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連載小説【BLACK】

連載小説【BLACK】

行儀が悪いのが俺とあれの共通点。

俺は27、あれは29。

あれのほうが品行方正な顔してるけど、それは育った環境の話だと思う。それだけだよ、実際才能は俺の方があるし、誰にも負けない自覚も自信もある。いや、ほんとに。

名前?必要?ああ、じゃあまあいいや、伝えておく。

俺は暁人、あれは勇平、それで件の彼女の名前がのどか。

のどかは32になる。

長ったらしい畏まった文章って俺苦手だから上手く書けないかもしれないから、言いたいこと先に言っておく。

俺はのどかが欲しいと思ってる。

結婚して手元に置いておけるならそれもいいと思ってる。

勇平が俺にのどかを紹介した。好きな子がいるからちょっと手伝ってくれって言われて会ったら俺が恋しちゃった。欲しいことはその時にすぐに行った。勇平は面食らった顔したけど、あとで揉めるのは嫌だったから。のどかはまだそのことをよくわかっていない。のどかにとてステディってなんだろうって時々イライラするくらいにあいつにとって恋愛って価値がないものなのっかもしれない。

そう思うとつまんねえなあって思うけど、ゲーム攻略だと思えば面白いかと思ったりもして、でも人の感情ってそんなに簡単に介入しちゃうと痛い目にあうんじゃねえかなって思ってる。

俺が変に中毒性強い人間だからかもしれないけれど。

勇平はのどかに会わせないようになった。想定済みなんで俺も俺のやり方でやらせてもらうことにした。

呑気で鈍感で、自分の範疇のことはよく見えるけれど過集中過ぎて他のことは見えなくなるから、俺のことはもう忘れていると思っていた。だからサプライズのほうが刺激が強くて一発逆転になる気がして、その瞬間を狙っていた。実績を積み重ねて、積み重ねて、いつ気づかれても、あの時から好きだったって証拠を残しまくってる。

夜になると俺はまともになる。ベランダでタバコを吸っている時にのどかの必要性を考えさせられる。俺の恋愛って意味があるのかな?何か報われるのかな?そもそも依存体質な俺が本気ではじめてあいつのこと壊しちゃわないかなとか、なんとか、いろいろ。

勇平は相変わらずまごついているっぽい。どっちでもいいとは思ってる。先とか後とかってよりも長くあいつを繋ぎ止めておいた方がいいわけだし。

最後はどっちに転ぶかよりもどれだけ長い時間あいつを占有できたかだと思うから。

勝ち負けじゃないのはわかってる。でもはじまっていない今は勝負事に置き換えないとやってらんないんだよ。

俺だって男だからね。

負けられない?いや違うね。負けたら終わり。

それが俺とのどかなんだ。

そしてその前に勇平がいる。

<<<<<続く、、、、


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この記事のライター

JERUSALEM's

1997年4月、13歳の春は真っ青な空の如く今も僕達の心を悲しみで塗りつぶしている。赤く燃え上がる気持ちを見逃してしまったことが痛みとなってボクたちを西へと向かわせた。この街にたどり着いて早10年。この街を大王の都、エルサレムに喩えた理由を小説にしていく。

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