彼は幸せについて考えることが多かった。幸せって、果たして何なのだろう？ 自問自答し、ふと、幸せを求める旅に出ることを決意した。
彼は多くの仕事を同時にこなしていたが、その中には自身の情熱を見つけることができない瞬間もあった。文章を書くことが好きだったが、その意味について考えると混乱してしまうことがあった。それでも、今日も書き続けていた。おそらく、成功の兆しが見えないからだろう。
高校生の頃、彼はテニスに夢中になっていた。プロのテニスプレイヤーになりたいという夢を追いかけていたが、現実は厳しかった。地区大会から県大会に進出できるのはほんのわずかで、彼の実力では地区大会さえハードルが高かった。しかし、テニスの試練を通じて彼は何かを学んだ。努力しても才能が開花しないならば、他の分野に挑戦すべきだと気づいた。
その後、彼は自分が得意で興味を持っていることを仕事にできないか考えるようになり、それが現在の仕事につながった。彼は生活費を稼ぐために必要な年収が低いことを理解しており、物欲がなかった。結婚の予定もなかった。仕事をしていれば、テニスを趣味として楽しむ時間も確保できるだろう。
彼にとってテニスは趣味で済ませるにはプロの道しか考えられなかった。本気で取り組まなければ面白くなく、負けたくなかった。競争意識が芽生えた思春期からくる情熱は、彼を駆り立てていた。試験の成績やテニスの試合結果が順位で示され、親、先輩、先生からの期待や助言があった。しかし、それに応える結果を出せず、それを挽回しようとしていた。
抑圧された圧力に負けたくない一方、現実の成果に恥じ入り、未だに勝つことを追求していた。今、福祉の分野で働いているが、利用者に「自分のペースで大丈夫です」と言いつつ、自分自身はその言葉を実践できていないことが恥ずかしかった。どうしたらいいのかはある程度わかっているつもりだったが、なかなか実践できなかった。
彼は幸せを探求する旅に出て、才能と努力、自己意識との戦いが絡み合い、時には葛藤を引き起こすことを知った。しかし、幸せは個人の価値観や選択によって異なり、他者の期待や社会の定義に縛られず、自身の道を切り開くことが大切だと感じた。
そして、彼はいつか自巺意識から解放され、真の幸せを見つける日が訪れることを願っていた。彼は物語を書き続け、幸せについての答えを見つけるための旅を続けた。どこかで、その答えが待っているはずだった。
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