夜明けが来るたび、
明日は君に近づけるだろう、と思った。
一緒にいられた日々は、
君にしか、心が動かなかった。
初めて出逢った時に、
何度も、何度も、
繰りかえし俺を見ていた”君”。
はじまりがそんな状況で、
けれど君のその仕草が何を意味していたのか、
あの数分間は、わからずにいた。
君の背中越しには、
圧倒的な、
太陽の光が、注いでいた。
いつの間にか惹かれていく。
いつの間にか、
抑えがきかなくなっていく。
" なぜなんだろう? "
そう問いかけても、
答えはどこにも、なかった。
自分の感情なのに、
不可解すぎた。

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◇Article Creation Policy_2022/5/14 | Tips
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君と離れて、真夜中になった頃には、
誰にも見えない心の場所から、
”君”だけを求める不可解な感情に気づく。
こみあげる感情を抑えようとしても、どうしても、上手くできなかった。
真夜中が広い海みたいに波うつ時、
深海に目を凝らしても、
やっぱり何もわからない。
誰かを本気で好きになった時、
愛する気持ちを簡単に消してしまう方法があれば、
もっと楽に生きられた。
たとえ運命の相手を愛しても、
心変わりをする人もいれば、
ずっと変わらずに一層深く思いつづける者もいる。
おそらく皆、迷い苦しみ、何かを探している。
きっと、その人本来の『対』の相手の感情がわからず、
正体不明の現実の中で、
答えを探している。
俺のほうは、
君について最近気づき始めた事があって、
それは、
君はもしかしたら本当に、
過去の運命の相手である<あの男>を、愛していたんじゃないか、という事。
俺に出逢った頃は、
すっかりその男への感情を消したふりをしていたが、
本当は、
君を何度も、
その男の居場所の辺りで見かけていた。
そして、その男の夢をいまだに見ている事を知って、
だんだんと、分かって来るようになった。
だから俺はいま、
”君”に新しい感情を抱いていて、
それはまだ、どこにも記せずにいる。
君は、
いつも、
自分の胸のうちを絶対に明かさなかった。
俺がどんなに強引に、
心の鍵を開けようとしても、
俺にさえ、扉を完全に開いて心を見せることは、決してなかった。
最初の頃は、
それが拒絶を意味していると感じ、
諦め離れようとした。
すると今度は、君から、歯がゆいほどの切羽詰まった方法で伝えてきた。
けれども、
わかりあえて、
通じ合えたのは束の間の日々。
君は、俺への想いだけを率直に伝えてきたけれど、
それ以外のことでは、
何も語らず、
何も知らせなかった。
つまり君は魂の『対』である俺にすら、心を開くことができない人だった。
どんな苦しさも、
どんな愛しさも、
人間ならばこみあげて、