
結論:DNSを変えても、回線そのものの速さ(Mbps)は基本的に変わりません。変わる可能性があるのは「ページが開き始めるまでの一瞬」だけで、環境によっては逆に遅くなることもあるんです。
「DNSを1.1.1.1に変えたら速くなった」という話は、SNSや掲示板でたびたび見かけます。設定画面を数回タップするだけで済むので、試したくなる気持ちもよく分かります。ただ、ここで一度立ち止まって考えてみてください。あなたが「遅い」と感じているのは、ページが表示され始めるまでの待ち時間ですか? それとも、動画が止まる・ダウンロードが進まないといった“流れる量”の問題ですか? この2つは原因がまったく別で、DNSが関係するのは前者だけです。この記事では、DNSが裏で何をしているのか、変更して意味がある場面とない場面、スマホとパソコンでの変更手順、そして変える前に知っておきたい落とし穴を順番に整理します。個別に質問できる窓口を記事の最後に載せています。
DNSは「住所録」であって、道路の太さではない
DNS(ドメインネームシステム)は、「tips.jp」のような人間向けの名前を、機械が通信に使うIPアドレス(数字の住所)に変換する仕組みです。ブラウザでサイトを開くと、まずDNSサーバーに「この名前の住所はどこ?」と問い合わせ、その答えを受け取ってから、ようやく本体のデータを取りに行きます。
ここがポイントです。DNSの問い合わせは通信を始める前の下準備で、一度答えを受け取ると、スマホやパソコン、Wi-Fiルーターがしばらくのあいだ結果を覚えておきます(キャッシュ)。そのため、よく見るサイトを2回目に開くときは、そもそもDNSへの問い合わせ自体が発生しないことも多いんです。問い合わせ1回にかかる時間も、一般的には数ミリ秒〜数十ミリ秒程度と言われています。
一方、速度テストアプリが表示する「下り◯◯Mbps」は、住所が分かったあとにデータがどれだけの量で流れてくるかを測った数字です。DNSをどこに変えても、この数字はほぼ動きません。「DNSを変えたら速度テストの数値が倍になった」というケースがもしあるなら、時間帯や電波状況など、別の要因が重なっている可能性が高いと考えた方が自然です。

たとえるなら、電話帳を引く速さが変わっても、電話がつながったあとの声の聞こえ方は変わらない、という関係です。DNSは「つながるまで」の話なんですね。
体感が変わる可能性があるのは、こんなケース
- 契約中のDNSサーバーが不調なとき:「Wi-Fiマークもアンテナも立っているのに、ページだけが開かない・開き始めが遅い」という症状は、DNSの応答遅延が原因の候補になります
- 1ページで多数のドメインを読み込むサイト:広告や外部画像が多いニュースサイトは、1ページで数十のドメインに問い合わせることがあり、DNSの応答差が積み重なりやすいです
- 古いWi-FiルーターのDNS中継が遅いとき:ルーターが問い合わせを仲介する仕組みのため、ルーター側の処理が詰まると開き始めがもたつきます
- 変わらないケース①:動画の画質が落ちる、アプリのダウンロードが進まない、オンライン会議の映像が固まる。これは回線の帯域や電波の問題です
- 変わらないケース②:一度開いたサイトの再訪問。キャッシュが効いているので、DNSを変えても差はほぼ出ません
- 変わらないケース③:データ容量を超えて最大128kbpsなどに制限されているとき。DNSの前に、通信の“量”そのものが絞られています
変えるならこの手順で(所要時間は2〜3分)
- Android(9以降):設定 →「ネットワークとインターネット」→「プライベートDNS」→「プライベートDNSプロバイダのホスト名」を選び、one.one.one.one(Cloudflare)や dns.google(Google)を入力。Wi-Fiにもモバイルデータにも効きます。メニュー名は機種によって少し違います
- iPhone:設定 →「Wi-Fi」→ 接続中ネットワークの「i」→「DNSを構成」→「手動」→「サーバを追加」で 1.1.1.1 などを入力。Wi-Fiごとの設定なのでモバイルデータ通信には効きません。モバイル通信にも適用したい場合は、構成プロファイルや各社のDNSアプリが必要です
- Windows 11:設定 →「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」(または「イーサネット」)→「ハードウェアのプロパティ」→「DNSサーバーの割り当て」の「編集」→「手動」で入力
- 代表的な公開DNS:Cloudflare(1.1.1.1 / 1.0.0.1)、Google Public DNS(8.8.8.8 / 8.8.4.4)、Quad9(9.9.9.9)。いずれも無料で使えます
- 元に戻す方法:どの端末も「自動」に戻すだけです。変更前の画面をスクリーンショットで控えておくと安心です

効果を確かめるなら、速度テストのMbpsではなく「よく使うサイトを5つ、同じ時間帯に開いて、表示されるまでの感覚」を変更前後で比べてください。差が分からなければ、無理に変えたままにしなくて大丈夫です。
ここに注意⚠️
- 公開DNSに変えると、動画配信などで「近くの配信サーバー」が選ばれにくくなり、かえって読み込みが遅くなる場合があります。配信サービスはDNSの問い合わせ元を手がかりに配信拠点を選ぶことがあるためです
- 携帯会社やプロバイダのDNSと連動しているサービス(有害サイトのフィルタリングなど)が、想定どおりに働かなくなる可能性があります。お子さんの端末は特に慎重に
- 通信そのものが不安定なときは、DNSでは直りません。楽天モバイルを含め、まずは機内モードのオン・オフや再起動、APN設定の確認が先です
- 会社や学校から支給された端末は、管理者が設定したDNSを勝手に変えないでください。社内システムに入れなくなることがあります
- DNS事業者には「どのサイトに問い合わせたか」が伝わります。使う前に各社のプライバシーポリシーに目を通しておくと納得感が違います

まとめると、DNS変更は「開き始めが妙に遅い」ときに試す価値がある小技で、遅さ全般の特効薬ではありません。まめ研究員としては、まず遅さの種類を見分けることをおすすめしたいです。ここまでで役に立ったと感じたら、拍手👏を1回もらえると励みになります。
💡 3つの申込ルート、どれが一番お得か
通信の遅さを見直していると、回線そのものの乗り換えを考える方もいると思います。楽天モバイルの場合、申込ルートには「従業員紹介」「三木谷キャンペーン」「通常の紹介キャンペーン」があり、還元額も適用条件もそれぞれ違います。さらに、2回線目の追加や過去に契約していた方の再契約だと、どのルートが向いているかの答えが変わる場合もあります。条件の違いは下記の解説記事に比較表つきでまとめているので、申し込む前に一度確認してみてください。

申込前の個別の疑問は、プロフィール記載のLINEでも受け付けています。
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次回は「速度テストの数字の正しい読み方」を取り上げる予定です。下り・上り・Pingのどこを見ればいいのか、整理してお届けしますね。この記事が参考になったら、拍手👏で教えてもらえると次の記事の優先度に反映できます。
