マコモダケって名前からしてキノコでしょ。と思っていませんか?
関東きのこの会では、時折『マコモダケってどこに生えているの?』とお問い合わせをいただくことがあります。
ですが、実はマコモタケはキノコでは無いのです。
ということで、この記事ではマコモダケの正体と、キノコと合わせた美味しいレシピを紹介いたします。
マコモタケと菌の不思議な関係
”マコモ”はトウモロコシやサトウキビと同じイネ科の多年草で、水辺などに群生しています。
成長すると2メートルにもなる大きい植物で、日本全国に分布し中国や東南アジアでも生えています。
そのマコモの若茎が肥大すると食用となり、この部分をマコモダケと呼びます。
『マコモダケ』という名前から勘違いしてしまうこともありますが、キノコでは無く植物です。
マコモ茸じゃなくてマコモ筍だったんですね(漢字表記は真菰筍)。
ただ面白いのは、マコモダケが出来るまでには”菌”の働きが大きく関係しているということ。
マコモは黒穂菌(くろぼきん)に寄生されやすい特徴があります。
黒穂菌は農業では害菌とされ、トウモロコシや麦などに大被害をもたらしますが、逆にマコモダケにとっては欠かせない存在です。
マコモに黒穂菌が寄生することで若茎が肥大してきて、食べられマコモダケになるからです。
菌を食べるなんて大丈夫?!と思う人もいるかもしれません。
ただ、ちょっと思い出していただければキノコはそもそも菌類そのものだし、味噌や醤油、納豆やお酒も菌類の力を借りた食品です。
菌類だからって、全てを敬遠することはありません。
マコモダケの保存方法
そんなマコモダケは、地域差もありますが大体秋の9月から10月頃が旬。
収穫が遅れると茎の中に黒い斑点が現れ食味が落ちてしまうので、大きくなりすぎないうちに収穫します。
日本ではまだマイナー食材と言わざるをえませんが、中国や東南アジアではもっとポピュラーで、中華料理の食材にもよく使われています。
家庭で保存する場合は、乾燥しないように袋に入れてから冷蔵庫にしまってください。
マコモダケの生産者さんによると、冷蔵庫で1週間くらいは大丈夫とのこと。
普通、野菜は生えている状態で根元を下にして保存すると良いとされていますが、マコモダケの場合は逆に根元を上にして保存した方が鮮度を保つことができます。
マコモダケは生食可能!自然な甘みが美味しい
以前、千葉県立中央博物館で開催されたチバきのこ大祭に出店させていただいたことがあります。
その時、隣のブースでマコモダケを販売していたんです。
よく問い合わせをいただく食材で、マコモダケに興味があったので5本買ってみました。
鮮度がよければ生食も可能と教えてもらったので、一番若そうなマコモダケはキノコ大祭の会場で生でばりぼり食べてみました。
アク抜きも不要で、トウモロコシみたいな外皮を剥けばすぐ食べられます。
見た目から『ちょっと青臭いのかな?』と思っていましたが、意外に癖がなくて食べやすく、優しい甘みがあり美味しかったです!
最近屋台でパインバーとか売っていますが、あんな感じで食べ歩きグルメにしたら売れるのでは無いでしょうか。
マコモダケ×キノコのタケタケ定食 4種のレシピ
残ったマコモダケを使って、キノコと合わせたレシピを4種類作ってみました。
炊き込みご飯、お味噌汁、マヨネーズサラダ、炒め物の4種で、名付けてタケタケ定食です!
マコモダケとブナシメジの炊き込みご飯
《材料》(3~4人前)
- 米:3合
- マコモダケ:1本
- ぶなしめじ:1株(約200g)
- 薄揚げ:1枚
- 白だし:適量
《作り方》
- ①マコモダケは大きめの拍子木切り、薄揚げは小さめの櫛切り、ぶなしめじは石突きを切り落としほぐしておく。
- ②炊飯器に研いだお米と白だし(パッケージに表示されている分量)とお水を入れ、3合分に合わせる。
- ③マコモダケ、ぶなしめじ、薄揚をのせて炊く。炊きあがったら10分ほど蒸らして茶碗に盛る。
マコモダケとマイタケのお味噌汁
《材料》(3~4人前)
- マコモダケ:1本
- マイタケ:100g
- 薄上げ:1枚
- 水:600~800cc
- お味噌:適量
- 粉末ダシ:少々
- 小葱:適量
《作り方》
- ①マコモダケは銀杏切り、マイタケは一口サイズにほぐしておく。
- ②鍋に水を入れ、マコモダケ、マイタケ、薄揚げ、粉末ダシを入れひと煮立ちさせる。
- ③味噌を溶き入れ小葱を浮かばせて出来上がり。
マコモダケとブラウンエノキのマヨサラダ
《材料》(3~4人前)
- マコモダケ:1本
- ブラウンエノキ:100g
- シーチキン:1缶
- マヨネーズ:適量
- 塩コショウ:少々
《作り方》
- ①マコモダケは細切り、ブラウンエノキは石づきを切り落としほぐしておく。
- ②ブラウンエノキは軽く茹でて粗熱を取る。
- ③マコモダケ、ブラウンエノキ、シーチキンをマヨネーズであえて塩・コショウで味を調える。
マコモダケとエリンギのソテー
《材料》
- マコモダケ:1本
- エリンギ:100g
- 炒め油:適量
- 塩・コショウ:適量
- 小葱:適量
《作り方》
- ①エリンギ、マコモタケを薄い輪切りにする。
- ②フライパンでエリンギ・マコモダケを炒め、塩・コショウで味をつける。
- ③器に盛り付け小葱を振る。
マコモダケ×キノコのタケタケ定食 食べてみた
完成したマコモダケ×キノコのタケタケ定食4品がこちら!
マコモダケは見た目から、食感や味がタケノコに似ているのかな?と思っていたのですが、タケノコより優しい食感でしゃくっと噛み切れます。
そしてほんのり自然な甘みが感じられます。
炊き込みご飯やお味噌汁ではキノコの風味の方がよく出て、マコモダケの味は正直わかりにくかったです。
特に舞茸のお味噌汁、ダシが美味しい!(えっへん、さすがキノコ)
ただ食感はマコモダケに軍配が上がります。
固すぎず、柔らかすぎずのちょうど良い歯ごたえが旨い。
マコモダケを生で使ったマヨネーズのサラダは甘みと食感が活きてとても美味しかったです。
サラダはマコモダケの食べ方として強くおすすめします。
※生食する際は鮮度が良くて若いマコモダケを使いましょう。
マコモダケ、のまとめ
- マコモダケはキノコでは無くイネ科の多年草
- 黒穂菌(くろぼきん)の働きにより若い茎が肥大して食材となる
- マコモダケはアク抜き不要で鮮度が良ければ生食できる
- 優しい食感でほんのり甘みがありキノコと一緒に料理しても相性良し!