脳ミソみたいなきのこ『ノウタケ』を斬新な方法で食べてみた

脳ミソみたいなきのこ『ノウタケ』を斬新な方法で食べてみた

つゆきのこ(露木 啓)@関東きのこの会

つゆきのこ(露木 啓)@関東きのこの会

ノウタケというきのこをご存知ですか?

その名の通り、まるで『脳みそ』のような形をしたユニークなきのこです。

実は、私、以前からこのノウタケを見つけては、お味噌汁や炒め物に使っていました。

そんな中、先日YouTubeでノウタケを斬新な方法で食べている人を見つけたんです!

その一風変わったレシピに興味を惹かれ、早速真似して作ってみました。

今回は、ノウタケの変わった食べ方と、実際に食べてみた感想をレビューしたいと思います!

ノウタケとは

ノウタケは、夏~秋にかけて落ち葉の多い林内などに生えるきのこです。

幼菌時は白っぽく、老菌になるにつれだんだん褐色になってきます。

名前の由来は、ずばり『脳みそ

形が脳みそに似ていることからこの名が付きました。

確かに形と言いスジと言い脳みそっぽい。

一方で、成菌はコッペパンにも見えます。

『道端にパンが落ちてる!』と思ってよくよく見るとノウタケだったというのは、きのこ散策あるあるです。

ちなみに割った感触も中身もパンそっくり。

ノウタケの老菌は、刺激を与えると全体から黄色っぽい胞子を噴出します。

>ノウタケの老菌があったので、胞子を撒く手伝いをした時の様子

ノウタケは、幼菌時であれば食べることも可能です。

斬新なノウタケの食べ方をYouTubeで発見

先日、YouTubeでノウタケを斬新な方法で食べている動画を発見しました。

動画を投稿していたのは、『健啖隊(けんたんんたい)』の隊長さんという方。

なんと、ノウタケを酢醤油に1年間も浸けて食べるというのです!

キノコを採って食う ノウタケ|健啖隊 けんたんたい(YouTube)

こんなきのこの食べ方は聞いたことがありません。

衝撃です。

この動画を見た時から、私もぜひ試してみたい!と思うようになりました。

しかし、ノウタケを1つ2つ採ったくらいで、1年間も浸けるのはさすがに気が引けます。

結局、なかなか機会に恵まれず、試さずにいました。

ノウタケがたくさん採れた!

昨年の9月、近所の林内を散策していたところ、あちこちにコッペパンが落ちているような……いや、ノウタケがたくさん生えているではありませんか

収穫したノウタケ。

人の手のひらより大きいものもあります。

これだけあれば、隊長の食べ方を実践するチャンスです!

早速持ち帰って、動画を参考に再現してみることにしました。

ノウタケの酢醤油漬けレシピ

  1. ノウタケの石づきをハサミで切り落とし、半割にして中をチェックする。
  2. 中が白く、虫食いがないことを確認してから、水洗いして土汚れを落とす。
  3. 鍋に水を沸騰させ、金網に入れたノウタケを水に浸けないようにセットして、5分間蒸す。
  4. 蒸しあがったノウタケを冷ます。
  5. 醤油とお酢を1対1で割った液に蒸したノウタケを漬ける。
  6. 容器に密閉し、常温で最低半年、できれば1年以上漬ける。

このノウタケは白いけれど、虫食い後がひどいので止めておきました。

このように中が黄色いものは、成熟が進んでいるため食には向きません。

この状態ならバッチリ。

これで仕込みは完成です。

タッパー2つ分用意して、片方は半年漬けこみ用、もう片方は1年漬けこむことにしました。

なお、ノウタケはプカプカ浮くので、完全に液に浸かりません。

空気に触れる部分がカビてしまうのではないかと、ちょっと心配です。

半年間、酢醤油に漬けこんだノウタケを食べる

じっくり漬けられるノウタケ。

気になって時々タッパーの上からチェックしていたのですが、どうやらカビの発生は無さそうです。

そして、待ちに待った半年がようやく過ぎました。

それではいよいよノウタケの酢醤油漬けの実食です。

全体に醤油が染み込んで、やや黒っぽくなったノウタケ。

ちょっと縮んだかな?

特に嫌な匂いもしないので、腐ってはいないようです。

包丁でスライスしてみると柔らかいレバーみたいな感触です。

それでは食べてみます……が。

あれだけ食べたいと思っていたのに、いざ食べるとなるとかなり勇気がいります。

いくら醤油とお酢に漬けていたとはいえ、半年も経ったきのこは本当に食べられるのでしょうか?

生鮮の状態で比較的長持ちするキクラゲでも、せいぜい2週間です。

漂うお酢の匂いと、得体が知れない見た目。

恐怖がこみ上げてきます。

深呼吸をして、意を決して一口…...

う、酸っぱい!

最初口に広がるのは、お酢の強い酸味。

想像していた柔らかい食感とは異なり、ぎゅむぎゅむとした弾力があります。

酸味に慣れてくると、徐々に醤油とノウタケの旨味が感じられてきました。

なるほど、これはまさに珍味です。

腐敗臭のような嫌な味は一切なく、きのこがお酢と醤油の力で半年も保存できることに驚きです。

隊長の動画によると、漬けこみ期間が長くなるほど酸味がまろやかになり、より美味しいとのこと。

まだ1年漬け込み用のノウタケが残っているので、味に変化があるのか楽しみです。

今回のノウタケの酢醤油漬けは、正直に言って、まだ『美味しい!』と断言できるレベルではありません

ただ、可能性は十分に感じられたので、更なる研究を続けこの珍味の奥深さを探っていきたいと思います。

まとめ

  1. ノウタケは脳みそのような見た目のきのこ。またはコッペパンにも見える
  2. 幼菌時は食べることができる
  3. 蒸して半年酢醤油に漬けたノウタケは、強い酸味が特徴的な珍味

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この記事のライター

つゆきのこ(露木 啓)@関東きのこの会

”キノコ”といったら露木までっ! もともときのこ問屋の営業マンでしたが退職し、今はIT業界に勤めています。 ただ、それでサヨナラは寂しいので、キノコの記事を書いたり、YouTubeなどで情報発信することにしました。 きのこの歌も歌います♪ ≪関東きのこの会 代表/ライター≫ https://www.kanto-kinoko.com/home ≪ヨコハマきのこ大祭 実行委員≫ https://kinoko.yokohama/ ≪ポートフォリオサイト≫ https://tsuyukinoko.com/

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