宮下貴弘氏   「ナンバーナイン」と「ソロイスト.」で時代を創ったファッションデザイナー

宮下貴弘氏   「ナンバーナイン」と「ソロイスト.」で時代を創ったファッションデザイナー

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宮下貴弘(みやした たかひろ)氏は、日本のファッションシーンを語る上で欠かすことのできない存在です。1990年代後半から2000年代にかけて、「NUMBER (N)INE(ナンバーナイン)」というブランドを立ち上げ、独自の世界観で日本のメンズファッションを牽引しました。ナンバーナインから離れたあと、自身の名を冠した「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.(タカヒロミヤシタザソロイスト.)」を発表。国内外で高い評価を得ています。そして2025年、宮下貴弘氏は突如、ナンバーナインへの復帰を発表。宮下貴弘氏の動向が世界中の注目を集めています。

ファッションデザイナー・宮下貴弘氏とは

1973年東京都生まれの宮下貴弘氏は、服飾の専門教育を受けていないという、異色の経歴を持つデザイナーです。独学で洋服作りを学びながら、セレクトショップ「ネペンテス(NEPENTHES)」での経験を通じて、ファッションへの理解を深めていきました。

ネペンテスの顧客の一人だった、別のショップの店員だった宮下貴弘氏。ネペンテス代表・清水慶三氏にその才能を見出されて入社したことが、宮下貴弘氏の人生の大きな転機となります。宮下貴弘氏は店長やバイヤー、プレスとして多面的な経験を積むなかで、審美眼と世界観を確立していったのです。

こうした独自の歩みが、後の「ナンバーナイン」「ソロイスト.」という自身のブランド創設へとつながりました。宮下貴弘氏のデザインには、学校では学べない「感性」と「直感」が息づいています。

宮下貴弘氏が立ち上げた自身のブランド

宮下貴弘氏はネペンテスでの経験を活かし、「ナンバーナイン」「ソロイスト.」と自身のブランドを立ち上げていきます。一つひとつ見ていきましょう。

ナンバーナインはロックを纏う

1996年、宮下貴弘氏は有限会社KOOKSを設立し、自身のブランドである「ナンバーナイン」を立ち上げました。このブランド名はビートルズの楽曲「Revolution #9」に由来しており、音楽的要素がブランドの核となっています。

宮下貴弘氏はロック、パンク、グランジといったカルチャーをモチーフにしながら、新しいストリートスタイルを提示。特に初期の「ナンバーナイン」コレクションは、ニルヴァーナのカート・コバーンやガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズなど、具体的なロックアイコンからの影響が色濃く反映されていました。デニム、チェック柄、ダメージ加工などを駆使した、宮下貴弘氏によるそのスタイルは、単なるファッションを超え、音楽と精神性を融合させた「表現」として受け止められます。

「ナンバーナイン」は裏原系ブランドの中でも突出した存在となり、やがて2004年にはパリ・ファッション・ウィークに進出。日本のメンズファッションを世界に知らしめるブランドへと成長しました。

突然の離脱と「ソロイスト」誕生

絶頂期にあった宮下貴弘氏は、2009年2月、2009-2010年秋冬コレクションをもって「ナンバーナイン」からの離脱を発表します。その理由については多くの憶測が飛び交いました。一説には、ビートルズがそうであったように「いつかは解散する」という宿命的な思い、あるいは燃え尽き症候群ともいわれました。いずれにせよ、宮下貴弘氏は新しい道へと歩を進めたのです。

宮下貴弘氏は2010年7月、新たなブランド「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」を立ち上げます。ファッション関係者はこのブランド名の“独奏者=ソロイスト”には「洋服に関わるすべての人に、孤高の精神を持ってほしい」という宮下貴弘氏の想いが込められているといいます。

「ソロイスト」で宮下貴弘氏は伝統的なテーラリングにアウトドアの機能素材やカラビナなどの要素を組み合わせるような表現を試みました。その世界観は「ナンバーナイン」時代の延長でありながら、より成熟し、深みを増しています。

コラボレーションと挑戦を重ねる姿勢の宮下貴弘氏

宮下貴弘氏は他のデザイナーやブランドとの協働にも積極的に取り組まれました。ナンバーナイン時代に行ったディズニーのキャラクター、ミッキーマウスとのコラボ製品は大ヒットし、現在でも人気のあるアイテムとなっています。

一方、他のブランドとのコラボでは2018年には、「UNDERCOVER(アンダーカバー)」の高橋盾氏と合同ショーを開催。ファッション界に新たな刺激を与えました。

さらに宮下貴弘氏は「ソロイスト.」2023年秋冬コレクションでは、すべてのメンズモデルにスカートを着用させるという大胆な演出を実施。ジェンダーの境界を超えた挑戦的な提案は、多くのメディアで話題となりました。

こうした革新の背景には、宮下貴弘氏の「服は自己表現の手段であり、社会へのメッセージでもある」という信念があるそうです。

宮下貴弘氏、再び「ナンバーナイン」へ

2025年7月、宮下貴弘氏は再び大きな決断を下しました。それは、「ソロイスト.」の活動を2025-2026年秋冬コレクションで終了し、「ナンバーナイン」に復帰するというものです。

宮下貴弘氏は今後の活動について、「音楽はますます大きく響き渡り、今もなお奏でられ続けられています。ただ、舞台が変わっただけのこと。またお会いしましょう。新たなバンドと新たなサウンドともに」と自身のインスタグラムでメッセージを残し、その後発表されたのが、この「ナンバーナイン」の復帰でした。

このニュースはファッション業界だけでなく、音楽・カルチャー分野にも衝撃を与えました。1990年代後半に青春を「ナンバーナイン」と共に過ごしたファンにとって、まさに“帰還”ともいえる出来事です。

宮下貴弘氏復帰後のコレクションがどのような方向性を示すのかはまだ明かされていません。しかし、ファッション評論家の間では「過去の焼き直しではなく、新たな章の幕開け」と期待する声が多く聞かれます。再び“ロックを纏う服”が、現代の日本と世界をどう照らすのか。宮下貴弘氏のこれからには期待が寄せられています。

宮下貴弘氏の今後

ロックミュージックの要素をファッションに取り入れ、独自の世界観を生み出し、「ナンバーナイン」「ソロイスト.」という二つのブランドを立ち上げ、国内のみならず、海外のファッション評論家からも高い評価を受ける宮下貴弘氏。

宮下貴弘氏が一つの時代を築き上げた「ナンバーナイン」に復帰し、どんなファッションスタイルを描いていくのか。一つだけ推測できるのが、そこにもこれまでと同じように「音楽」「ロック」がカギになるということ。宮下貴弘氏はこれからもロックンロールを感じさせてくれるファションを作り上げていくのではないでしょうか。これから始まる宮下貴弘氏の新生「ナンバーナイン」に期待しましょう。


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