神経発達症とは

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
神経発達症の人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
神経発達症とは? 詳しく解説
1. 神経発達症の概要
▶ 神経発達症とは?
神経発達症(Neurodevelopmental Disorders)は、生まれつきの脳の発達の違いによって、認知・学習・運動・行動・社会性に影響が出る障害の総称である
発達障害(発達症)とも呼ばれ、主に以下の特性が見られる
- 生まれつきの脳機能の特性によるもの(後天的な病気ではない)
- 子どもの頃から症状が現れ、大人になっても特性が続く
- 人によって症状の現れ方や程度が大きく異なる
▶ どのような症状があるのか?
- 社会的なコミュニケーションが苦手(会話のズレ、場の空気を読むのが難しい)
- 感覚の過敏・鈍麻がある(音、光、触覚などへの反応が極端)
- 特定の行動や考えに強いこだわりを持つ
- 注意力や集中力にムラがある
- 学習の得意・不得意に大きな差がある
2. 神経発達症の種類
神経発達症は、DSM-5(精神疾患の診断基準)において以下のように分類されている
▶ ① 自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)
- 特徴:対人コミュニケーションの困難さ、強いこだわり、感覚過敏など
- 例:「相手の気持ちが分かりにくい」「特定の物事に強く興味を持つ」
▶ ② 注意欠如・多動症(ADHD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
- 特徴:注意散漫、衝動的な行動、多動(じっとしていられない)
- 例:「忘れ物が多い」「思ったことをすぐ口にしてしまう」「集中力が続かない」
▶ ③ 学習障害(SLD:Specific Learning Disorder)
- 特徴:知的発達に問題はないが、特定の学習分野(読み・書き・計算)が極端に苦手
- 例:「文字をうまく書けない」「計算だけ極端に苦手」「文章を読むのが遅い」
▶ ④ 発達性協調運動障害(DCD:Developmental Coordination Disorder)
- 特徴:運動のぎこちなさや不器用さ、ボディイメージの把握の難しさ
- 例:「ボールを投げたりキャッチするのが苦手」「手先が不器用」
▶ ⑤ チック症・トゥレット症候群
- 特徴:無意識のうちに体が動いたり(運動チック)、声が出る(音声チック)
- 例:「まばたきを繰り返す」「突然声を発してしまう」
3. 神経発達症の原因
神経発達症の原因は、生まれつきの脳の特性によるものと考えられている
▶ ① 遺伝的要因
- 親や兄弟に同じ特性を持つ人がいる場合、発症リスクが高くなる
- 多くの遺伝子が関係しているが、明確な原因遺伝子は特定されていない
▶ ② 脳の発達や神経伝達の違い
- 脳の一部の機能が過剰に働いたり、逆に弱かったりする
- 神経伝達物質(ドーパミン、セロトニンなど)の働きに違いがある
▶ ③ 環境要因(発症には直接関係しないが、症状に影響を与える)
- 妊娠中の環境(母体の健康状態、栄養、ストレス)
- 幼少期の経験(虐待・ストレスの多い環境)
- 社会的サポートの有無
※親の育て方やしつけが原因で発症するものではない
4. 神経発達症の診断と支援
▶ ① 診断の流れ
神経発達症は、医師(精神科・小児科・神経科)による診断が必要である
〈診断のステップ〉
- 問診・行動観察(日常生活の様子、困りごとをヒアリング)
- 心理検査(WAIS、WISCなどの知能検査、注意力・記憶力のテスト)
- 家族や学校・職場からの情報収集(成育歴、生活の困難さの把握)
▶ ② 支援・治療の方法
① 環境調整(学校・職場・家庭での対応)
- 仕事や勉強のやり方を工夫(視覚的なスケジュール、チェックリストを活用)
- 感覚過敏がある場合、音や光を調整する(イヤーマフの使用など)
- 明確な指示を出す(曖昧な言葉ではなく具体的な指示)
② 行動療法・認知行動療法(CBT)
- 感情コントロールやストレス対処法を学ぶ
- 衝動的な行動を抑えるトレーニングを行う
③ 薬物療法(必要に応じて)
- ADHDには中枢神経刺激薬(メチルフェニデートなど)が使われることがある
- ASDの強い不安やこだわりに対して、抗不安薬やSSRIが処方されることもある
5. 神経発達症の人が抱えやすい困難と対策
神経発達症の特性は、環境とのミスマッチによって生きづらさを感じることが多い
▶ ① 対人関係の難しさ
- 「空気を読めない」「相手の気持ちが分からない」と言われる
- 対策:会話のルールを学ぶ、相手の表情や声のトーンに注目する
▶ ② 仕事や勉強での困難
- 集中力が続かず、ミスが多い
- 対策:時間を区切る、タスクを小分けにする、メモを取る習慣をつける
▶ ③ ストレスが溜まりやすい
- 感覚過敏があり、人混みや騒音が苦手
- 対策:静かな環境を確保、リラックスできる方法を見つける
6. まとめ
- 神経発達症は、脳の発達の特性によって起こる生まれつきの障害
- ASD、ADHD、SLDなどの種類があり、それぞれ異なる特性を持つ
- 環境調整や行動療法、必要に応じた薬物療法で対処が可能
- 適切な支援を受けることで、特性を活かしながら生活できる
神経発達症は、「できないこと」ではなく「違い」と捉えることが大切
適切なサポートがあれば、社会の中で自分の特性を活かしながら生きていくことができる