自分が誰か(多くは有名人)に愛されていると信じる ・誇大型:「自分には特別な使命がある」「歴史的な功績を成し遂げた」といった妄想 ・身体型:自分の体に異常があると強く信じる(においがする、虫がいるなど)

これらの妄想は日常生活に深く入り込み、人間関係の誤解や孤立、対立を生みやすい 現実との間にズレがあっても、本人にとっては「確信」として感じられているため、関係修復は困難になることがある

妄想の裏にある「リアリティの歪み」

妄想性障害の相談者は、自らの信念を「事実」として感じており、第三者の否定に強く反発する傾向がある そのため、家族や同僚との摩擦が頻繁に起き、関係がこじれる原因となる

また、「自分は理解されない」と感じている相談者は、妄想の内容を必死に語ろうとするが、それがさらに人間関係を悪化させてしまう 本人にとっては「真実を伝えている」つもりであり、相手に否定されることで怒りや不信が増幅していく

このような状態では、心理的な孤立が進行しやすく、強い不安や敵意、時には希死念慮が現れることもある とくに被害妄想が極端な場合は、攻撃的な行動に発展することもあり、早期の対応が求められる

妄想性障害の見落とされやすさと誤診

妄想以外の機能が比較的保たれているため、精神科以外では妄想性障害が見落とされやすい たとえば、弁護士、警察、役所、学校などに繰り返し訴える行動があっても、その主張が一見論理的に見える場合、精神的な支援の必要性が認識されにくい

また、妄想内容が自己否定的であったり身体へのこだわりであったりする場合は、うつ病や不安障害、心気症と誤診されることもある

治療と心理カウンセリングの工夫

妄想性障害への対応は慎重を要し、「妄想を否定する」「正す」といった方法は逆効果になりやすい 相談者の不信感を高め、心理カウンセリング関係の継続が困難になることがある

薬物療法としては抗精神病薬が用いられることが多いが、本人が「病気であること」を受け入れていない場合、服薬への抵抗が強くなることもある そのため、妄想の中身に直接踏み込まず、「その妄想がどれほどの苦しみを伴っているのか」に焦点を当てる関わりが重要となる

心理カウンセリングでは、「現実と信念の間にある小さな隙間」を探す作業が求められる 妄想を完全に否定するのではなく、「他の可能性」や「別の視点」をそっと提示していくことで、変化への足がかりが生まれる

確信の奥にある孤独と不安に触れる

妄想性障害は「誤った信念の病」だが、その根底には深い孤独や不安、過去の傷つきが隠れていることが多い 妄想はそうした感情から自分を守るための「こころの防衛」でもある

だからこそ、心理カウンセラーの役割は妄想を壊すことではなく、その裏にある感情や背景に丁寧に触れていくことにある そして「自分の世界にしか居場所がなかった人」が、少しずつ他者とのつながりを回復していけるように支援することが、回復の第一歩となる

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