- 『やけに予防線を張ってくる』
- 『責められるとすぐ言い訳する』
- 『具体的な"相手の取り分"を何にも言えない』
もしも皆さんの周りにそんな方が居ましたら、要注意。
当人に悪気があるか否かはおいといて、とはいえ『ウソを吐く人間』と一緒に行動するのはとても辛いもの。
今回の記事では「うまく言えないけど、何だか違和感のある人の見分け方」について解説です。
ヒントは『長期的な目線があるのか否か』。それではどうぞ。
【前提】◾️『自分』『相手』『組織』『業界』は"Vs"の関係にない。
例えば、試しに『飲食店』をイメージしてみましょう。
ここでは色んな方々が『業界』に存在します。
「自分の納得」の為に戦う料理人。「お客様の笑顔」の為に頑張るウェイトレス。「お店の運営」の為に苦労する経営者。そして「業界の信用」を守る為に孤独な監査役。
誰も彼もが「誰一人も欠けてはならない」事には納得出来るけど、とはいえそれぞれの請け負った『ポジション』によっては"時たま意見が食い違う"事はあるでしょう。
- 『料理人』としては『至高の料理』の為に"提供時間"や"コスト"や"常識"を無視したり。
- 『ウェイトレス』としては『お客様の幸せ』の為に"調理負担"や"属人性"や"過度なサービス量"をミスしたり。
- 『経営者』としては『従業員の生活』の為に"コストカット"や"マニュアル化"や"尖り過ぎた差別化"に走ったり。
- 『監査役』としては『業界の発展』の為に"衛生管理"や"身だしなみ“や“消費期限“の確認に目を光らせる。
当然、「自分と異なる尺度」を持っている部署とはしばしばケンカになります。
なりますが、コレって別に『相手を否定するもの』ではなくて…
むしろ『相手の活動を継続させる為に』の視点で考えると、どれもこれもが実は『真っ当な指摘』だとわかります。
もしも『料理人』の意見が強くなりすぎると「料理が一向に出てこない」「幾ら売っても給料が賄えない」「オリジナル過ぎてお店が認知されにくい」といった問題が増えますし、仮に『経営者』が強いと「どんどん均一で安っぽいチェーン店に成り下がる」とかもありえます。
大事なのは『全体のバランスを整える』事で、間違っても『声の大きい何処か1箇所の言いなりになる』を選んではいけません。
それが赦されるのは、「本当にその才能が“圧倒的“過ぎて代えが効かない場合」位でしょう。結果的に「だからこそ、関連の競合を全て無視出来る」のならやる価値はありそうです。※それでもお金の問題が解決するならば、ではありますが。
そういう訳で『自分のポジションにケチが付く』のは決して悪い事ではありません。
むしろとても健全な、大事な大事な『クオリティチェック』の機会を(この年になっても)受け取れる事に感謝する方がより合理的。
一度失えば、もう2度と『軌道修正』の機会は倒産するまで得られないのが普通です。
“怒られている内が華“とはよくいったものですね。
さて。
では何故“ごく一部の人間“が『自分は業界の為に働いている!!』と声高々に自己主張(という名の保身)を図るかというと…
おそらく彼らは
【問題】◾️①『監査役』こそが1番嫌われやすい事に気が付いていない。
これが大きな原因ではないかな、と。
というのも、何故(くだらない)『保身』に走るかといえばそのまま『身を保つ』為であり、では何から身を保つのか、といえばそれは『所属している組織に排斥されない為』だと私は考えます。
それは「安心出来る職場ではない」為か、あるいは「己のエゴを貫く」為か、いっそ「自分が人よりも“高い視座“で考えている事をアピールして、(本来仲間たちである筈の)同僚にマウントをとって安心したい」という裏切りか。
『身内殺し』は組織にとって最大の禁忌の筈ですが、もしかすると彼らはおそらく相当に頭が悪いのかもしれません。(コレこそが組織から追放される1番真っ当な理由です)
ただ実際には『チェック項目が"業界の為に"リストにすり変わるだけで“批判"の数は結局変わらない』と同時に、『自分の担当部署を空白にした結果、誰も現場をチェック出来ない。』というエラーが多発。
『料理人』が「料理のクオリティアップ」をサボったら当然お店は潰れ、『ウェイトレス』が「顧客の笑顔」を後回しにしたら顧客は離れ、『経営者』が「利益」を度外視したらオママゴトとして破綻して、『監査役』が「品質確認」を見落とせば“業界自体の信用"がまとめて吹っ飛びます。
このように、『己の担当』と『適切な評価軸』を勝手にズラした場合には他者のチェックによる『予防』が叶いません。
本来の店舗内のバランスが崩れてしまい、折角の『1:1:1:1』で健全に互いをチェックしていた関係がいつしか『0:1:1:2』に偏り始め、当然ながら数が増えた"業界の為にチーム"だけで馴れ合いが発生し、相対的に少数である「顧客の為に」「組織の為に」チームからのフェードバックが(数の暴力で)封殺されることが予想出来るので…
それは結果的に店舗内のチェックバランスが最悪の『0:0:0:4』にまで偏る異常事態になりそうです。
そしてその頃にはとっくに"業界の為に"を掲げる『監査機関特化型の店舗』のカタチにになってしまうので、コレでは「全くプロではない者が他店の批判ばかりをヨシとする最悪のアマチュア集団」にまで店舗のクオリティがまとめて落ちるかと。
加えて厄介な事に(とても健全な)『料理人チームへの批判』が、しかし彼の勝手な尺度変更によって『料理への批判🟰自分への批判🟰業界への批判🟰批判者を追放して良い理由』に(とても不当に)すり替えられる可能性が非常に高い。
そうなると「なぜか自分は誰にも褒められないし愛されないけれど、それはきっと私が"業界の為に"身を粉にして働いているせいだ!」(だから仕方ない!)と開き直る過ちが加速して…
結果的に『私が追放されたのは、私だけが真に"業界の為に"を貫いたからだ!』と(誤った)正義を抱えるので『本業の"料理"へのフィードバックから目を逸らしたからプロとしてのクオリティが単純に落ちたのだ』と気付く機会は2度となく。
いざ『業界の為に』を生業として行なってきた方々が"如何に批判に対して誠実に向き合い続けて来たのか"を知った時に、ようやく初めて己の"業界の為に"が「ごっこ遊び」だった事に気がつくのではないかなぁ…
というのが私の考えです。
また、次に見落としていそうなのは…
【問題】◾️②『業界の為に』の活動費は『業界』から貰うべき。
当然ながら『自社で抱える監査機関』はそもそも『自社が存在していないと自社からの仕事を失う』のであまり健全な仕組みとは言えません。
同様に、『組織内で"業界の為に"を宣言する』という事は転じて『"業界の為"という正義を満たしていないと、所属の組織を正義の為に切り捨てる可能性』を露骨に組織に匂わせます。
しかしこれは『自身の活動費を既に組織外にて確保している場合』のみに実現可能なケンカであって、結局最後の最後で『組織からやっかまれるリスク』を考えると『組織内から己の活動費を頂いている状況』には大きな矛盾が生じます。
『フェアな監査が行われる保証がない』のに『組織から監査費用を勝手にせしめる』という理不尽はあってはなりません。
それどころか場合によっては、『業界の発展の為に、組織内の機密をばら撒いてテクノロジーを発展させる』または『業界の維持の為に、業界全体を脅かしかねない新たなテクノロジーを封殺する』、はたまた『業界の利益の為に、店舗で行われれている不正をわざわざ見逃す』などという正当化もある意味では"業界の為に"と勝手にこじつける事も可能です。
そして当然、こういった『業界の為にならない独善』は…コレまた当然『業界』から正当な活動費を獲得する事は出来ません。(本来は)
よって「正当に"業界の為"になる行い」を誇るなら、それこそ真っ当に「業界」に掛け合って「正当な報酬」を業界から受け取るべきです。
でありながらこうして『組織内の活動費のみで"業界の為に"を私的に行う矛盾』が起きたならそれは"ウソ"。
どうしても続けるならば『個人の収益』で"己の為に"を戦うか、あるいは『依頼料』稼ぎで"顧客の為に"を貫く方がホントウです。
既にある程度の規模感がある"業界"ならば、尚更"業界"から収益が発生していないのはつまり『私的な監査』は"業界には不要"という事実に他ならず。
そういう訳で"業界の為に"を声高に自己主張する方(無給)は実は「業界全体のブランドイメージを下げている」のであまり活動されて欲しくないなぁ…と(業界側に)思われているのかもしれません。
コレは流石に仕方ない。
そして、最後に。
【問題】◾️③国内事業で『守ってくれる業界』は一つもない。
何故なら結局、あらゆる業界は最終的に「民衆に必要とされている規模」に落ち着くからです。
国産のお米でも「日本人口が10分の1になる」ならもう「お米を作っているだけ」では保護出来ず、古くからの伝統産業でも「その他の新作娯楽に負ける」と代替されて、もっと言えば「日本語」を用いている時点でいずれ日本の公用語が『英語にすり替わる』可能性が非常に高い。
コレは既に観光地で起きている現象ですね。(ニセコや熊野古道)
そう考えると"業界の為に"アピールを繰り返しても当然(日本向けの産業には)「対価として保護する力」は残ってなくて、これを打破するには『圧倒的な熱量』を以って業界自体を"世界戦でも戦える規模"に強引に持っていく位でないと真に"業界の為に"とは言えません。
よって『本当に業界の為に戦っているか否か』を測るためには『海外に向けて打ち出す気があるのか否か』で確認するのが確実だと私は考えます。
それは何も「直接海外に営業を掛けられるか」だけでなく、「海外に向けて戦っている会社に就職している」或いは「その会社をサポートしている」はたまた「才能のあるプレイヤーを応援している」位で十分に構いません。
何故なら結果的に『業界の代表者が海外に通用している』事が分かれば、今までの国内戦の人口減少を一気に引き離して『業界全体への参加人数』が世界規模で増えるので、それこそが最も効果的な『業界の為に』を盛り上げる為の"真の活動"として認められるに違いなく。
そうなれば今までの「"業界の為に"を名乗りながら実は"自分の安全"を守りたかっただけのニセモノ」は単純な実力差で勝手にいなくなっている事でしょう。
大分厳しい事を書きましたが、何とか『ニセモノのテイカーに付き合わされる被害』と自然に距離を離せる手助けになれれば幸いです。
◾️まとめ。
- 『自分の専門から目を逸らしていないか』
- 『組織から排斥されるリスクに備えているか』
- 『海外に向けて打ち出す姿勢があるか』
この辺りを確認すれば(自称の)"業界の為に"が本心か否かがわかるかと考えます。
どうか「いざとなれば"業界"に匿って貰おうとしている卑屈なテイカー」にお気を付けください。
ではまた。