自社の中期計画を読み返して、手が止まった
来期の計画を書く前に、いまの中期計画を読み返しました。
途中で手が止まりました。
書いた本人なのに、どれが本気の約束で、どれが目標で、どれが方向なのか、読み分けられなかったからです。
- 達成できそうなことと、できそうにないことが、同じ大きさの文字で並んでいる
- 「いつまでに」が書いてあるものと、ないものが混ざっている
- 達成できなかったとき、誰がどう説明するかが書いていない
政党のマニフェストを思い出しました。構造が同じです。
政党を笑う気はありません。自分の計画書が、同じことをしていました。
できない約束を、書くべきなのか。書くなら、どう書くべきなのか。
これがこの記事の後半のテーマです。
前半のテーマは「前例踏襲」です
内定式の話をします。
うちの内定式は、対面で1時間かかりません。社長の話は10分です。
式のあとに少人数のグループで話す時間を作って、来年からはオンラインでの参加も認めることにしました。リクルートスーツも不要にしました。
前の形が悪かったわけではありません。
ただ、前の形を続ける理由を、私は一文で言えませんでした。 言えないものは、変えてみる。それだけです。
一方で、変えなかったものもあります。
報告の順番です。悪い報告ほど先に出す。これは変えていません。理由を説明できるからです。
前例を守るか壊すかは、「古いか新しいか」では決まりません。理由を言えるかどうかで決まります。
この記事の前半では、その判定を手順にしました。
この記事は何か
社長が会社の「前例」と「約束」を扱うための、判断の手順書です。
- 前半:前例の棚卸しと、守る前例・壊す前例の判定、壊すときの手順
- 後半:会社のマニフェスト(経営計画・ビジョン・社長の方針)に、できない約束をどう書くか
どちらも、社長にしか決められないことに絞って書いています。
担当者に任せられる部分は、「任せること」として分けました。
書いているのは誰か
会社を4つ経営しています。
IPOの準備をしている会社もあり、事業計画を外の人に見せて、できたか・できなかったかを問われる立場です。
コンサルとして入った会社で、毎回最初に言うことがあります。
「ルールや仕事は、増やすのは簡単で、減らすのは難しい」。
前例もルールも、増える一方で減らない。この記事は、その減らし方の話でもあります。
この記事でわかること
- 前例を4つに分ける棚卸しの方法(理由が分かるか × いまも効いているか)
- 守るべき前例の5つの型と、壊すべき前例の5つの型
- 前例を壊すときに、反発を小さくする手順(期限と、戻す条件)
- 会社の約束を「必ず守る・目標・方向」の3種類に分ける方法
- できない約束を書くときの書き方と、書いてはいけない約束
- 約束を社員が信じなくなる3つの瞬間
- 付録:前例棚卸しシート、前例の壊し方手順書、会社マニフェスト作成シート
向いている人
- 社員数人〜数百人の会社の経営者・役員
- 「前からこうなので」で止まっている仕事が社内にある人
- 経営計画や年頭の方針を書くたびに、達成できないことを書いている気がする人
- 事業計画を社外(銀行・株主・投資家)に見せる立場の人
向いていない人
- 「前例をすべて壊せ」という話を期待している人(この記事は、守る前例も決めます)
- 政治の話を期待している人(政党のマニフェストは入口に使うだけで、評価も批判もしません)
- 大企業の制度設計を知りたい人(数人〜数百人の会社を前提にしています)
目次
序章 前例は、会社の記憶である
第1章 前例の棚卸し:4つに分ける
第2章 守るべき前例、5つの型
第3章 壊すべき前例、5つの型
第4章 壊し方の手順:期限と、戻す条件
第5章 会社のマニフェスト:約束を3種類に分ける
第6章 できない約束は、書くべきか
第7章 社員が約束を信じなくなる3つの瞬間
終章 社長が手放してはいけない3つの判断
付録
- 付録1 前例棚卸しシート(20項目)
- 付録2 前例の壊し方手順書(1枚)
- 付録3 会社マニフェスト作成シート(約束の3分類)
- 付録4 達成状況の公開フォーマット
- 付録5 よくある質問
無料で1つだけ:社内の前例を1つ思い浮かべて、この3問に答えてください
朝礼、定例会議、日報、承認の回し方、何でも構いません。
いちばん「なんとなく続いている」ものを1つ選んでください。
1. それを始めた理由を、一文で言えますか
2. その理由は、いまも当てはまりますか
3. やめたら、何が困るか、具体的に言えますか
3つとも「はい」なら、守る前例です。
3つとも「いいえ」なら、壊す候補です。
混ざっているなら、それがこの記事の対象です。 ほとんどの前例は、混ざっています。
有料部分から、1つだけ先に:前例を4つに分ける
第1章の中身を、先に出します。これが前半の土台です。

軸は2つだけです。「始めた理由が分かるか」と「その理由がいまも当てはまるか」。
この2軸で前例は4つに分かれ、扱いが変わります。
- A 理由が分かり、いまも当てはまる → 守る。文書化してルールに昇格させてもいい
- B 理由は分かるが、もう当てはまらない → 壊す。ただし「なぜ始めて、なぜやめたか」を記録して残す
- C 理由が分からないが、何か効いていそう → 壊さない。まず理由を探す
- D 理由が分からず、効いている気配もない → 壊す候補。期限付きで止めてみる
いちばん危ないのは、CをDと間違えることです。
「誰も理由を知らない」は「不要」ではありません。知っている人が辞めただけかもしれない。
有料部分では、A〜Dそれぞれに入りやすい前例の型(守る5型・壊す5型)と、Dを実際に止めるときの手順(期限と、戻す条件)、そして後半の「約束」の話に進みます。
付録の中身を、先に見せます

付録は4枚のシートと、よくある質問です。すべて文章で載せているので、コピーして自社名を入れればそのまま使えます。
購入前に知っておいてほしいこと
この記事に、派手な実績はありません。
「前例を壊して売上が倍になった」という話は書いていません。書けるほど測っていないからです。
書いているのは、自分の会社でやったことと、コンサル先で見たことと、そこから作った手順だけです。
購入者の声は、まだありません。 公開したばかりです。
その代わり、先着で読んでくださった方の声を、了承を得たうえで追記していきます。
付録のシートは、文章で載せています。 画像やファイルではなく、コピーして自社の名前を入れればそのまま使える形です。
価格について
この記事は¥12,800です。
高いと思います。
ただ、この記事で扱っているのは「前例を1つ減らす」「約束を1つ書き直す」という判断で、社長の時間で言えば、1回の役員会議で決まる話です。
役員会議1回分の時間で、前例が1つ減って、約束の書き方が1つ変わるなら、元は取れると考えてこの価格にしました。
読んで「使えなかった」と思ったら、その理由を教えてください。次の改訂で直します。
追記の記録
公開後に追記した内容は、ここに日付付きで残します。
- 2026/10/13 公開
ここから先が有料です。
