”君”と居られた夏の日々。
多分、二度と戻る事はない。
あれ以来俺は、
君と違って、
新しい恋へと進む感情などなくて、
ただ目の前の事象に追われる日々を、送っていた。
けれども、
この夏突然に、
”君”に似た人と出逢った。
それは心が震えるくらい、君に似た人だった。
二度と近寄るつもりはなかったけれど、
奇妙な成り行きによって、
幾度か顔を合わすことになった。
君に似たその人を見つめた時、
歯車が、動き出すのを感じた。
もう一度、
あの日々の奇跡に出逢えたような、
気がしたからだ。

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◇Article Creation Policy_2022/5/14 | Tips
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『水飴色の櫂』” Colored of Millet Jelly ” 収録。
(※当方作成のコンテンツは全て単体で読了可能です)
【17669文字】



俺たちの関係性は、
普通の恋愛をはるかに超越した、正体不明の繋がりだった。
きっと人間の感情は移ろいやすくて、
定まりがないけれど、
俺の気持ちだけは、
星の運行みたいに、
はっきりしている。
もし再び逢えたら、俺は今度も君を、自由にできるのだろうか?
実は、そんな問いかけが、時々頭の中によぎっていた。
終わりかけた夏の陽射しが傾くころには、いつも君を思い出す。
男側の俺には、
自分の感情が強すぎる理由が、一体、何なのか分からなかった。
近付いても、