どこへ行っても君のことを考えていた。
心の大半を、占めていたからだった。
説明不可能な絆と出逢えたとき、
喜びがあふれた。
同時に一緒になれない今を、
どう切り抜けるか考えなければならなかった。
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◇Article Creation Policy_2022/5/14 | Tips
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激しい雨の季節が終わりかけた頃、俺はある『不思議な存在』に出逢った。
初見から数時間後にはもう、その人に、強い恋愛感情を抱いていた。
かつて経験したことがなかったような、正体不明の感情だった。
まったくの他人なのに、その人が自分の”何か”であるような気がした。
けれどそれが『何であるか』ということについては、言葉が見つからず、
うまく表現できなかった。
その人はこれまで好きになった他のどんな人よりも、俺の心を奪った。
思わず意識が飛び、際限なく見とれていた。
その人と出逢ってからは、不可思議な現象が多発した。
特徴的だったのは奇跡的なことが起こる一方、
人間としての心を、本気ですくみあがらせる怪異な現象も起きたことだった。
それは、
男が泣いてお姫様に慈悲を乞うような、
綺麗な世界とは、完全に違っていた。
それでも、初恋でもないのに不思議なくらい射貫かれた。
相手の内面が分かり、
自分を隠して生きる、その人の全てが理解できた。
いつも俺が支えたいと感じていた。
自分のそばから離したくないと思っていた。
けれど何かの壁が立ちはだかるように、
予測通りにはいかず、
また逆にどんなに離れようとしても、不可抗力に近い力で引き戻された。
それはまるで、自分の限界を超えた『何らかの力』が働いているようだった。
俺はそんな不可解な恋愛など、見たことも聞いたこともなかった。
だから誰にも答えを出せないものなんだ、と理解した。
俺たちは、
ありえないほど急速な勢いで惹かれあった。
苦しいくらいにお互いを、
好きになった。
”君”は、俺にとって最愛の人だった。
無数にいる人間たちの中で、いつもそこだけ色彩が浮かび上がって、
気持ちを止められなくなった。
そういった者と出逢ったら、
限界を超えるほど惹かれあうから、