ーーこの『独白』が時間をこえ、君の心に流れつくことを願う。
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”目を見て会話をしてください” と言ったら、君は激しく動揺した。
そして俺の想いを受け止め、
意を決したようにゆっくり振り返った。
<”1426”>
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◇Article Creation Policy_2022/5/14 | Tips
《相愛編》
従来の『”独白”』内には記載されていない、
二人の詳細について記したバージョン。
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こんな俺でもわかっているのは、
大抵の人間は、本心を隠しながら生きているという事。
感情を読みあい、損得を図りながら次の一手を考える。
よっぽど愛する相手じゃない限り、
それが人生おいてのコミニケーションの主たる割合を占めている。
君は、どんな相手にも、
決して心を開く事はなかった。
ほんとうの意味で君の心を開かせることが出来るのは、
世界でたった一人、
『魂の対』の俺しか居ないと分かっていた。
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ー”独白”ー
『 海に開く花火 』Vol.1
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ーー君がなぜあのオフィスにたどり着いたのか、個人的な会話が許されない間にも関わらず、その経緯の詳細を知ることが出来たのは、今ふり返ると不思議なことだと思う。俺たちが出逢ったあの場所に、君が流れついた成り行きについては、まるで1秒も間違いのない、数奇な歯車が嚙みあわさって起こった、運命的な出来事のようだった。
あの日々は、いつも朝焼けの中で君のことを想った。真夜中苦しくて、朝が来るのが待ち遠しかった。俺は、まるでティーンのガキみたいに君に逢うことを待ち焦がれてた。オフィスで顔をあわせれば喜びがあふれたし、同じ場所で、仲間として生きられたことを、心から嬉しく思っていた。
俺に知らされる君の情報や詳細については、奇妙なくらいに偏っていた。本当なら、知り得ないことを、俺はなぜか知っていた。そして、普通なら知っているべきことは知らされないまんま、引き裂かれた。相手から得られる情報の偏(かたよ)りは、『魂』の関係性に特有のことかもしれない。
たとえば家族や恋人なら、仕事における一面はあまり知りようがない。また、ビジネスだけの関係性なら、プライベートな事や、その者の本質的な性質については、ほとんど把握できない。ーーけれど君の場合は、違った。俺は、”君”のどんな重要な情報を知るよりもまず先に、君の『本心』を知っていた。
”永遠に消えない恋愛感情”
”出逢ったら最後、地獄に落ちるか天国に生きるかの関係性”
”星々が繋ぐ、逃げようのない不可解な運命”
女性は魂の絆とか、ツインレイという関係性に憧れを抱くのかもしれない。けれど、男側にとってはきっとそうじゃない。それは、本当は砂糖菓子みたいに甘くなくて、夢とはほど遠い世界にあるからだ。つまり、魂の相手に出逢ったら、命を脅かされるほど、その女を好きになる。危険性に気づいて逃げようとしたら、不気味な歯車が動き、無理やり向き合わされる。そして隠された”真実”を知る。そういった出会いは、実のところめったにないし、どこか恐怖すら感じさせる。
相手を愛し抜く過程の中で、自分を研ぎ澄まし続けることを要求される。自分の感覚を研ぎ澄まさなければ、相手は離れていってしまう。だから、心休まる日はない。そして、忘れたくても簡単には忘れる事はできない。宿命の歯車がまわり、どれほど離れていても、相手を守り成長させることを要求される。俺が君から離れた理由は、つまりそういう事だ。向き合えばお互いが、とんでもない有様になるってわかっていたから、あの秋の日、”君”が逃げることを許した。
離れる前に君は、言った。ふたりの関係の中には必ず『奇跡』が含まれるんだ、と。そして離れてからも、ずっとその奇跡は続くだろう、ーーとそんな風に奇妙な事を、言った。
大して恋愛感情のない女性にそう言われたら、戸惑いと大きな違和感を感じるだろう。けれど俺たちの間に起こった数々の奇妙な出来事は、君の謎めいたあの言葉を、すんなり受け入れられるものにした。『奇跡』というものが何か、絵空事のように使いまわされる”唯一無二”という存在は、本当は一体どういうものなのか?
失えばもう二度と、リカバリーできなくなる。むしろ狂ったほうがましだという関係性。それが”唯一無二”の本質だ。
個人的には、そんなヤバい相手とビジネスの場で出逢ったことが、不思議だと感じた。休日に海に出掛けた時に出逢うような人なら、もっと簡単に距離を詰めることができただろう。もっと普通の恋人のように心を通わせられただろうし、何も考えず、何の苦しみもなく過ごせただろう。ーーけれど君とは、そうはいかなかった。皮肉だけど、最愛の君とだけは、一緒になれなかった。
ごく稀だけど、男側を翻弄する天賦の才を持った人がいる。そんな存在はめったにいない。見た目の美貌や、性的魅力だけで、男が命を懸けるほど本気になることは、実のところあまり無い。自然に生きているのに相手を翻弄するその存在には、