突然ですが、ひとつ質問です。
ある休日、2人の男性が同じイベントに誘われました。
Aさんは参加しました。
でも、期待していたほど面白くありませんでした。
一方、Bさんは参加を見送り、家でゆっくり過ごしました。
さて、ここで問題です。
損をしたのは、どちらでしょうか?

A|イベントに参加した
- お金を使った
- 時間も使った
- あまり楽しめなかった
B|イベントに参加しなかった
- お金を使わなかった
- 家でゆっくりできた
- 嫌な思いもしなかった
あなたなら、どちらを選びますか?
失敗しなかった人
一見すると、Aさんの方が損をしたように思えます。
せっかくの休日に、お金も時間も使った。
それなのに、期待外れ。
「行かなければよかった」
そう思っても不思議ではありません。
一方のBさんは、余計なお金を使わず、のんびり過ごせました。
少なくとも、イベント選びで失敗することはありませんでした。
ところが、この話にはまだ見えていないものがあります。
Bさんが知らないこと
イベントが終わった夜。
Aさんは、こう思いました。
「思ったほど面白くなかったな」
でも、同時にひとつわかったことがあります。
あのイベントは、自分の好みではなかった。
次に似たイベントを見かけたら、別の選択ができるでしょう。
では、Bさんはどうでしょうか。
Bさんは、イベントが面白かったのか、つまらなかったのかを知りません。
もしかすると、行っても退屈だったかもしれない。
でも、そこで気の合う人に出会えた可能性だってあります。
その答えは、参加しなかった以上、わからないままです。
ここで、最初の質問が少し変わります。
Aさんはお金と時間を使った。では、Bさんは本当に何も失っていないのでしょうか?
「何もしない」にも、見えないコストがある
経済学には、機会費用という考え方があります。
簡単にいえば、何かを選んだことで、選ばなかった別の選択肢から得られたはずの価値のことです。
たとえば、映画を観るために2時間使えば、その2時間で読書することはできません。
反対に、読書を選べば、映画を観る機会を手放すことになります。
つまり、何かを選ぶということは、同時に何かを選ばないということ。
これは、挑戦するときだけの話ではありません。
挑戦しないときにも起きています。

A|参加する
- 見えるコスト:お金・時間
- 得られたもの:実際の経験、自分に合うかどうかの手がかり
B|参加しない
- 得られたもの:休息・節約
- 手放した可能性:新しい経験、出会い、発見
失敗を避けることと、何も失わないことは同じではない。
ここで誤解してほしくないのは、Bさんの選択が間違いだったわけではないということです。
疲れているなら、家で休む方がいいかもしれません。
お金に余裕がなければ、参加を見送るのも合理的です。
ただ、ひとつだけ気をつけたいことがあります。
「失敗しなかったから、自分は何も失っていない」と思い込まないこと。
では、どう選べばいいのか?
僕たちは何かに挑戦するとき、失敗した場合のことを考えます。
「お金が無駄になったら?」
「時間を損したら?」
「恥をかいたら?」
どれも大切な視点です。
でも、もしそこで考えるのをやめていたら、判断材料がひとつ足りません。
それは、
「やらなかったら、何を手放すことになるだろう?」
という質問です。
たとえば、以前から行きたかった場所。
ずっと気になっている習い事。
一度話してみたいと思っている人。
挑戦すれば、失敗する可能性があります。
でも、挑戦しなければ、そこで何が起きたのかを知る機会もありません。
どちらを選ぶかは、自分次第。
大切なのは、片方のリスクだけを見て決めないことです。
最初の質問に戻りましょう
イベントに参加したAさん。
参加しなかったBさん。
結局、損をしたのはどちらだったのでしょうか?
実は、この情報だけでは決められません。
Aさんには、期待外れだった経験が残りました。
Bさんには、家でゆっくり過ごせた時間が残りました。
どちらにも得たものがあり、手放したものがあります。
だから、最初の質問に唯一の正解はありません。
でも、ひとつだけ確かなことがあります。
「何もしなかった」は、「何も選ばなかった」ではない。
僕たちは、何もしない日にも、何かを選んでいるのです。
TODAY'S ONE IDEA
失敗しない選択にも、見えないコストがある。
「やって失うもの」だけでなく、「やらずに手放す可能性」にも目を向けてみよう。
TODAY'S MISSION
今、少し気になっているけれど、まだ行動していないことをひとつ思い浮かべてください。
そして、次の2つを比べてみましょう。

① やって失うものは?
② やらずに手放す可能性は?
どちらも考えたうえで、自分が納得できる選択をしてみてください。
NEXT QUESTION
「考えすぎる人」は、なぜ決断できなくなるのか?
考え方がひとつ増えたら、スキで教えてください。
また読みたいと思ったら、フォローしてもらえると嬉しいです。
MORE IDEAS
- 「もっと稼ぎたい人」が、お金より先に考えるべきこと
- 「前に進んでいない」と感じたとき、疑うべきもの
- 「結果が出ないとき、いつまで続ければいい?」



ONE IDEAとは
3分で、考え方がひとつ増える。
日常の悩みを入り口に、本や研究、身近な出来事から、新しいものの見方を届けるメディアです。
