開発演習の初日、
チームごとのキックオフを見て回っていたときのことです。
あるチームの前に立ったら、
空気がお通夜のようになっていて、
何から手をつけるかの行動指針が出てこない。
声が出ないまま、
時間が過ぎていく感じでした。
少し介入して、
正解を出す前に、
まず思いついたことを一度並べてみよう
と勧めました。
そこから、
そのチームは少しずつ動き始めた。
別のチームは、
同じキックオフでも早々にスケジュールを立て始めて、
話も滞りなく進んでいく。
もう一つは、
余裕を持たせて進めようとしていました。
同じ初日の同じ時間帯でも、
立ち上がりの空気はずいぶん違ったのです。
面白いのは、
この最初の違いが、
そのあともずっと残っていったことでした。
案が出せずお通夜だったチームは、
そのあとも全員で相談してから進む形が中心になりました。
認識のズレは少ない代わりに、
意思決定には時間がかかる。
早く動き出したチームは、
走りながら試す進め方が最後まで続いて、
その速さは強みでしたが、
設計を後回しにした部分が後半に課題として出てきました。
立ち上がりで見えた色が、
そのまま進め方の色になっていた、
とも言えます。
いま振り返ると、
キックオフの最初の空気は、
そのチームがそのあと相談したり共有したりするときの、
下地のようなものになっていた気がします。
最初に声が出しやすかったか。
案を並べていい場だと感じられたか。
そこが、
後半の聞きやすさや共有のしやすさに、
静かに効いていた。
立ち上がりの空気づくりは、
つい後回しにされます。
作業の割り振りが先で、
雰囲気はおいおい、と。
けれど、
最初に声が出しにくかった場は、
あとから急に話しやすくはなりません。
一度「黙っていた方が無難だ」という空気ができると、
それを塗り替えるのは、
最初に作るより難しくなる。
だからチームや後輩の立ち上がりを見ていると、
最初の短い時間に少し手をかける値打ちがあるな、
と思います。
相談が遅い、
共有が薄いと感じたとき、
本人たちの積極性を見る前に、
最初の場で声が出せていたかを思い返してみる。
入口の空気が、
あとの動きを決めていることは、
案外多いのだと思います。
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