【前編】
触れない関係の中で
夕飯も終わり、リビングで妻と子どもとくつろいでいた。
テレビに映るのは妻の大好きなバラエティー番組。
2人とも少し笑ったり、スマホをいじったり、お茶を飲んだり。静かな夜でとっても平和だ。だけど・・・
ふと、気づいたんだ。
「最後に触れたのって、いつだったっけ??」
手をつないだ記憶は、霞んでいる。
ハグなんて、もう何年も前。
夜のいとなみ??・・・正直、都市伝説クラス。
子育て、仕事、生活、言い訳はいくらでもある。でもそれは、答えじゃなかった。
「触れることがない」って、こんなにも空虚なんだって、僕はそのとき初めて、本当に思い知った。
誰かに相談できる話でもない。「うちは触れないんだよね」なんて、笑って言える話じゃない。
一方で、どこかで「うちだけじゃないはず」とも思ってた。
SNSではラブラブ夫婦の投稿が流れてくるけど、本音の触れなさを語る人なんて、滅多にいないと思う。
でも、このnoteでは僕がちゃんと語ろうと思います。
触れられなくなった夫婦が、どうやってぬくもりを取り戻していったのか。
笑えるような失敗もたくさんしたし、泣きそうな夜もあった。でもそれを経て、今、僕は言えます。
「触れること」は、きっと取り戻せる。
「ぬくもり」は、つくり直せる。
これは、「これさえすれば、夫婦ラブラブ攻略法」みたいなノウハウ系ではないかもしれません。カッコいいアドバイスもできないかもしれない。
その代わり、「セックスレスだった僕が1年ぶりに夜の営みがあるまで」の実録はある。本当に辛かったし、僕がここにたどり着いたのは、毎日の積み重ねと小さな作戦があったから。
あなたがもし・・・
「レスに悩んでいる・・・」とか、「どう近づけばいいか分からない」
とか思っているなら、このnoteが悩んでいる人たちにも響けばいいと思っているし、なにかヒントがつかめれば幸いです。
ここからが本編になります。僕の小さな作戦の記録を振り返ります。
第1章:ぬくもりの記憶が、遠くなった
僕と妻は結婚して8年目。
付き合ってる頃は、正直、スキンシップ多めだったと思う。
手をつないで歩くのが当たり前で、彼女の肩に寄りかかられたときなんて、世界がちょっと止まった気がした。
夜、布団の中でくっついて寝るのも日常だった。
別にエロい話じゃない。あれはあれで、安心と信頼だったのだと思う。
でも、子どもが生まれてからは・・・まあ、わかりますよね。
育児のバタバタ、夜泣き、寝かしつけ、もちろん、日々の家事に仕事もある。
スキンシップなんて、贅沢品みたいなもんだった。
それでも、「触れられない」が定着したのは、もっとあとだった。
育児が落ち着いて、時間が取れるようになっても、なぜか触れることができなかった。
妻はいつも忙しそうだった。
家事をしながら子どもの予定を確認し、夕飯を作りながら子どもの明日の準備、終わったと思ったら、もう結構いい時間になってて、
「ねえ、ちょっとこっち来てよ」なんて言える雰囲気、正直、なかった。
気がついたら、僕の中に「言えない気持ち」が溜まってた。「スキンシップがほしい」なんて、どこかわがままに感じてたんだ。
彼女だって頑張ってるのに、そこで「触ってほしい」なんて、自己中な甘えじゃないか??
って、自分を責めるうちに、何も言えなくなってきた。
そのうち、触れたい気持ち自体が、どんどん遠ざかっていった。
どうせ拒否されるだろうという予防線を張るのが、日課みたいになってた。
手を伸ばせばよかっただけなのに。
でも僕は、ポケットに手を突っ込んだまま、じっと彼女の横顔を見ていた。
なんでこんなに遠くなったんだろう。
言葉も、ぬくもりも、まるで冬眠みたいに眠ってしまったまま。
いつだったかの夜、彼女が寝室に向かうとき、何気なく「おやすみ」と声をかけた。
その瞬間、自分でも驚くほど緊張していた。
なんて返してくるか。無視されるか。嫌な顔されるか。そんなことをグルグル考えていた。
でも彼女は、ふつうに「うん、おやすみ」と返して、寝室のドアを閉めた。
僕はそのドアの前で、なぜかホッとしたけど、すごく寂しくなった。
第2章:「触れる」って、どこからやり直せばいいの??
「触れたい。でも、どうしたらいいのか、わからない」
そんな夜が続いていた。
僕はあきらかに触れなさすぎた夫だったし、いきなり手をつないだら驚かれるかもしれない。
今さら「ぎゅってしてもいい??」なんて言おうもんなら、急にどうした系モンスターになる自信があった。
でも、このままだとほんとに手遅れになる。
ぬくもりって、たぶん、自然には戻ってこない。
僕が何かをしなければ、僕たちはこのままただの共同生活者になる。
それはちょっと嫌だった。
じゃあ、どうする・・・
ここで僕は勇気だして動いてみた、その名は「ちょっと触れるだけ大作戦」
