東北地方のソウルフード『芋煮鍋(いもになべ)』をご存知ですか。
主に山形県や宮城県、岩手県で食べられている里芋を使った鍋料理です。
夏になると、山や河原でみんなでワイワイバーベキューをやりますよね。
その秋バージョンが『芋煮会(いもにかい)』で、やっぱり河原にみんなで集まってワイワイ鍋を食べるそうです。
楽しそう、やってみたい!
ということで、今回はいつ芋煮会が開催されても良いように、関東きのこの会流の芋煮鍋レシピを作りました。
きのこをたっぷり入れた芋煮鍋です。
とても美味しく出来たので、ぜひお試しください。
芋煮に詳しい山形県のきのこ生産者さんに聞いてみた
まずは、芋煮鍋とはどんな料理なのか、最上地域のまいたけ生産者さんに聞いてみました。
生産者さんの小学校の遠足では、河原で芋煮会をしたそうです。
『幼いころから山形県民は誰もが経験する行事だと思います』とのこと。
また、時期や文化についても聞いてみました。
『芋煮の時期は里芋の採れる9月~10月がピークです。11月以降は寒くて外ではやりません。しかし、家庭では冬場も食べ続けます』
『スーパーでは芋煮用の鍋の貸出しや炭や薪の販売も行います。また、泥を落とし皮を削いだ【洗い里芋】も、芋煮用として大量に陳列されます』
とのこと。
うわー、なんだか地域の一大イベントって感じで楽しそうですね!
芋煮は地域によって味や材料が変わる
さらに芋煮について調査していくと、山形県内でも地域ごとに使う食材や調味料が変わることが分かりました。
ベースはサトイモ、ネギ、きのこ類(ぶなしめじ、もしくは舞茸)、板こんにゃくをちぎったものですが、肉と調味料が変わります。
- 山形県の内陸地域:肉は牛肉、味付けは醤油味
- 山形県の庄内地域:肉は豚肉、厚揚げを使い、味噌味
- 山形県の最上地域:牛肉 or 豚肉(好みで変える)、醤油味
- 中山町(内陸、最上川沿い):肉ではなく棒鱈を使い、味付けは醤油
ちなみに、芋煮の元祖は中山町で、もともと最上川を行き来する船乗りさん達が荷受け待ちの時間に河原で食べていたものだそう。
河原の近くで作っていた里芋と船荷の棒鱈を材料にしたため、元祖は棒鱈です。
更に、同地域の中でも少しずつ微妙な違いがあるとか。
このように『芋煮鍋』はとても奥が深くて、調査しがいのある題材でした。
きのこたっぷり芋煮鍋の作り方
それでは、調査結果をもとに【関東きのこの会流の芋煮鍋】を作っていきましょう!
関東きのこの会の芋煮鍋は『山形内陸地域の芋煮』を採用。
メインの具材はきのこと牛肉、味付けは醤油風味です。
きのこは贅沢に4種類使いました。
《材料》(3人前)
- えのき:100g
- ぶなしめじ:100g
- エリンギ:100g
- まいたけ:100g
- サトイモ:5個
- 板コンニャク:1枚(約150g)
- 長ネギ:1/2本
- 牛肉バラ切り落とし:200g
- 顆粒だし:適量
- 醤油:適量
- 砂糖:適量(お好みで)
- みりん:適量(お好みで)
- 【〆用】冷凍うどん:3人前
- 【〆用】カレールー:1~2かけ
《作り方》
- 板こんにゃくをスプーンでダンゴサイズに切り出す
こんにゃくはそのまま鍋に入れると肉を固くしてしまう為、あく抜きして軽く茹でておく - サトイモは食べやすい大きさにカット、ネギは斜め切り
- 鍋に材料を入れ、お鍋8分目になるくらい水を入れ加熱
あくが出るので丁寧に取り除く - しょう油を入れてひと煮立ち
関東きのこの会流芋煮鍋、完成!
牛肉のダシときのこや里芋、野菜の旨味が効いてるスープが絶品です。
少し、すき焼きに似てるかな。
味の染みた里芋のチュルンとした食感がまた旨い。
きのこから出た旨味がよく溶けだしていて、絶品スープを支えています。
≪POINT≫
複数のきのこを使うことでそれぞれのきのこが持つ旨味成分が混ざり合い、相乗効果で鍋がより美味しくなります!
また、スープに浸かったきのこも味が染みこみ美味しいです。
甘めが好きな方は、お好みで砂糖やみりんを追加していただくのもおすすめです。
〆の芋煮カレーうどんで二度美味しい!
さて鍋の具も汁も減ってきたところで……
ここからがまたお楽しみ!
カレールーを溶かし入れて、
そんでもって冷凍うどんをそのまま投入して……
こーだ!
【芋煮カレーうどん】に大変身!
これが、芋煮鍋のダシが効いて和風のカレースープになり、うどんによく合うんです。
うーん、1回の鍋で2度美味しい。
これから鍋の季節です。
ぜひ、東北地方以外の皆さんも『きのこたっぷり芋煮鍋』試してみてくださいね!
きのこたっぷり芋煮鍋、のまとめ
- 芋煮鍋は東北のソウルフード
- 地域ごとに材料や味付けが違い奥が深い
- 関東きのこの会流の芋煮鍋は牛肉ときのこと醤油味
すき焼きに似た味でスープも具も絶品でした!
鍋が余ったらカレーうどんにするとこれまた美味し。
ぜひお試しあれ。
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