医療法人香華会・九州再生医療センター　アーティストのGackt（ガクト）さんも治療！？ 

国内有数の再生医療クリニックとして知られているのが、福岡市にある医療法人香華会・九州再生医療センターではないでしょうか。少し前にアーティストのガクト（Gackt）さんがこの九州再生医療センターで難病の治療を受けたと発表され、ニュースにもなりました。

再生医療は人間が持っている再生する力、つまり自然治癒力を活用する医療技術です。転んで膝を擦りむいた時、そのままにしておくと、流れていた血液が凝固して、かさぶたができていきます。しばらく日が経つとかさぶたがなくなり、皮膚が再生されています。これがヒトのからだにある「再生力」です。「再生医療」はこの再生する力を活用する医療技術だと言えます。

今回のNewsBizは香華会・九州再生医療センターが行っている再生医療について調べてみました。

香華会・九州再生医療センターが掲げる理念

再生医療は注目されている最先端の医療技術です。この医療技術を使い、患者さんの治療に取り組んでいるのが香華会・九州再生医療センターです。同センターは再生医療に取り組む理念を公式サイトに掲げています。

再生医療を安全に再生医療を現実に今まで治療が困難であった疾患を、誰もが持つ
「再生する力」を活かして患者様と共に道を拓きます。
出典：九州再生医療センター公式サイト

「再生医療等安全確保法」を遵守し、再生医療（幹細胞治療）を「安全」に患者様へご提供し、またより治療効果を向上させる為、クオリティの高い幹細胞を製造できる「細胞培養加工施設」をセンター内に併設しており、さらに再生医療専門のリハビリセンターを完備する「総合再生医療センター」となります。出典：九州再生医療センター公式サイト

香華会・九州再生医療センターのウエブサイトでは同センターを「総合再生医療センター」として紹介しています。

ではそこで行われている最先端の医療技術による治療、「再生医療」というのは一体どんな治療方法なのでしょうか。

再生医療とはどんな治療？

「再生医療」という言葉が話題となって、多くの人が知ることとなったのは京都大学の山中伸弥教授らが2006年8月、世界で初めてiPS細胞の作製に成功し、2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した時でした。なぜこのiPS細胞の作製が話題になったのか。それはiPS細胞の作製で再生医療の技術が一気に進むことになったからです。

「再生医療」は例えばダメになってしまった自身のからだの臓器をもとに戻すような治療となります。自分のからだから幹細胞という特殊な細胞を取り出して増やしていき、目的とする組織や臓器などにしてから、自分のからだに移植するという治療はその一つの方法だといえます。

九州再生医療センターでは「再生医療」を次のように紹介しています。

人のカラダには、損傷したり弱ってきた部分を修復しようとする働きが備わっています。幹細胞を利用した再生医療は、この修復しようとする幹細胞の働きを何十、何百万倍にも増幅させて、ダメージを受けた血管や機能不全になった臓器に集中的に働きかけ、機能回復をすることで、本来カラダがもっている正常の機能に再び戻すこと(再生)を目的とした医療です。 出典：“幹細胞”を利用した医療“再生医療”（九州再生医療センター公式サイト）

この香華会・九州再生医療センターでは具体的にどんな治療が行われているのでしょうか。

香華会・九州再生医療センターが取り組んでいる「再生医療」

香華会・九州再生医療センターの診療科目として挙げられているのは10科目です。

では具体的に一つ一つを見ていきましょう。

脳血管障害

幹細胞を投与することで、傷ついた血管の修復や新しい血管の新生を促し、血流の回復や炎症の抑制により、脳血管障害の症状改善を目指す治療方法です。

脊椎損傷

脂肪由来幹細胞の投与により、一度傷つくと二度と元には戻らないと言われてきた脊髄の神経組織の損傷を修復し、症状の改善を図る治療方法です。
変形性関節症

ひじ・ひざ・関節痛に対する自己脂肪由来幹細胞を用いた局所注射法です。根本的に困難と言われてきた変形性関節症の症状の改善が期待できます。
糖尿病

不可能とされてきたヒトβ細胞の再生で糖尿病の根本治療を目指す再生医療です。インスリン抵抗性を改善する効果が期待できます。
肝障害

再生医療を用いることで免疫拒絶を伴わないことが考えられます。肝移植を補う非侵襲的な治療法として再生医療が期待されています。
スポーツ外傷

アスリートの早期回復を目的とした再生医療です。関節内に幹細胞と同時にPRPも注入することによって、治療の効果を最大限に引き出します。
慢性疼痛

脂肪由来幹細胞の投与により。治療後も慢性的な痛みを引き起こす炎症を抑え、傷ついた組織を修復することを目的とした治療方法です。
勃起不全治療

脂肪由来幹細胞の投与により、加齢や生活習慣病で硬くなった血管を修復し。勃起機能の改善を行います。
幹細胞による美容治療容

再生医療で本来の美しさと健康を。最新のテクノロジーと幹細胞培養美容液を使って、すべての肌タイプと年齢層に最適な幹細胞による美容治療を治療をご提供します。
毛髪AGA

脂肪由来幹細胞の投与により、副作用のリスクを回避した毛髪組織の根治治療を実現。出典：香華会・九州再生医療センターWEBサイト

いかがでしょうか。香華会・九州再生医療センターで行われているのはこのような再生医療になります。

香華会・九州再生医療センターで行われている治療、具体的には？

香華会・九州再生医療センターで行われている治療、具体的には次の二つの治療になります。

自己脂肪由来幹細胞治療

治療方法の一つは【自己脂肪由来幹細胞治療】と呼ばれるものになります。自己脂肪由来幹細胞治療は国内外のさまざまな医療研究機関によって、その効果やメカニズムが研究されています。この治療方法は幹細胞を体の外で培養し、一定の量まで増やして、患者さん本人の体に戻すというもの。現在、最も注目されている最先端医療技術の一つだと言えるでしょう。

PRP(多血小板血漿)療法

香華会・九州再生医療センターで行われている再生医療による治療のもう一つは「PRP(多血小板血漿)療法」と呼ばれる治療です。この治療方法はもしかすると聞いたことがある人がいらっしゃるかもしれません。スポーツニュースなどで取り上げられたことがあるからです。アメリカのメジャーリーグや日本のプロ野球で活躍されている選手が以前、受けたことから話題になった治療です。

このPRP(Platelet-Rich Plasma＝多血小板血漿)というのは、患者さん自身の血液を遠心分離にかけて血小板を抽出したもの。血小板を濃縮した液体です。PRPには新しい組織や細胞の成長を促す栄養素が豊富に含まれているといいます。

香華会・九州再生医療センターのウエブサイトではこの治療法を以下のように紹介しています。

PRP療法は患部にあえて小さい傷を作り、治癒(修復)することを怠り慢性化してしまった患部を「新しい危機」の状態に戻すのです。そして血小板の修復させる作用を利用し高濃度にした血漿(PRP)で修復能力を高め、自分の治癒能力で根治しようという考えのものです。出展：PRP(多血小板血漿)療法（九州再生医療センター公式サイト）

香華会・九州再生医療センターにあるのは国内トップクラスのCPC(細胞培養加工室)

再生医療では幹細胞を取り出し、増やし、その細胞を治療に利用します。つまり、幹細胞の培養技術がカギとなります。香華会・九州再生医療センターには国内トップクラスのCPC(細胞培養加工室)があります。そこには大きく二つの特徴的な技術があるそうです。

一つ目は「幹細胞の高い生存率」。培養した幹細胞は生きているものを投与しないと意味がありません。生存率が高いほど、身体に定着しやすくなるといいます。二つ目が「幹細胞の大きさを選定技術」。幹細胞を増やすだけではなく、血管の中をスムーズに動ける大きさのものを選定する必要があるということです。

香華会・九州再生医療センターにはリハビリ施設も

幹細胞治療は痛みや損傷の源に働きかけるというものですが、それだけではなく、リハビリプログラムを加えることで、一度衰えた筋力の回復を目指すことでより効果が上がると、香華会・九州再生医療センターでは考え、リハビリ施設である九州再生医療リハビリセンターを置いており、クリニックとの連携をとっているそうです。こうした取り組みで、治療からリハビリまで、回復を目指す一貫した流れを提案されています。

総合再生医療センターとも呼ばれる九州再生医療センターの大きな特徴がこのリハビリ施設でしょう。ここでは幹細胞の学習と定着を目指すリハビリプログラムが行われています。同センターのリハビリプログラムは「共有（カウンセリング）」「学習（リハビリ）」「定着（自主トレ指導）」を繰り返し行うことによって、機能改善を目指すというものです。

このリハビリセンターはウエブサイトによると次のように説明されています。

日常生活への支障や疾病による後遺症を抱える方々は、症状の違いはもちろんのこと、生活背景から、リハビリに耐えられる体力のレベル、求める生活のあり方、人生の目標など、人の数だけ異なる背景をもち、人の数だけ異なる希望の実現をリハビリに求めています。
私たちが目指すのは、そんなお悩みを抱えるご本人そしてご家族の方々が「ご自身の生活の豊かさを追求できる」社会です。
他にはないさまざまなメニューを組み合わせ、ひとりひとりに合わせたオリジナルリハビリメニューを完全マンツーマンで実施することで、目標に向けた着実な改善へのステップアップを目指します。出典：九州再生医療センター「リハビリセンター」紹介ページ

香華会・九州再生医療センターのリハビリプログラムでは筋力トレーニングやストレッチによる柔軟運動のほか、「徒手療法」が取り入れられており、日常生活の実用的な動きを体と脳に学習させることを目的としたプログラムなどがあるそうです。

香華会・九州再生医療センターにはGackt（ガクト）さんが治療を受けた！？

医療法人香華会・九州再生医療センターが今年5月、ニュースになりました。アーティスト・GACKT（ガクト）さんの全般的な治療を担当していると発表したことで、スポーツ紙などで報道されたからです。

2021年8月に体調不良を訴えたGACKT（ガクト）さんは、同年9月から無期限で活動を休止されていました。GACKT（ガクト）さんは海外で治療を受けていたのですが、2021年末から、医療法人香華会・九州再生医療センターが日本国内での治療を引き継がれたと発表されたのです。

当時のGACKT（ガクト）さんは神経系疾患による免疫不全で全身皮膚炎や脱毛症が進行していたそうです。医療法人香華会・九州再生医療センターではその治療に際して、ご本人自身の細胞を用いた幹細胞治療とリハビリを行なったそうです。

医療法人香華会・九州再生医療センターのウエブサイトがリニューアルされており、当時のニュースリリースなどはすでに見ることができなくなっています。しかし、GACKT（ガクト）さんが現在、元気でアーティスト活動されているのですから、それが治療に成功したという証だと言えるかもしれません。

まとめ

国内有数の再生医療クリニックとして、医療法人香華会・九州再生医療センターでは脳血管障害、脊椎損傷、変形性関節症、糖尿病、肝障害、スポーツ外傷、慢性疼痛、再生美容、毛髪AGAといった診療を行っています。再生医療の技術進化に期待が寄せられている中、医療法人香華会・九州再生医療センターは今後さらに注目されていくのではないでしょうか。

概要

外部リンク