建物が「安全」で「経済的」で「フレキシブル」であること。株式会社田中構造設計の田中忍社長はこれらの要素を最大限盛り込むことが「構造設計」の技術力であると考えていらっしゃいます。構造設計とは一般的な建物の設計とはどう違うのでしょうか。一般的な建物の設計で思い浮かべるのは外観のデザイン。そのデザインを安全で安心なものとするために必要なのが構造設計です。構造計算を行い、建物の基礎や骨組みを設計します。つまり安全性や安心を担保するための設計が「構造設計」です。構造設計で高い技術力を持つ株式会社田中構造設計をご紹介いたします。
田中構造設計が取り組む「構造設計」について知りたい
建物の設計は、大きくは3つに分けられます。多くの人が建物の設計と聞いて思い浮かべるのが、「意匠設計」ではないでしょうか。この「意匠設計」は敷地条件や周辺環境から建物配置を決め、建築主からの要望をヒアリングして、建物の外観・内観・間取りなどのデザインを行う設計です。一方、建物の機械や電気に関する設計が「設備設計」です。この設計で上・下水道設備や空調設備、衛生設備、電気設備などの設計を行い、機械の配置や配管の位置などを決めます。
そして今回、紹介している株式会社田中構造設計が行っている「構造設計」です。「意匠設計」と「設備設計」の安全性と安心、そして快適性を担保する設計です。建物を支える柱や梁、壁などのサイズや形状、配置などを決め、建築基準法に適合した建築物になるよう設計が行われます。建築物の基礎や柱、梁、床、屋根などを、さまざまな荷重や条件に耐えられるような安全性を満たしながら、設計します。その際、経済面の考慮も必要とされます。
この構造設計が非常に難しいと言われるのは建物だけでなく、土壌や建てられる場所の気候も場合によっては考慮する必要があるからです。人々が安全に、安心して建物の中で生活できたり、仕事ができたりするのは建物の耐力や安全性を担う構造設計が貢献していると言えるでしょう。
株式会社田中構造設計はこんな会社
株式会社田中構造設計は一級建築士・構造設計一級建築士/構造専攻建築士である田中忍社長が2002年に設立した一級建築事務所です。個人事務所からスタートした田中構造設計は2005年、「株式会社 田中構造設計」に組織変更されます。その後、2008年、沖縄県浦添市に「沖縄営業所」を開設。さらに、2019年 東京都港区に「東京営業所」、北海道札幌市に「北海道営業所」を開設と、事業を拡大していき、昨年、田中構造設計は設立20周年を迎えました。
日本は台風や梅雨、積雪などの季節ごとにやってくる悪条件、さらには地震が多く、自然災害の恐れも考慮した設計が求められており、世界屈指の構造設計の困難な国の一つと言われています。この構造設計が困難な日本で、専門的に業務として請け負っていることから、株式会社田中構造設計がどれだけ高い技術を持っているのか想像いただけると思います。
田中構造設計の業務はこんな内容
田中構造設計が請け負っているのはRC造、WRC造、S造、SRC造、木造、擁壁、そのほか工作物などの各種構造における基本計画および仮定断面の策定、実施設計における構造計算書、構造図作成、加えて確認申請に伴う検査機関との対応を行っています。
田中構造設計が構造設計を行っているのは鉄筋コンクリート/壁式鉄筋コンクリート/鉄骨造/鉄骨鉄筋コンクリート/擁壁、そのほか工作物です。
最終的に顧客に納品しているのは「構造計算書」「構造図(原図一式)」「構造図データ転送(画像ファイル、DXFファイル)」となっています。
株式会社田中構造設計、英語社名はなぜ「Tanaka Construction Design」?
株式会社田中構造設計の英語の社名は「Tanaka Construction Design」です。本来、建築の構造は「structure」という単語になります。しかし「Construction Design」としたことには意味があるということです。その意味が田中構造設計のウエブサイトで紹介されていました。
私たちは依頼主様や意匠設計事務所、建設会社、その他建物に携わる様々な業種の皆さまと協力してひとつの建物を造り上げたい、築造したいとの理念で「Construction Design」と思いを込めて掲げております。これからも田中構造設計は、構造設計を通じてより良い建物の建築に貢献していきます。田中構造設計ウエブサイトより
田中忍社長は田中構造設計の理念として「共に創る」を掲げていますが、そこにもこの「協力して一つの建物を作っていく」という考え方が反映されています。
私たちの構造設計は限られた予算内で、安全な建物を設計しているという感覚と皆様の生命・財産を天災から守る大きな盾となるように戦っている、そんな気持ちを持って設計しております。皆様が要求される様々なニーズに対応すべく、日々新たな事へ挑戦を続け、技術を磨き安全・安心な建物を皆様と共に創り続けていきます。田中構造設計ウエブサイトより
田中忍社長はなぜ起業を?
田中忍社長が田中構造設計のウエブサイトで起業した理由を書いておられます。
私は、当社を設立した当時、構造設計者の立場で建物を設計するうえで意匠設計から提案される図面に従って構造設計をするだけで終わらないように、こちらからいろいろな案を提案し、もっと建物設計に関わりたいと思い当社を設立しました。
社名のシンボルに「Structure」を使わず、あえて構築という意味の「Construction」を使い、お客様と一緒に創り構築していきたいという思いから「共に創る構造設計」を掲げています。
個人事業の期間を含めると約20年の月日が経ちました。
先般の福岡西方沖地震や東日本大震災、熊本地震を目の当たりにして、経験したことや感じたことを構造設計に取り入れ、コストを抑えて耐震強度を上げ、なおかつ建物の剛性も上げる設計といった、自分たちだからこそできる新しい構造設計を提案しています。そして、皆様にとって唯一無二の存在になれるように誠意をもって設計させていただきます。
田中構造設計・社長挨拶より
田中忍社長は体験してきた自然災害から建物の安全性に対して、より一層、意識を高め、自社の技術力の向上に反映されていくという考えを持っていることがわかるのではないでしょうか。
田中構造設計は「縁の下の力持ち」
建物の見栄えだけでなく、安全性、さらには環境性能なども重視されるようになってきたことから、建築に利用される材料は日々、複雑化、多様化しています。
今日における構造設計という立場は、構造に係わる建築基準法が厳格になった中で、時代のニーズに伴いより複雑になった意匠デザインを、限りある予算の中で実現させるために、とても重要な役割を果たしています。そういった状況の中で私どもは、出来る限り依頼者様のご要望に応えられるように努力するのはもちろん、構造設計者としての信念と的確な知識・技術を用いて“縁の下の力持ち”の存在になりたいと考えています。田中構造設計ウエブサイトより
田中構造設計の業務実績は?田中忍社長の個人事業の時代から3000棟以上!
田中構造設計は、2003年から2021年6月まで約18年に渡って、累計で3000棟以上の構造設計を行っています。田中構造設計が公開している業務実績からみると特にRC造の設計について深いノウハウを持っていることがわかります。
構造設計総数(2003〜2020年) 3,369棟
内訳 RC造2,469棟 S造528棟 その他343棟
住宅の構造設計合計棟数(2003〜2020年) 2,253棟
内訳 共同住宅(分譲・賃貸)1,734棟 個人住宅 519棟
構造計算適合性判定設計合計数(2003〜2020年) 587棟
内訳 構造計算適合性判定 587棟
編集後記
私たちが安心して、安全に、そして快適に生活ができる、仕事ができる建物を作るための構造設計。田中構造設計は自社のウエブサイトで「建物が安全で経済的でフレキシブルであること。これらの要素を最大限盛り込むことが構造設計の技術力であると考えています。弊社の技術力でお客様のご期待に添える構造設計をご提案します」と宣言しています。
株式会社田中構造設計の企業概要
- 商号:株式会社 田中構造設計
- 設立日:2002年
- 代表取締役:田中忍(一級建築士・構造設計一級建築士/構造専攻建築士)
- 事務所登録:一級建築士事務所 福岡県知事登録第1-12184号
- 加入団体:一般社団法人 日本建築構造技術者協会(JSCA)正会員
- 本社/福岡事務所:福岡県福岡市南区大楠3-12-26
- 連絡先:電話:092-406-7779/ファックス:092-406-7780
- 主な事業内容:構造設計/耐震診断/構造技術監理支援
- 所員数:22名 (構造設計一級建築士、一級建築士含む)
- ウエブサイト:https://www.tanakakozo.com/