連載小説【我、汝が飼い主なり】

連載小説【我、汝が飼い主なり】

胡散臭い笑顔を仮面にしているのに誰一人気づかねえの。俺が俺でいることを俺が忘れてしまった。子供の頃からの慣れってそんなもんだ。

そのうち俺は騙すことにも慣れていった。体の熱量を持て余すこともよくあった。熱量を持て余すと体が焦げそうになる。沈めてほしくて誰でも良かった。胡散臭い笑顔をすれば誰でも捕まえることができた。そのうち、狩りもつまらなくなって、俺はいろんな事件を起こすようになった。法律に触れたら少しは人生のカンフル剤になるかなと思ったんだ。それだけ。俺のためだけに法律に触れることをあえてした。はみ出さなきゃ俺の人生は煮詰まって蒸発するか、腐食して切れちゃうと思った。

世間様に何を言われても構わなかった。俺には心を痛められて困るような身内もいなかった。血のつながりも人情豊かな人間関係も全然なかった。

俺が悪いことをして困る人間がいなかったし、俺が法律に触れて泣いてくれる人間もいなかった。

教会に行き始めたのはその頃だった。ひとりの女が教会で意気揚々と奉仕活動をした。えらく美人でえらく明るくて化粧っ気のない、クリスチャンの美人の典型的な感じの女。誰にでも優しくて純粋で、小綺麗にしてて。

声をかけた。感じよく応えてくれた。でも連絡先を聞かれなかった。連絡先を聞いたらあっさり教えてくれた。向こうから連絡は来なかった。でも俺が連絡したらバカ丁寧に返信がきた。

そんな繰り返しだった。

悔しいから洗礼を受けた、クリスマスに。

毎週会う口実ができた。でも女の態度は変わらなかった。連絡をすればきちんと返してくれる。でも、自分から俺には踏み込んでこなかった。

俺は一人暮らしだ。彼女の家から近いらしい。

清潔感あふれる殺風景な俺のペントハウスからは街が一望できる。彼女の家は俺の家からも見える小さなアパートだ。

見下ろしても彼女はひとりだ。彼氏も旦那もいる気配がない。

一通、ふざけて別アカウントからメールを送った。

「私はあなたの飼い主です。迷える子羊よ、ようやく見つけました」

酔った勢いでもなんでもない、ただふざけただけ。

そしたら数日後、彼女からメールが返ってきた。なんでなんでと面白がってメールを開封すると、裸の写真が添付されていた。

異常なほど濃い化粧とだらしない体液をきちんと入れ込んで撮影してきた。

日時・場所の指定までされていた。

このあたりで一番安いホテルだ。

タバコの灰がぽとぽとぽとぽと落ちていく。

<<<<<続く、、、


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