
結論:スマホ代は「通信費」でまとめて落とす項目ではありません。通信料・端末代・ポイント払い分の3つに割ってから考えるのが、いちばん揉めにくい形です。まめ研究員が線引きを整理します。
あなたが毎月払っているスマホ代のうち、何割を経費に入れていますか? この記事は、開業したばかりの個人事業主やフリーランスの方が、確定申告の前に通信費の区分でつまずかないための整理です。読み終わると、①どこまでが通信費という勘定科目なのか、②家事按分の割合をどう決めて、どう説明できる形にしておくか、③端末代とポイント払いをどう分けるか、の3点が自分の帳簿に落とし込めます。なお、個別の事情による最終判断は所轄の税務署か顧問税理士に確認してください。まめ研究員が書けるのは、一般的な考え方の整理までです。個別に質問できる窓口は、記事の最後に載せています。
通信費に入るもの、入らないもの
通信費は、事業のために使った通信手段の費用をまとめる勘定科目です。国税庁が案内している区分でも、電話料金・インターネット接続料・切手代・はがき代などがここに該当します。実務では、スマートフォンの月額料金、自宅の光回線、レンタルサーバー代あたりが通信費に集まってきます。宅配便の送料は荷造運賃として別に立てる方も多く、このへんは事業の中身で決めて構いません。
一方で、同じ楽天モバイルの請求書に載っていても、通信費に入れてはいけないものがあります。端末の分割代金です。これは通信サービスの対価ではなく、モノを買った代金なので、金額によって消耗品費または減価償却資産として扱います。請求が一本化されているぶん見落としやすく、開業1年目でいちばん多いつまずきどころです。

勘定科目の名前そのものには、実は厳密な正解がありません。大事なのは、一度決めた分類を年度の途中で変えないことなんです。去年は通信費、今年は雑費…と揺れると、前年比較ができなくなって自分が困りますからね。
家事按分の割合を、説明できる形で決める
プライベートと兼用の1回線を経費にする場合は、事業に使った分だけを抜き出す「家事按分」が要ります。根拠になるのは所得税法施行令第96条で、業務の遂行上必要であり、その必要な部分を明らかに区分できる場合に必要経費へ算入できる、という趣旨の規定です。ポイントは「明らかに区分できる」のところ。感覚で50%と書くのではなく、あとから説明できる数字の作り方をしておきます。よく使われるのは次の考え方です。
- 稼働日数で割る:週5日稼働なら 5÷7=約71%。月3,278円の無制限プランなら 3,278×0.71=約2,327円、年間で約27,900円が経費側になります
- 使用時間で割る:起床している16時間のうち8時間が仕事なら50%。在宅と外出の比率が安定している方はこちらが説明しやすいです
- 通信量で割る:My楽天モバイルなどのアプリで月間データ使用量を確認し、業務利用とプライベート利用の内訳を出す方法。ただし毎月記録し続けられないと途中で破綻します
- 通話明細で割る:発信件数のうち取引先が何件か。通話が business の中心にある方には、最も納得感のある基準です
- 回線数で割る:2回線持って1回線を事業専用にすると、その回線は按分せず全額を通信費にできます
- 決めた基準と計算式をメモに残す:表計算ソフト1枚で十分です。翌年も同じ基準で計算し、割合を変えるときは理由も書き添えます
端末代・ポイント払い・インボイスの扱い
ここからは、毎月の請求書を3つに割る作業です。通信料はそのまま通信費、端末代は取得価額で判定、ポイント充当分は支払額から差し引く。この3本立てを覚えてしまうと、毎月の記帳が機械的に終わります。
- 通信料(Rakuten最強プランは3GBまで1,078円、20GBまで2,178円、それ以上は3,278円/いずれも税込)→ 通信費に按分率を掛けて計上
- 端末代が10万円未満 → 消耗品費として、購入した年に按分後の全額を計上できます
- 10万円以上20万円未満 → 一括償却資産として3年で均等償却する選択肢があります
- 30万円未満 → 青色申告者なら少額減価償却資産の特例で全額を経費化できます(年間合計300万円が上限)
- 分割払いの端末代 → 買った年に取得価額で処理し、毎月の支払いは未払金の返済として扱います。24回払いだから24回に分けて経費、ではない点が要注意
- ポイントで払った分 → 実務では値引きとして扱い、その分だけ経費計上額を減らす処理が一般的です
- インボイス(適格請求書)→ 課税事業者で仕入税額控除を取るなら、登録番号(Tと13桁の数字)入りの請求書を保存しておきます

質問がいちばん多いのが、端末の分割払いです。買った時点で全額を判定して、あとの支払いは借りたお金を返しているだけ、と考えると整理しやすいですよ。経費になるタイミングと、お金が出ていくタイミングは別物なんですね。
ここに注意⚠️
- 按分率だけを高くしても、根拠がなければ説明できません。80%や90%を出すなら、事業専用に近い実態が要ります
- 家族名義の回線を自分の経費にするのは筋が悪いです。契約者と支払口座を事業主本人に揃えておくと、話がずっと簡単になります
- 帳簿や請求書の保存期間は、青色申告の帳簿・決算関係書類が原則7年、その他の証憑が5年です。ウェブ明細は表示期間が限られるので、毎月PDFで保存しておくのが安全です
- ポイント還元を節税と数えないこと。ポイントは支払額を下げるだけで、経費が増えるわけではありません
- ここに書いたのは一般的な取り扱いです。事業の実態によって結論が変わる論点なので、金額が大きいときは税理士に一度確認してください

通信費の区分でもめる原因は、ほとんどが「請求書を分けていない」ことにあります。逆に言えば、通信料・端末代・ポイント分の3つに割るだけで、悩みの大半は消えます。ここまでで役に立ったと感じたら、拍手👏を1回もらえると励みになります。
💡 3つの申込ルート、どれが一番お得か
事業用に回線をもう1本増やそうか検討している方向けに、申込ルートの話もしておきます。楽天モバイルには「従業員紹介」「三木谷キャンペーン」「通常の紹介キャンペーン」という複数の入り口があり、還元の内容も適用条件も同じではありません。ややこしいのは、2回線目や、過去に契約したことがある再契約のケースで、対象になるかどうかの答えが変わる点です。個人事業主の方は事業専用として2回線目を作るパターンが多いので、ここは申し込む前に確認しておいた方がいいところですね。ルートごとの条件の違いは、下の解説記事に整理してあります。

申込前の個別の疑問は、プロフィール記載のLINEでも受け付けています。
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次回は、事業用と私用で回線を分けるときの、2回線目の選び方を取り上げます。この記事が参考になったら、拍手👏で教えてもらえると次の記事の優先度に反映できます。
