「誰かを愛する感情がなければ、もっと楽に生きられた」
☩
目をとじた時、
見えたのは、
真昼の花火。
傍にいない君を思い出すたび、
また好きになった。
君との全てを忘れようとして、
生きた事もあった。
そうするしか君を守る道が無いんだと、
わかっているのに、
引き戻された。
何度も、何度も、
俺と君を繋いだ海辺の町に、
打ちあがるのは白い花火。
心を通わせられた、
日々の記憶に、
目をとじる時、
青い海に、
真昼の花火が、
開く。
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”離れるほどに好きになるのは、どうかしているんじゃないか?”
この海が見える町で、
君と離れて生きる道を選んでから、いつもそう思ってた。
感情さえなければ、多分もっと楽に生きられた。
感情さえなければ、
もっとふつうの毎日を送ることが出来た。
君への強すぎる想いは、
恐怖ととてもよく似ていた。
ありったけの力を搔き集めて、
その感情を制御(Respecting the Rules)しなければ、
俺たちの人生は、
完全に崩壊していた。
運命を越えて出逢った、”君”。
俺は君に出逢い、
知らず知らずのうちに、
後戻りできない場所に、
入りこんでいた。
見たことも聞いたことも無い、
正体不明の道を、明かりひとつも持たされずに歩いていた。
君が好きで、
その脆い感情を守りたいと思ったから、
いつの間にか、二度と帰れない深みにはまり込んでいた。
その場所は、
奇跡のつまった、
扉の向こうにあった。
『魂の対』という、不可解な邂逅。
それは運命の相手を越えた、たったひとりの相手を愛する旅だった。
その名のもとに出逢った人たちが、
誰かを、本当に愛した時にようやく見える、
奇妙な扉の向こうには、
綺麗な言葉だけで表されるものではなく、
同時に異様な”現象”も、
詰まっていたから、
扉には固い鍵が、掛けられていた。
現実に散りばめられたその秘密の扉は、
巧みに隠されていて、
それまでの人生と、それまでの日々を、生きるうちは、
絶対に開かない仕組みになっていた。
俺たちは、
出逢ってしまったことで、
もとの世界には戻れないような感情を知り、
喜びと苦しみに藻掻き、
とうとうその扉の「鍵」を、受け取った。
実を云うと、
君の事を忘れようとするたびに、
そして君なしで生きて行こうと思うたびに、