ダブル・ディプレッション(Double Depression)とは何か

寄り添わない心理カウンセラー【Y】:代表
こんにちは🍵
「そこまで落ち込むのは気の持ちよう」と言う人には寄り添わない心理カウンセラー【Y】です
ダブル・ディプレッションって聞いたことありますか?
日本語で言えば「二重うつ病」で、沈んだままさらに沈む、その重なりに苦しむ症状です
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ダブル・ディプレッションとは
ダブル・ディプレッション(Double Depression)は、持続性抑うつ障害と大うつ病エピソードが同時に存在する状態を指す もともと気分が低空飛行のように続いている人が、あるタイミングで急激な落ち込みを経験することで、さらに深い抑うつ状態に陥る
この障害は、日常的に気分が沈んでいることが「ベース」となっているため、変化に気づきにくく、対応が遅れやすい 「いつも通りの落ち込みだと思っていたら、気づけば動けなくなっていた」というケースも少なくない
どうして見落とされやすいのか
ダブル・ディプレッションの特徴の一つは、「うつの中に、さらにうつが重なる」という構造にある すでに長期的に気分が沈んでいるため、急激な悪化が本人にも周囲にも分かりづらい
たとえば、普段から「なんとなく元気がない」「自分に自信が持てない」「気力が湧かない」という状態が続いている人が、大きな喪失やストレスをきっかけに深い絶望感に陥る けれど、周囲は「いつもと変わらないように見える」と感じる
また、本人自身も「自分はいつもこうだから」「気分が沈むのはいつものこと」と思ってしまい、明確な異変として捉えにくくなる
症状の重なりがもたらす苦しみ
持続性抑うつ障害の症状に加えて、大うつ病の特徴的な症状が現れることで、以下のような状態に陥りやすい
・自分には一切の価値がないと感じる ・何も楽しめず、未来に希望が持てない ・日常生活の最低限の行動(食事・入浴・外出など)すら困難になる ・自殺念慮が強まり、自傷行為に至るリスクが高まる
このような症状は一時的に見えて、実際は何カ月にもわたって続くことがあり、身体や脳に大きな負荷を与えることになる
「普通に見える」ことの危うさ
ダブル・ディプレッションの人の多くは、「なんとか社会生活をこなしている」ように見える 仕事に行けている、会話もできる、家事もしている——それだけで「問題ない」と判断されてしまうことも多い
しかし、表面的にできていることと、内面的な消耗はまったく別物だ 「動けている自分」と「苦しんでいる自分」のギャップに悩み、自分を責める傾向がさらに強まることもある
「元気そうに見えるから大丈夫」は、もっとも危険なすれ違いを生む視点となる
治療と心理カウンセリングのアプローチ
ダブル・ディプレッションの治療では、まず「今の抑うつが通常の状態ではない」と理解することが出発点となる いつもの落ち込みとは質や深さが違うことを認識することで、適切な支援にたどり着きやすくなる
薬物療法では、抗うつ薬や気分安定薬の調整が検討されることが多い ただし、反応が鈍かったり副作用が強く出ることもあるため、慎重な経過観察が必要になる
心理カウンセリングでは、以下のような支援が有効となる
・「今の状態は一時的な悪化である」と言語化して確認する ・持続性抑うつに染みついた自己否定感に働きかける ・日常生活の中に小さな喜びや達成感を再発見する視点を持つ
特に、抑うつが深まっているときは「変わる意欲」自体が持てないことがあるため、変化を迫るのではなく、「ここにいていい」「今のままで十分だ」と感じられる安全な場を提供することが第一歩になる
回復は「自分に戻る」のではなく「自分を再構築する」こと
ダブル・ディプレッションからの回復は、「以前の元気な自分に戻る」ことではない むしろ、「落ち込みやすい自分」や「気分の変動がある自分」とどのように付き合っていくかを模索していく過程だ
心理カウンセラーの役割は、「いつか自然に晴れる日を待つ」のではなく、「曇り空の中でも歩ける道を一緒に見つけていく」ことにある
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