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だからこそ俺はあの日、”君”の真横に立って、
わずかな距離だけを並んで歩いた。
傷ついた君の心が、いつかこの事を思い出し、癒えるようにと。
もう傷つかなくていいからと、ただ伝えたかった。
<”416”>
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◇Article Creation Policy_2022/5/14 | Tips
雪の野原の孤独、凍ったカーニバル。
二人きりで歩く事が叶えば、どんなにか良かっただろう。
遠く離れた新天地の窓から見える景色を眺める。北半球なのが幸いで、凍った地平に、光が映っている。それらは俺の感情かもしれないし、君の涙かもしれない。俺たちは、一番愛しあっていながら、今は別の場所で生きている。
俺には、引き離されてから、つまり別れてから分かることがあった。別れなくちゃずっと気づかないことが、男側には在る。それはつまり、相手のぬくもりと仄かな懐かしさだ。だから普通の恋の場合でも、男側は数か月経った頃に、ふいに過去の人を思い出す。
けれど俺がここに書き記したいのは、その事についてじゃない。ーー今日ここに書きたいのは、君と離れてからずっと心で願っていた、自分の「或る感情」だ。それは、確かに本気じゃなければ、思わないことだった。
体中に痛みが走るほどの衝突のあと、俺たちは分離した。それから大分経ったある冬の夕刻に、俺はふと気づいた。君が逃げてから一年近くが経った後のことで、君と俺が初めて一緒に取り組んだ仕事の名残りを、見た時のことだった。俺たちは、まだ出逢ったばかりの時期、会話する機会も皆無だったのに、不思議とひとつの仕事を共同でやっていた。仕事というと必ずコミニケーションを取ることが必要になってくるが、俺たちの場合は全く違っていて、