天地人三盤六甲霊占虎の巻
この占いは、自分が占う時刻、あるいは人から占ってほしいと問われた時刻を根拠として、事の成否を判断する卜占術の一つです。この術を発表した阿部泰山師によれば、六壬神課の姉妹だとされております。
六壬神課は、非常に素晴らしい術ではありますが、構造がなかなか複雑で習得に困難をしている中、本法は極めて容易で何等の予備知識を要せず天地人の3盤を造り得れば 求める人事の事件は直ちに吉凶を予知し得るとされています。しかも百占して百応を得る事は多年の実験より明らかであると阿部師は断言しております。
私(林巨征)が本術に巡り合ったのは、40年ほど前の話ですが、河野世希也先生に紫微斗数を習いに行っていたときのことです。ちょうど六壬の話がでたとき、河野先生から、「阿部泰山全集には載っていない天地人三盤を用いた非常に的中する判断法がある。小冊子で発表されているから、古書店を探すとよい」とのお話がありました。このお話は、すっかり忘れてしまいましたが、20年ほど前、神保町の古書店で「六甲霊占秘法並びに滴天髄格局論抜粋 阿部泰山著述」という小冊子を入手しました。そこには本術の全貌が記載されていたのです。
自分は、占う時刻を基にした占いでは、本術を六壬の代用として使用してきました。特に顧客から電話やメールなどで問われたときに、手軽に判断ができる術として非常に有用だったのです。
しかしながら、本術が阿部泰山以降に、著作物として発表されたことはなく、このままでは失伝してしまうことは火を見るより明らかです。したがってここで改めて文書として残しておきたいと、今回の発表に繋がりました。
ただし、阿部泰山師の原本は昭和31年発表の作であり、表現がいささか古く大時代的ですので、改めて自分なりの解釈で推敲し直し、表現を現代的にして書き改めました。
どうか皆様には、本術を習得され実践していただき、失伝することなく、後進に伝えてほしいと思います。