ポジションを持っていない日も、5分おきにチャートを開いている。朝9時台は「見ない時間」を先に決める

 ポジションを持っていない日も、5分おきにチャートを開いている。朝9時台は「見ない時間」を先に決める

仲値トレーダー

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パソコンを閉じます。 5分後には、スマホで同じチャートを開いています。 ポジションは持っていません。

先に結論を書きます。 見る回数を減らした組のほうが、 最後の手取りが多かった実験があります。 我慢の話ではありません。開いた回数の話です。

今日は、見ない時間の作り方を書きます。 海外の実験を4つと、日本の数字を1つ並べます。 そのうち2つには、同じ結果が出なかったという報告も付けます。

1.見る回数を減らした組のほうが、手取りが多かった

では、少しずつ説明していきます。

オランダの大学の研究者、 グニージー氏とポッターズ氏の実験です。 学生84人を2つに分けました。

片方は1回ごとに結果を見せます。 もう片方には、3回まとめてしか見せません。 賭ける金額も3回まとめて先に決めさせます。

すると、出す金額の割合が変わりました。 1回ごとに見た組は100のうち50.5。 3回まとめの組は100のうち67.4です。 1.33倍の差になります。

もっと大事なのは、最後の手取りでした。 1回ごとに見た組は平均1,822銭。 まとめて見た組は平均2,134銭です。 まとめて見た組が17.12%多い。

つまり、腕は同じです。 変えたのは、見せる回数だけでした。

ちなみに、この形は毎回出るわけではありません。 ドイツの研究者クロース氏が、 同じ結果の出ない実験を集めて調べています。 最後の成績を先に見せる形にすると、差が消えました。

なので、「見なければ勝てる」ではありません。 見る回数が判断を変える、というところまでです。

2.負けた日ほど見ない人と、負けた日ほど見る人

次は、実際の口座の記録です。

アメリカの研究チーム、シカーマン氏らの調べです。 年金口座に入った回数を、2年ぶん毎日数えました。

相場が下がったあと、入る回数が9.5%減ります。 10回のうち1回ぶんが消える計算です。 つらい数字から、人は目を離します。

ところが、逆の結果もあります。 イギリスの研究チーム、ゲルジ氏らの調べです。 こちらは、上がった日も下がった日も 口座に入る回数が増えていました。

同じ「見る回数」なのに、向きが反対です。 気にしやすい人ほど、多く見に行っていました。

つまり、見る回数は勝手には減りません。 減る人と増える人がいます。 だから、自分で先に決めておくしかない。

3.画面に損益を出した日から、切り方が17%変わった

では、見えるとどうなるかです。

中国の証券会社が、取引画面を作り変えました。 買った値段と、いまのプラスマイナスを出します。 文字の色も、プラスとマイナスで分けました。

アメリカの研究者フリドマン氏とワン氏が調べています。 画面を変えたあと、 プラスを早く切ってマイナスを抱える癖が17%強まりました。

腕は変わっていません。 手法も変わっていません。 画面に数字が出ただけです。

MT4やMT5でも同じことが起きます。 建玉の欄には、いまのプラスマイナスが出ています。 開いた回数だけ、その金額が判断に入ります。

日本の公開データも並べます。 2026年8月の店頭FXです。 1か月の出来高は825兆7,164億円。 月末に残っていた建玉は12兆1,641億円でした。

割り算すると67.88倍になります。 持っている量の67.88倍が、1か月で入れ替わっている。

8月の平日は21日です。 1日あたりにすると3.23回。 つまり、同じ量が1日3回以上入れ替わっています。

これは長く持った結果ではありません。 開いて、触って、また開いた結果です。

4.机の上のスマホと、2分おきの割り込み

ここは短く2つだけ書きます。

アメリカの研究チーム、ウォード氏らの実験です。 学生を3つに分け、スマホを別の部屋、 カバンの中、机の上に置かせました。

電源は切ってあります。 それでも、机の上の組がいちばん点数を落としました。 見ないように我慢することが、頭を使っていたわけです。

もちろん、反対の報告もあります。 2022年に同じ手順でやり直した研究では、差が出ませんでした。 なので、断言はしません。 ただ、置き場所はタダで変えられます。

もう1つは、割り込みの実験です。 アメリカの研究者マーク氏らが、48人で試しました。 メールに返信する作業を、2分おきに電話で止めます。

かかった時間は22.77分から20.31分に減りました。 止められたほうが2.46分速い。 ところが、疲れの点数は6.92から9.46へ上がります。

つまり、人は割り込みを速さで埋めます。 埋めたぶんは、そのまま疲れに回ります。

5.見ない時間の作り方

では、実際のやり方です。3つだけです。

1つめ。見る時間ではなく、見ない時間を書きます。 「朝だけ見る」ではなく「それ以外は開かない」 この形で、紙に1行だけ書きます。

2つめ。スマホを別の部屋に置きます。 カバンの中ではなく、別の部屋です。 ウォード氏の実験で差が出たのは、この2つの間でした。

3つめ。1回ごとの結果を見ないで、5回ぶんまとめて書きます。 グニージー氏の実験で変えたのは、ここだけでした。 ノートに5行ずつ線を引いておきます。

どれも、腕を上げる話ではありません。 開く回数を減らすだけです。

6.見すぎて崩したときの、私の型

今日は3つ並べます。どれも開きすぎた日の話です。

  1. 決着したあとに、もう一度開いてしまう  取れた日ほど開きます。そして、もう1回入ります。
  2. ポジションがないのにスマホを触る  見るだけのつもりが、注文の画面まで進んでいました。
  3. 値段ではなく金額を見て切る  建玉の欄の数字で切ります。切る場所が毎回変わりました。

3つとも、我慢が足りないのではありません。 開いた回数が多すぎただけでした。

7.まとめ

今日の数字を、3つだけ置いておきます。

  1. まとめて見た組のほうが、手取りが17.12%多かった
  2. 画面に金額が出ただけで、切り方が17%変わった
  3. 割り込まれた人は速くなるが、疲れは6.92から9.46へ上がる

ただ、次の場合は当てはまりません。 いまポジションを持っていて、損切りを置いていないとき。 このときは、見ない時間より先に損切りを置いてください。

今日は、紙に1行だけ書きます。 「今日、チャートを開かない時間」 書くのは、それだけでOKです。

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ただ、見ない時間を1人で守ろうとすると、 別の壁が出てきます。

1つめ。時間を決めても、 開く理由は毎回思いつきます。

2つめ。開いていない間に何が起きたか分からず、 あとで長く見てしまいます。

3つめ。見る時間を短くすると、 判断の材料まで一緒に減ります。

ここも、集中力の差ではありません。 開かない時間を毎日おなじ形で守る。 この作業そのものに手間がかかるからです。

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この記事のライター

仲値トレーダー

朝9時台のドル円・仲値トレードを実践・検証。早入り、追いかけ、感情トレードを減らすため、時間・環境認識・見送り条件を発信。裁量ルールのEA・インジケーター化にも挑戦中です。手法と実践記録は固定記事へ

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