全般性不安障害(GAD)とは

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
全般性不安障害の人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder, GAD)は、日常のあらゆることに対して過剰に不安を感じ続ける精神疾患です
一般的な不安とは異なり、特定の出来事や対象に限らず、「漠然とした不安が常に続く」のが特徴です
この不安は現実的な根拠が薄いにもかかわらず、頭から離れず、生活に支障をきたすほど強いです
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1. 全般性不安障害の主な特徴
① 常に続く過剰な不安
- 仕事、人間関係、健康、お金、将来など、さまざまなことに対して過度に心配する
- 「もし失敗したら」「悪いことが起きるかもしれない」と最悪の事態を想定する
- 不安の対象が次々に変わり、一つの問題が解決してもすぐに別の心配が生まれる
② 身体症状の併発
不安が続くことで、心だけでなく体にも影響が出る
代表的な症状は以下のとおり
- 慢性的な緊張感(肩こり、頭痛、胃の不調)
- 疲労感が抜けない(常に疲れている、休んでも回復しない)
- 睡眠障害(寝つきが悪い、途中で目が覚める、悪夢を見る)
- 動悸・息苦しさ(胸が締め付けられるような感覚、呼吸が浅くなる)
③ 集中力や判断力の低下
- 常に不安を抱えているため、目の前のことに集中できない
- 些細なことでも「どうしよう」と迷い、決断するのに時間がかかる
- 「考えすぎて疲れる」のに、「考えずにはいられない」状態
④ コントロールできない不安
- 「心配しすぎだ」と自覚していても、不安を止められない
- 周囲に「そんなに気にしなくていいよ」と言われても安心できない
- 理屈ではわかっていても、感情がついてこない
2. 全般性不安障害の原因
GADは、遺伝、脳の働き、環境要因が複雑に絡み合って発症すると考えられている
① 脳の機能異常
- 不安を調整するセロトニン、ノルアドレナリン、GABAなどの神経伝達物質のバランスが乱れる
- 扁桃体(不安を感じる脳の部位)が過剰に働き、些細なことにも過敏に反応する
② 性格傾向
- 完璧主義:「失敗は許されない」と思い込む
- ネガティブ思考:「悪いことが起こるに違いない」と最悪の未来を想定する
- 心配性:「何か見落としていないか」と常に不安を抱える
③ 環境的要因
- 幼少期の厳格な教育(「○○しなければならない」と育てられた)
- 過去のトラウマ(いじめ、家庭内の問題、事故など)
- 慢性的なストレス(仕事、家庭、人間関係のプレッシャー)
3. 全般性不安障害の影響
GADは、日常生活のあらゆる場面に悪影響を及ぼす
① 仕事・学業
- 「失敗したらどうしよう」と考えすぎて行動できない
- 人の評価を気にしすぎて、必要以上に頑張りすぎる(結果的に疲弊する)
- 集中できず、ミスが増える(焦れば焦るほど悪循環に陥る)
② 人間関係
- 「嫌われるかも」と過剰に心配する(その結果、他人の顔色をうかがう)
- 人と会うのが億劫になり、孤立する
- 相手のちょっとした言動に敏感になりすぎる
③ 健康
- 慢性的な疲労・不眠で、体調が悪化する
- 胃腸の不調や頭痛、動悸などの身体症状が続く
- 「また具合が悪くなったらどうしよう」と、不安がさらに強まる(心配が心配を呼ぶ)
4. 全般性不安障害の治療と対策
GADは、適切な治療や対策を行えば改善できる
大切なのは、「不安をゼロにしよう」とするのではなく、「不安と上手く付き合う方法を身につけること」である
① 認知行動療法(CBT)
- 不安を引き起こす「考え方のクセ」に気づく
- 「絶対に失敗する」「最悪の事態になる」という思考を修正する
- 「大丈夫かもしれない」という現実的な視点を身につける
② 生活習慣の改善
- 睡眠の質を上げる(規則正しい生活、寝る前のスマホ禁止)
- 運動(ウォーキングやヨガ)で自律神経を整える
- カフェイン・アルコールの摂取を控える(神経を過敏にする作用がある)
③ 薬物療法
症状が重い場合は、医師の指導のもとで薬を使用することもある
- SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬):不安を和らげる
- ベンゾジアゼピン系抗不安薬:即効性があるが、長期使用は依存のリスクがある
④ 「不安と戦う」のではなく「受け入れる」
- 「不安になってもいい」と考える(不安を否定すると、かえって強まる)
- 「今できること」に集中する(漠然とした不安に流されない)
- 「完璧でなくてもいい」と思えるようになることが大切
5. まとめ:全般性不安障害との向き合い方
GADは、「不安が常に続く状態」だが、適切な対処をすれば改善できる
- 原因は脳の機能、性格、環境要因の複合的なもの
- 不安が強すぎると、仕事・人間関係・健康に悪影響を及ぼす
- 認知行動療法、生活習慣の改善、薬物療法で対処可能
- 「不安をなくそう」とするのではなく、「不安とうまく付き合う」ことが大切
不安は誰にでもあるもの
問題は、それに「振り回されるかどうか」だ
「どうせ不安になるなら、うまく付き合っていこう」と考えることが、GAD克服への第一歩である
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