今日は誰を愛せるだろうか、そんなふうにして私は毎日を過ごしている。小説を書きながらオフィスにたった3人しかいない夜の10時が好きだった。誰なら私の精神が一定に保てるだろうか。誰となら夜を乗り越えられるだろうか。小説の中で閃光を放つ。それは太陽よりも一直線で強力な私が作り上げた人工発光体だ。騙されないようにと慎重に祈りながら小説を書いても夜光虫はわらわらと寄ってくる。まるではちみつを身体中に塗りたくってしまった気分だ。
はちみつまみれの女を舐めたら体液と混じってますます甘い。
「よければ、試してみない?」