収録: 本編約50,000字 / チェックリスト8枚 / そのまま送れる文例15本 / 記入シート10点
第1部:無料公開部分
削ったはずの月7,300円が、半年後には消えていた(仮例)
Bさん(仮名・42歳・会社員・4人家族)は、家計を見直そうと思い立ちました。最初に手を付けたのは、いちばん取りかかりやすいところです。スマホのプランを大手キャリアの旧プランから安いものに変えて月4,500円。使っていない動画配信と音楽配信とクラウドの3件を解約して月2,800円。合わせて月7,300円が浮きました。
手続きは週末の2日で終わりました。Bさんは達成感がありました。年間で約87,000円です。
半年後、通帳を見ました。貯金は、見直す前とほとんど変わっていませんでした。
——このBさんに起きたことを、順番に並べてみます(すべて仮例です)。
- 浮いた月7,300円の行き先を決めていなかったため、生活費の口座に残ったまま、少しずつ生活水準に吸収されていきました。外食が月1回増え、子どもの習い事が1つ増え、それで終わりです。
- 金額の大きい費目に手が付いていませんでした。Bさん世帯の固定費で最も大きいのは住居費、次が保険料(世帯合計で月4万円台)でした。着手したのは、金額でいえば3番目と6番目の費目です。
- 保険料に手を付けなかった理由は「よく分からないから」でした。証券は引き出しにありましたが、どこを見れば多いか少ないか判定できるのかが分かりませんでした。
- そもそも「いくら残せば足りるのか」という目標がありませんでした。老後にいくら要るのかを一度も数字にしていないため、月7,300円で十分なのか、月3万円必要なのかが分からない。分からないので、どこで止めていいかも分からない。
Bさんは、間違った手続きをしたわけではありません。通信費の見直しもサブスクの解約も、正しい行動です。足りなかったのは、順番と、判定材料と、行き先の3つでした。
家計の見直しで消耗する人の多くが、この3つのどれかで止まっています。そして厄介なことに、この3つはどれも「知識」ではなく「手順」の問題です。難しい理屈は要りません。何を、どの順で、どこへ持っていくか——それが分かれば、あとは手が動きます。
このパックは、その手順だけを並べたものです。
このパックが解決すること
詰まり1:何から削ればいいのか分からない節約の記事はいくらでもありますが、「あなたの家計で、いま、どの費目から手を付けるべきか」は書かれていません。このパックは、明細を集めるところから始めて、金額の大きい順に費目を並べ、各費目に「連絡先・必要なもの・所要時間・完了判定」を付けました。上から順に潰すだけです。
詰まり2:保険が多い気がするが、多いかどうかを判定する材料がない「たぶん入りすぎている」という感覚だけで窓口に行くと、提案されるがままになりがちです。このパックは、住まいの保険(第2章)と生命保険・医療保険(第3章)について、契約の一覧を作り、公的保障で賄われる範囲を調べ、不足額を出す——ここまでの手順を渡します。判定そのものを断定はしません。材料をそろえて、専門家と話せる状態にするところまでが担当範囲です。
詰まり3:老後にいくら要るか分からないので、目標が置けない削減も保障も、目標額がなければ「どこまでやれば終わりか」が決まりません。第4章で、年金の見込額・支出の見込み・資産・住まいの4つを調べる手順を並べ、1枚の紙に落とすところまでやります。
逆に、このパックがやらないこともはっきり書いておきます。「なぜその順番なのか」「必要保障額の考え方をどう設計するのか」「生涯のキャッシュフローをどう組み立てるのか」——こうした判断の設計そのものは、このパックでは深追いしません。それは別に完全版(巻末で触れます)があります。このパックの役割は、いま目の前で発生している作業を、順番どおりに、落とさず片付けることです。
このパックを作るときに決めた3つのルール
ルール1:読んで終わるページを作らない手順にはすべて「やること・所要時間・完了判定」を付けました。完了判定とは、その作業が終わったかどうかを自分で判定できる状態の記述です。「理解した」ではなく「◯◯が手元にある」「カレンダーに登録済み」という形にしてあります。
ルール2:書式を隠さないチェックリストや記入シートを「特典として後日配布」する形にはしていません。本文の中に、書式そのものを全部載せています。印刷しても、スマホのメモに写しても、そのまま使えます。買った瞬間から全部が手元にある状態にしたかったためです。
ルール3:保険については「判断材料の提示」に徹するこのパックは、特定の保険会社・保険商品を推奨も否定もしません。保険という手段そのものについて、一律に是非を断じることもしません。保障を減らす判断は、健康状態によっては取り返しがつかない場合があります。ですから本書がやるのは、証券を読み、契約を一覧にし、公的保障を調べ、不足額を出すところまでです。そこから先の判断は、保険会社・代理店・FP等の専門家と一緒に行ってください。
収録物の一覧
本編(第0部〜第6章)
- 第0部 使い方 — いまのあなたの状況から、開くべき章へ最短で飛ぶルート表
- 第1章 固定費の棚卸しと削減の実務 — 明細を集める6つの経路、費目別の点検順序、各費目の「連絡先・必要なもの・所要時間」、削減額を自動で積立に回す設定
- 第2章 住まいの保険を点検する実務 — 証券の読み方(見る場所は6つ)、補償の過不足の判定手順、保険料を下げる手続きの選択肢、事故・災害時の請求の流れと平時に準備する記録
- 第3章 保障の棚卸しの実務 — 契約一覧の作り方、公的保障を調べる窓口の回り方、不足額の計算シート、相談に行く前の準備リスト
- 第4章 老後の出口を数字にする実務 — 年金見込額の調べ方、支出の見込み、資産の棚卸し、住まいの4択の整理、60代以降の年次点検
- 第5章 そのまま送れる文例集 15本 — 通信会社・保険会社・年金事務所・健保・自治体・金融機関・勤務先・家族・親へ。各文例に「いつ・誰に・何のために」と「送る前チェック」つき
- 第6章 チェックリストと記入シート — 本文内に書式を全部載せています
チェックリストと記入シート(第6章にまとめて収録・本文中にも都度掲載)
- 固定費の棚卸しチェックリスト
- 明細を集める6経路チェックリスト
- 保険証券の点検チェックリスト
- 契約一覧シート
- 公的保障の調べものチェックリスト
- 不足額の計算シート
- 老後の収支見込みシート
- 資産の棚卸しシート
- 年次点検チェックリストほか、本文中に記入欄つきのシートを収録しています。
文例集 15本事業者向け・公的窓口向け・勤務先向け・家族向けに分類。件名から本文まで、そのまま貼り付けられる形にしてあります。
想定読者
次のいずれかに当てはまる方に向けて書いています。
- 毎月の収支が赤字で、どこから削ればいいか分からない方
- 削減はしたのに、貯金が増えていない方
- 保険が多い気がするが、多いかどうかを判定する材料がない方
- 家を買った直後で、保険と家計を一度整理したい方
- 50代で、老後の数字を一度も出したことがない方
- 退職が近く、受け取り方や住まいの出口を決めなければならない方
- 親の保障や年金の状況を、そろそろ確認しておきたい方
買わないでいただきたい方
正直に書きます。次の方には、このパックは向きません。
1. 「この保険に入るかどうか」の答えそのものを求めている方書きません。このパックは判断材料をそろえる手順書です。特定の商品の推奨・否定は行いません。答えを1つ提示してほしい方には、物足りない内容になります。
2. 判断の理屈を体系で学びたい方必要保障額をどう設計するか、生涯のキャッシュフローをどう組むか、取り崩しをどう設計するか——理論と計算根拠は、巻末で紹介する完全版のほうが適しています。このパックは手順に絞っています。
3. 「必ず◯円下がる」と書いてあることを期待している方書きません。保険料も光熱費も通信費も、条件・契約・時期によって結果は変わります。このパックができるのは、比べられるものを比べ、聞けることを聞き、期限を守る——結果が変わり得る余地を自分の側で最大化することだけです。結果には個人差があります。
4. すでに家計と保障の棚卸しを一通り自分でやったことがある方毎年きちんと点検されている方には、既知の内容が多くなる可能性があります。
著者について
川崎 拓也 — K agency 代表。宅地建物取引士・2級FP技能士。元金融機関勤務。住まいの資金計画と、その前後で発生する家計・保障の実務に携わってきました。「制度は知っていたのに、窓口に行かないまま数年経っていた」「証券は持っていたのに、一度も開いていなかった」——現場で最も多く見てきたのは、この2つです。だからこのパックは、知識ではなく手順と文面の形にしました。
お問い合わせ:info@k-agency.biz / K agency 公式LINE
使い方の前提
- 本パックの金額はすべて「例えば」の仮例です。実際の金額は、契約内容・地域・時期・世帯の状況によって異なります。
- 年金・医療・介護・税の制度は執筆時点の一般的な枠組みとして書いています。制度は改正されます。実行前に、日本年金機構・年金事務所・加入している健康保険の保険者・自治体の窓口・税務署・FP・税理士等でご確認ください。
- 保険に関する記述は一般的な情報提供であり、特定の保険会社・保険商品の推奨、勧誘、乗り換えや解約の勧奨を行うものではありません。補償・保障の内容と支払可否は、契約と約款により、各保険会社が判断します。
- 登場する人物・数値はすべて仮名・仮例です。
ここまでが無料公開部分です。
