この記事って要するにナニ?
2019年2月15日にJudge Appsに投稿した記事の転載。
二年半の月日で内容はすっかり古くなってしまっているが、過去イチ褒められた投稿なので、いつ消えるかも分かんないJudgeAppsだけにしか残っていない状況をなんとかしておきたかった。
ここから転載
4年ちょいの間に、32名定員の規模感のイベントをワンオペで160回くらいやりました。
先日のRPTQで、PPTQから繋がったお仕事もすべて終わりという事で、32名ワンオペテクの一端をこの機にシェアって自分でも忘れないようにしておこうという思いで、キーボードに向かっています。
◆はじめに
32人五回戦+Top8な大会の一番の特徴ってなんでしょう?
色々なご意見があるかとは思いますが、僕が意識している=このドキュメントで注目するのは「一人で全てをコントロール出来る最大の大会である」という点です。
中には60人の大会ワンオペしてるよ!という方も居るかも知れませんが、ホントにクオリティ保ててる? 貴方が顔三つ腕六本の超人なだけじゃない? 君の筋トレにみんなを付き合わせてるだけでは?
50人くらいまでなら僕もやる事ありますが、明確に個々の作業のクオリティが低下してるのを実感しますし、計9回戦ってのは一人で緊張感を保つのは難しいくらいの長時間になってしまいますので、やっぱワンオペは32人くらいで留めておきたいところです。
◆会場着いてまずやる事
予約・受付リストを眺めて、参加者を把握します。
参加者は全員、いつも来る、よく知ってる人ですか?
プレイ遅い人、揚げ足取りがちでトラブルをよく起こす人、ライブラリー厚いヤツ@Modern、イベント繰り返すウチに覚えますよね?
常連ばかりなら、受付後に「じゃ、はじめてねー」だけでR1始めちゃっていいかもですが、見た事ない名前が居たら、もう少し緊張感を持つ必要が高まります。
その人は、競技イベントビギナーでデッキリストすら書けないかも知れません。顔バレしてない遠征地で悪戯を試みる悪い子かもしれません。
名前で全員の顔を思い浮かべられないなら、テーブルも巡回しましょう。
Oh!!xxxxxのxxxxxプレイマット!!
国産TCGのサプライを見たら要注意です。彼にはMagicの常識が通用しないかも?
そんなこんなで取得した今日のメタゲーム情報が最初に活きるのは、前説です。
プレイ遅い人が居たら制限時間の話を、困ったヤツが居たらコミュニケーションの話を、競技慣れしてない子が居るならあらゆる注意事項の時間を長めに取りましょう。
(慌ててデッキリスト書いてる子が居たら、どうでもいい話で時間を稼いであげます。)
※前二つは、本人より対戦相手にとって役に立つTIPSのが良さげ
前説の内容は、参加者の顔を見てから変えられるんですね。
前説に限らず、プレイヤーの事をよく知っておくのは、その後のトラブル対応に役に立つ事もありますので、プレイヤーの事はよく知り得です。
◆ラウンド始まってから
ラウンド開始直後の優先度の高いタスクとして、結果記入用紙の配布ってお仕事があります。
そんなんお店のアルバイトスタッフさんに丸投げしても、クオリティ変わらなくない?って思う人も居ると思いますが、ワンオペで折角L2認定ジャッジが配るんだから、なんか付加価値をつけたいですね。
ゲーム中のテーブルを分け入って、せっかく全卓を回るんですから、この機会に全員のスリーブをチェックしてみるのはどうでしょう?
色の薄いスリーブで両面カードが透けそうだったりしませんか?
限界ボロボロでそろそろ換えて欲しかったりしませんか?
スリーブ開口部を自分側に向けてて、しかもインナーが上ハミしてるのとそうでないのがあったりしませんか?
角が規則的に折れてたり、おしゃれな絵柄のベーランだけめっちゃ反ってたりしませんか?
スリップ配りながら分かるくらいのヤツは、当然プレイヤーがその気で見れば分かる筈で、ペナルティの対象になる事が多いです。
という事で、仮にワンオペでなくても、浅いラウンドのスリップは自分で配りましょう。
危ないスリーブの人が居たら、ラウンド間に注意喚起したり、デッキチェックしてみたり、色々出来ますね。
32名イベントなら、スリーブの全チェックが可能です。
ランダムに選ばれた3人だか4人だかのスリーブを目を凝らしてチェックするより、かなり公平っぽくないでしょうか。
慣れてくると、もっと色んなことがチェックできるようになって、大会中、無限に忙しく=楽しくなりますよ。
◆15分経過
ラウンド残り35分です。
スリップも配ったし、デッキチェックも終わったし、その辺の空きテーブルに腰かけてソシャゲのスタミナでもチェックします?
それとも、2~3枚だけ来てる早い人々のスリップの入力を始めます?
とんでもない。全てを完璧に把握したい32人大会ですから、15分経ったらやる事が増えるんです。
何かって?全プレイヤーのライフメモをチェックしましょう。
ライフのメモが一本しかなかったら要注意です。
豪快に用紙を使い捨てるメンじゃない限り、まだ1ゲーム目をやってる可能性がかなり高いです。
遅いプレイに該当するかもしれません。「いま一本目ですか?」って聞いてみましょう。
1卓や2卓じゃなかったら、「15分経過してます」とかってアナウンスしたりで、全体を引き締めるとともに、脳内の「遅いヤツリスト」を更新したり……いろいろ忙しいですね。
昔はぼくも、ラウンド間を2分縮める事がトーナメントオペレーション!って鼻息荒かったですけど、32人16テーブルくらいだと、ラウンド自体の長さをコントロールする事も出来るんです。
◆30分経過
ラウンド残り20分。
さっきの流れで行くと、2本目が終わってないと厳しい時間帯です。
残り時間のアナウンス、15分でする人、10分でする人(、しない人)居ると思いますが、アナウンスするならこのくらいのタイミングでやっておかないと、いけません。
1ゲーム15分かかるとしたら、2本目終わってない人に注意喚起して「遅い」が「普通」に変わっても、残り15分では「2本目の残り部分」と「3本目丸々」は終わんないんすよ。
せっかく行動しても、それで時間切れ分けが防げないと意味ないですよね。
てな訳で、僕としては残り20分辺りでの「今、2本目終わる気配無いなら終わらんぞ」ってなアナウンスを推奨します。なんなら残り30分で、「まだ一本目をやってるヤツは全員申告しろ!」でもいいです。
◆飽きてきたので……
適当に細かいテクをいくつか紹介して終わります。
・ペーパーの掲示方法
ふみ式
とアラジン式
(単に教えてくれた人で、オリジネーターなのかは知らない)
どっちも毎回テープを切ってこなくて良くて、貼るのも剥がすのも簡単・早くてよく使いました。
アラジン式のがより使ったけど、ワンオペじゃない時に、「なんかゴミあるな」ってよく分かってない人に剥がされちゃうのが玉に瑕。ふみ式は、誰でもなんか意味あるっぽく見えるので捨てられません。
・3Mのマスキングテープが便利
https://www.amazon.co.jp/dp/B005JWNYPM
さっきの掲示でも使ったけど、マスキングテープは便利です。
ポケットにテープ単体で入れておいても邪魔にならないサイズで、手で切れる。
掲示に使えるのはもちろん、預かったデッキケースに名前書いて貼ったり・魔術遠眼鏡の指定を書いてペタリと貼ったり、抜き出したデッキリストの場所の目印にしたり・壁に大きく字を書いたり……スリップの提出場所だって僕はこれで作ります。(幾つかの例はふせん買ってきた方がええけど)
・メモは取り得
ワンオペで、後で自分で入力するハメになるなら、スリップに裏書するんじゃなくて、ペナルティは手帳にメモってしまいましょう。スリップよりは、入力時の検索性も高いし、後でイベントの事を思い出すのにも便利です。
遅いヤツ・ズルいヤツのデータも記憶に頼るよりは、信頼性高く蓄積できますよ。
積み込みで失格を出した日に家帰ってメモ帖をひっくり返したら、一年半前にその子のマナウィービングを注意してた記録が見つかったりした事もありました。(メモ以前に、ちゃんと覚えときなさいよという説はある)
ではそんなところで。